無駄をなくすためにデータ活用を浸透させる、インティメート・マージャー代表の一貫した想い

【連載】

ミッションステートメント ~企業が込めた想い~

【第14回】無駄をなくすためにデータ活用を浸透させる、インティメート・マージャー代表の一貫した想い

[2019/12/23 09:00]周藤瞳美 ブックマーク ブックマーク

約4.7億件のオーディエンスデータを提供するデータマネジメントプラットフォーム(DMP)専業最大手のインティメート・マージャー。2019年10月には東証マザーズへの上場を果たした。

「データ活用における革命を起こす」という企業理念の下、オンライン・オフライン双方のマーケティングを支援してきた同社だが、代表取締役社長の簗島亮次氏は「今後はマーケティング支援に留まらず、さまざまな領域で企業のデータによる意思決定に貢献していきたい」と意気込む。

創業時から一貫している簗島氏の強い理念の裏にある想いについて聞いた。

インティメート・マージャー 代表取締役社長の簗島亮次氏

自分より得意な人はこの世にいない -「データを使った効率化」にこだわる理由

<企業理念>
データ活用における革命を起こす

<Mission>
世の中のさまざまな領域において、データを使った効率化をすること

<Vision>
データ活用をより、誰でも使えるものにしていく
利用した価値を実感してもらえるようにする
様々な場面で利用できるようにしていく

<Value>
お客様が抱える課題を解決するためのデータ活用の専門家でありたい
データをシンプルかつ正しい方法で価値に変換していきたい
データに関わった人たちが楽しさや幸せを感じてもらいたい

もともと学生時代から、データを使った意思決定や効率化が得意だった簗島氏。大学院生時代に行っていた脳科学の研究や、大学1年生のときに知人と起業した会社での経営・営業活動にデータを役立てていたという。

さらに、大学2-3年生の頃に取り組んでいた短歌の創作にもテキストマイニングを取り入れ、ドラえもん短歌コンテストで賞を獲得するなど、何に対しても「データを活かす」ことが好きだったと振り返る。

その後、簗島氏は新卒でグリーに入社し、Webディレクターとして入退会ページやポータル、キャンペーンサイトなど、ゲーム以外のほとんどすべてのサイト改善に取り組んだ。

当時について「会員情報や行動データから相手が何者であるかがわかっているユーザーに対して適切な情報や施策を届けることができるのはおもしろかったですね。ユーザー側からしても、不要な情報を受け取らなくて済むようになるのでハッピーです。これはDMPにも共通することだと思います」と振り返る。

そして、さらなるデータ活用ビジネスを志向し、フリークアウトへ入社。半年後には、フリークアウトとPreferred Infrastructureのジョイント・ベンチャーとして、インティメート・マージャーを創業した。

これまでの簗島氏のキャリアで一貫しているのは、データを使ってさまざまな領域を効率化し、よりシンプルな仕組みを作っていくということ。「こうしたことが自分より得意な人はこの世にいないと思っています。それが、私がこの事業に取り組んでいるモチベーションです」と自信を見せる。

そしてその根底には、「データを使った効率化を行うことは、世の中のためになる」という信念がある。

「世の中には無駄なものが多くあります。そうした無駄をなくすために、データに基づいて効率化していったほうが良いという考え方はずっと変わっていません。データを使わない意思決定よりは、データを使った意思決定のほうが良い。多くの人や企業に共通することであり、それが当たり前の世の中に変えることができれば大きな社会貢献になるはずです」(簗島氏)

事業拡大に伴い、より視点の高いミッションに変更

「インティメート・マージャー」という社名は、人工知能研究の第一人者であるGoogleのレイ・カーツワイル氏が2020年に起きると予測している革命に由来する。

同氏は、あらゆるデータがひとつに統合されるという未来像を描いている。この革命を自らの手で起こしたいという思いが、社名には込められている。

実際に近年では量子コンピュータや5G、IoTといった先進技術が目覚ましい進歩を遂げていることで、従来は処理できなかったような大容量データを高速で処理できるようになったり、これまで扱えなかった形式のデータが扱えるようになったりする可能性が高まり、データ活用の未来も大きく拓けてきた。

「IoTや5G、量子コンピュータなどは、私が理想としていた世界とすごく近いところにある技術です。カーツワイル氏が予言した2020年に向けて、そうした技術がポツポツと登場してきているという感覚があります。そしてその周辺に、私たちの可能性を広げる領域があると考えています」と簗島氏が語るように、インティメート・マージャーが見ている世界は、現在注力しているマーケティング領域のみに留まらない。

「データ活用における革命を起こす」という企業理念は創業時から一貫しているが、ミッションの「世の中のさまざまな領域において、データを使った効率化をすること」は、マーケティング領域の外にもビジネスを広げ、データ活用全般に対して価値提供していくことを考え始めた2, 3年前に変更されたものだ。

以前のミッションは「DMPでNo.1のシェアを獲得する」といった分野を絞ったものだったというが、事業が拡大していくにつれ、「もう少し顔を上げて、理想をより高い視点で捉える必要を感じた」(簗島氏)ため、現在の言葉に落ち着いた。今後はこのミッションのもと、新たにFinTechやSales Tech、HR Tech、ヘルスケア市場などにもチャレンジしていく考えだ。

より視点の高いミッションとなったことでビジネスの可能性は広がったものの、社員への浸透は難しくなったといえる。この点について何か工夫しているのか。簗島氏は、社内への浸透方法について次のように答える。

「締め会などで話をしたこともありますが、ミッションは体現していくしかないと思っています。朝会で言葉を叫んでも、社員の心には響かない。自分たちの行動がミッションと紐付いているということを実感できるような仕組みを作っていくことが本質なのだと思います。現状では、社員全員が体現できているわけではないと思いますし、私自身もまだこれからですね」(簗島氏)

インティメート・マージャーにとってミッションは、浸透させるものではなく、体現するものなのだ。

「データを使って解決できない課題はない」

ヘルスケア、自動運転、農業など、さまざまな領域で多様なデータが取得できるようになったことで、データをもとにした意思決定ができない分野は今後ほとんどなくなってしまうかもしれない。簗島氏は「データを使って解決できない課題はない」と、言い切る。

「データによる意思決定を提供できる業界は思いつくものだけでもたくさんありますし、現在思いつかないようなところにもデータが活用できるようになっていくと思います。データを使って何ができるのか。突き詰めていくと、もしかしたら5年後には、データを活用して美味しい野菜を作っている会社になっているかもしれません」(簗島氏)

すべての顧客の課題を、データを使って解決できるような企業になる――そんな簗島氏の理想の形を追い求めて、これからもインティメート・マージャーは進化を続けていく。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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データ活用の重要性が叫ばれるようになって久しいが、そうした風潮が生まれる遥か前、ビッグデータという言葉すら生まれていなかった2004年に創業し、一貫してデータ分析および関連サービスを提供してきたのがブレインパッドだ。今回は、同社代表取締役社長 草野隆史氏にデータビジネスに着目した経緯やミッション・ビジョンに込めた思いについてお話を伺った。

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