1974年に米国から日本へ進出し、日本で初めてがん保険の提供を開始したアフラック。日本での創業50周年を迎える2024年に向けて「Aflac VISION2024」を掲げ、「生きる」を創るリーディングカンパニーへの飛躍を目指す。そのために同社が取り組んでいるのが、ダイバーシティ推進と、働き方改革「アフラック Work SMART」だ。

アフラック生命保険 ダイバーシティ推進部長 山内浩子氏は、4月22日に開催されたTECH+フォーラム「バックオフィス業務改革Day 2021 Apr.」で、同社のダイバーシティ推進と「アフラック Work SMART」の取り組みについて、実例を交えながら紹介した。

山内浩子氏

アフラック生命保険 ダイバーシティ推進部長 山内浩子氏

創業以来、女性社員の活躍を積極的に推進

時代とともに変化する社会的課題に対してアフラックは、自社の専門性や資源を活かし、社会と共有可能な価値を創造するCSV(Creating Shared Value)経営を実践してきた。社員一人一人が既成概念にとらわれず新しい発想を持つことの重要性を感じている同社は、その具体的な手段として、ダイバーシティ推進と働き方改革に取り組む。

特に、創業以来アフラックは、女性社員の活躍を積極的に推進してきた歴史がある。国内創業メンバー16名のうち9名は女性であり、1997年には国内の生命保険業界で初の女性役員を輩出。1998年には、それまで男性社員が中心であった営業現場に女性支社長が2名誕生している。山内氏は「採用/育成/管理職登用を男女分け隔てなく行ってきたことで、女性活躍が当たり前の文化になっている」と、アフラックの風土について語る。

多様な”人財”が活躍できる組織風土づくり

アフラックは近年でもさらなるダイバーシティ推進を目指し、2014年より「指導的立場に占める女性社員の割合を2020年末時点で30%にする」「ライン長ポストにおける女性比率を2025年末までに30%にする」というKPIを掲げ、女性の登用/育成に注力している。

そして、2014年当初は17.5%だった指導的立場に占める女性社員の割合は、2019年には30.7%に達し、1年前倒しでKPIをクリア。2020年時点では31.8%と、KPI達成後も女性登用が進んでいる。また、2014年には9.4%だったライン長ポストにおける女性割合は、2020年末時点で20.7%へ増加。引き続きKPI達成に向けて取り組みを強化しているところだという。

成功の裏には、女性社員や管理職の意識改革と並行して、働き方改革も同時に進めたことで20~30代の女性社員の離職率が大きく改善した影響もある。山内氏は「社内の制度が整ってきたことが大きな要因の1つにあるが、制度を使いやすい風土が醸成できたことでこうした結果につながった」と評価している。

さらにアフラックは、女性だけでなく、より多様な人財が活躍できるような環境整備を進める。例えば、男性の育児参画に関しては、育児休職制度の一部有給化のほか、配偶者が出産するときの特別休暇として配偶者出産休暇を導入している。徐々に男性の育児参画意識や職場での理解が高まってきており、なかには育児休職を8カ月取得する男性社員も登場しているという。また、同社の専門性を活かし、がんに罹患した社員への支援にも注力する。

このような取り組みが実を結び、社員への意識調査における「多様な人財が活躍できる組織風土が醸成されつつある」という項目への回答率は、2014年は62%だったのに対し、2020年には84%へと大きく向上した。