真に社員の生産性を上げる施策とは? 成功企業2社が語る取り組み

[2020/04/01 08:00]山田井ユウキ ブックマーク ブックマーク

働き方改革は、「生産性向上」のための手段の一つとして語られることが多い。しかし、改めて考えると「生産性」とは何なのだろうか。これまでは、労働時間に対しての成果を生産性として評価していた企業が多かったが、全ての職種で一律に言える基準ではないだろう。

社団法人at will workが2017年にスタートした「働き方を考えるカンファレンス」は、今年、4回目を迎えた。毎回、時世を踏まえたテーマの下に開催されてきた同カンファレンスにおいて、今回掲げられたのは「働くと経営課題」だ。

働き方が多様化してきた昨今、生産性を上げるためには会社としてどのような施策を打つべきなのか。2月20日に開催された「働き方を考えるカンファレンス2020」では、クリエイティブな仕掛けを施したオフィスを新設し、社員のモチベーションを引き出して生産性向上に成功している東急不動産 執行役員 亀島成幸氏と乃村工藝社 常務取締役 中川雅寛氏が登壇。OMOYA代表取締役社長 猪熊真理子氏の進行の下に行われたパネルディスカッションでは、生産性とは何か、労働の在り方はどう変わって行くのかについて、活発な意見交換が行われた。

(写真左から)猪熊氏、亀島氏、中川氏

「生産性」とは何か?

生産性を単純に数値で表すのは難しい。多くの企業は「労働時間に対する成果」を生産性だと捉えているが、業務内容によっては必ずしも成果が定量的に測れるとは限らないからだ。例えば、アイデアやイノベーションを生み出す時間をどう評価するのか。モデレータを務める猪熊氏は、まずはそこから問いかけていった。

「成果は量だけでなく質も重要」と語るのは亀島氏だ。質を向上するためには社員が自発的に考えてクリエイティブな仕事をする必要があり、そのために東急不動産ではさまざまな取り組みを行っているという。

「8月には本社を移転し、新オフィスではフリーアドレス制をはじめ、コミュニケーションやクリエイティブな発想につながる仕掛けをつくりました。若手たちが自発的に行っているプロジェクトが7つほど生まれるなど、ボトムアップで会社はどんどん変わってきています」(亀島氏)

一方、乃村工藝社の中川氏は「生産性とは損得のことではない」と断言する。同社の”核”にあるのは創業からの127年間、変わらず受け継がれてきた「お客さまの期待以上の仕事をする」という考え方だ。短期的な損得ではなく、「長期的、サスティナブルに人のためにできることをするなら、それは我々のなかで生産性として位置づけられる」という。

仕事の質を高めるオフィスづくり

クリエイティブな仕事ができるようなオフィスをつくったという東急不動産。それは一見すると、昨今のテレワークのムーブメントに逆行する流れにも思える。

この点について亀島氏は「テレワークや時差出勤といった体制も当然つくっている」と説明し、「新しい価値を生み出すためには集まって議論したり触発し合ったりすることも必要」だと見解を示す。その上で、「本社に来れば自由で楽しく、クリエイティブな仕事ができると社員に思ってもらうことが大事」だと語った。

東急不動産の新オフィスはフリーアドレス制に加えて、5層を貫く中階段を設置。偶発的に社内のさまざまな人と出会える空間が、コラボレーションが生まれる”仕掛け”になっているのだという。

中川氏も、「テレワークも便利だが、社員には会社にきてほしいと思っている」とオフィスの重要性を強調する。「仕事は孤独にしないことが大事。三位一体だとやはり知恵がまわる」とコミュニケーションからクリエイティブな発想が生まれることを説き、「(事業として)リアルな空間をプロデュースしていることもあり、リアルのなかにこそ”何か”がある」と強調した。

乃村工藝社もまた、東急不動産と同じくクリエイティブなオフィスづくりに力を入れている。ワンフロア全てを若い社員に自由にデザインさせた結果、ブックカフェのような空間「RESET/SPACE」が完成。卓球台を設置して体を動かす場をつくったり、センサーを配備して人の流れを検証/デザインしたりと、こちらもさまざまな仕掛けを導入して人と人との出会いやコミュニケーションを生み出している。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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