ユーザーのクリエイティビティをサポートする「Adobe Sensei」とは?

[2018/06/07 07:00]エースラッシュ ブックマーク ブックマーク

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5月23日・24日に、秋葉原UDXにて「After NAB Show」が開催された。本稿ではアドビ システムズ Adobe Creative Cloud エバンジェリストの仲尾毅氏が登壇した「Adobe Creative Cloud 最新アップデート 『Adobe Sensei』が変える映像制作」についてレポートする。

映像を取り巻く環境の大きな変化

アドビ システムズ Adobe Creative Cloud エバンジェリスト 仲尾毅氏

2018年4月にアメリカ・ネバダ州のラスベガスで開催された世界最大の放送・映像業界イベント「2018 NAB Show」。

これに合わせ、映像に関わるAdobe製品も大きなアップデートが行われたことを受け、本講演ではアップデート内容のダイジェストを行うと仲尾氏は解説する。

「やっと4Kがスタンダードになってきているかなという中、今年の12月1日から4K/8K放送を始めようという段階に入りました。HDや4Kと同様、未来の話だと思っている間に当たり前の時期がやってきます」と仲尾氏。

世界から注目を集める2020年の東京オリンピックというマイルストーンも迫り、VRも一過性の物ではなく定着しつつあるため、より大容量の動画を扱わなくてはならないことも増えていくだろうと語る。

一方、かつてスマートフォン/タブレットで情報を得る際、標準的に動画が使用されるようになった。NHKなどもソーシャルで使われることを想定した動画を制作・配信し、動画の使い方に広がりが出ていると指摘。

NetflixやAmazonプライムもオリジナルコンテンツの制作に力を入れ、ここからメインターゲットを生み出すという戦略も見え始めている。

仲尾氏は「Netflixで『Adobe Premiere』が使われているという事例を発表させていただいてますが、ポイントは非常に多くのバージョンを作らなくてはいけないというところです。言語が一番分かりやすいと思いますが、その国ごとにさまざまなバージョンを作らなくてはいけません」と解説。

YouTuberのプロダクション「UUUM」での活用事例や25年目を迎えたモーショングラフィックス/VFXツール「Adobe After Effects」が映画「レディ・プレイヤー1」や「パシフィック・リム」などでも使用されたと説明する。

25年を迎え、さまざまな場で活用される「Adobe After Effects」

ユーザーの行う作業をシンプルにする「Adobe Sensei」とは

こうした現状を踏まえ、アップデートが行われてきたAdobe製品。続けて仲尾氏は、講演タイトルとなった人工知能「Adobe Sensei」を象徴する機能を紹介していく。

例えば写真を切り抜こうとした際、新たに「Adobe Photosho」へ搭載された「被写体を選択する」という機能を使えば被写体を選ぶだけで自動的に選択される。仲尾氏はモデルの髪の選択部分が不完全なことについて「ここまで自動で選んでくれるので、後は微細な調整だけで作業が完了します。

前段階の作業がいらなくなりますから、クリエイターは別のことに時間を使えます」と説明。AIテクノロジーは単純にクリエイターの仕事を肩代わりするのではなく、オペレーショナルな部分をAIで自動化しようとしているのだ。

「被写体を選択する」というボタンをクリックするだけでほぼ人物の選択が完了し、大幅に作業時間を軽減することができる

一方「Adobe Premiere」では編集機能の強化や充実を図っている。「さまざまなカメラを使って撮影すると色味が変わり、違和感が生まれてしまうこともあります。

そのため色を補正して合わせていくという編集作業を行わなくてはいけません」と仲尾氏はデモを交え、プレビューに追加された「比較表示」というボタンについて説明。

参照用と編集用の画を比較しながら編集が行えるほか、エフェクトコントロールパネルの「fx」オプションをクリックすると変更前と変更後を簡単に切り替えできるようになるなど、フィードバックで入った機能もあるという。

画像の変更前・後を確認しながらトーンを調整することが可能となった

「『Adobe Sensei』らしい機能としては、リファレンスのカラー・トーンに合わる『カラーマッチ』という機能もあります。素材のカラーをある程度合わせてくれるので、ここから調整することを想定したものとなっています」と仲尾氏。

また「Adobe After Effects」で作ったモーションテロップ「Adobe Premiere」を追加する際、ダイナミックリンクではなく「Adobe After Effects」側にテンプレートという概念を入れ、モーショングラフィックステンプレートを「Adobe Premiere」へドラッグできる機能も追加された。

テンプレートをホバーすればどのようなモーションが入っているか確認でき、インフォメーションでさらに詳しくチェックしながら使うことができる。

「エッセンシャルグラフィックスパネル」でも「Adobe After Effects」側でテンプレートとなるモーションに対し、どのようにパラメータを調整させたいか盛り込んだうえで書き出すことが可能となった。

グループで映像編集を行っていく際、プロジェクトに「Adobe After Effects」の使い手がいない状態でも一度作成すれば共有して使うことができる。「Adobe After Effects」を起動することなく、必要なパラメータを「Adobe Premiere」の中で変更可能なのだ。

「この機能自体は去年から搭載されていますが、今回はホバーすると動画で確認ができるようになったり、『Adobe Stock』からモーショングラフィックステンプレートの提供も始めています」と語る仲尾氏。

ロイヤリティーフリーのものも1日数万点ずつ増加しているそうだ。さらに「Adobe After Effects」からテンプレートを書き出すのは一方通行だったが、春のアップデートでテンプレートファイルをもう一度「Adobe After Effects」で読み込み、別のテンプレートを作る機能も追加したという。

豊富なモーショングラフィックステンプレートを利用できる

オーディオ編集では音楽トラックとナレーションが入っている場合、ボイスに合わせてBGMを下げる作業をより簡易に行える機能が登場。

仲尾氏は「ミュージックトラックでナレーションの部分を一斉に選び、会話という属性を設定して『ダッキング』、ナレーションが入ってたらどのような感度でどれぐらいという感じで設定できます。例えば、-11dbくらい下げるというレスポンスで設定して、『キーフレームを生成』というボタンを押せばボイスがない場所はBGMを上げてくれます」と解説していく。

このほか、25年を迎えた「Adobe After Effects」ではエッセンシャルグラフィックスパネルの強化、複雑にネスト化されたコンポーネントの必要なパラメータだけを集めておくマスタープロパティ、高度なパペットツールを使用したリアルなアニメーションなど、よりカジュアルに手早くというコンセプトの機能を提供している。

仲尾氏は、わずかな時間ながら「Adobe Creative Cloud」の最新アップデートについて説明。ユーザーの求める価値へ応え、さらなる躍進を期待させる講演となった。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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