ワークスモバイルジャパンは2018年2月2日、ビジネスチャットツール「LINE WORKS」の1周年記念カンファレンス「LINE WORKS DAY」を開催した。今回はその中から、ワークスモバイルジャパン 執行役員の萩原雅裕氏が登壇した「LINE WORKSの勢いと今後」の様子をレポートしよう。

LINE WORKSの契約顧客社数はもうすぐ1万社を突破

ワークスモバイルジャパン 執行役員の萩原雅裕氏

萩原氏はセッションの冒頭で、LINE WORKSが辿ってきたこれまでの歩みについて解説した。

LINE WORKSは、前身である「Works Mobile」のv2.0でサービス名変更およびLINEとのトーク連携を実現。v2.1でアンケート機能やトークBot APIなど全45項目におよぶアップデートを実施し、v2.2では過去最大のアップデートにより60を超える機能が追加された。

また、メジャーな機能拡充はもちろんのこと、より利便性を高めるべくAPIの拡張やライブラリの改善、チューニングなども行われている。

「LINE WORKS」のこれまでの歩み

これらのアップデートを、実際の画面を示しながら紹介した萩原氏は「こうしたアップデートの根底にあるのは、既存アプリのように”細かい部分はPCから操作”ではなく”スマートフォンでもフル機能が使える”こと、多彩な機能を備えながらも現場で直感的に使える”圧倒的な使いやすさ”、そしてビジネスで使うにあたり極めて重要な”安心感・安定感”です」と語る。

「LINE WORKS」の特徴

ここで萩原氏は、これまで一度も公開していなかったLINE WORKSの契約顧客社数について言及。「これまで各種メディアの方々からご質問も多かったのですが、それを今回のカンファレンスで初めて公開します。LINE WORKSの契約顧客社数はもうすぐ1万社を突破します! 実はあと数日で1万社だったのですが、残念ながらわずかに間に合わなかったので”もうすぐ”と表現させていただきました(笑)」と発表した。

LINE WORKSの今後については、「使いやすさ」の改善と進化、さらなるパフォーマンス強化、Botを通じたソリューション連携、AI活用などを図っていく予定だという。

LINE WORKSの契約顧客社数はもうすぐ1万社を突破

Marketoと共に「エンゲージメントマーケティング」を実現

萩原氏は、今年1月にサービス連携を発表したMarketoについて紹介。ゲストプレゼンターとして、マルケト バイスプレジデント マーケティング本部長の小関貴志氏を招き入れた。

Marketoは、エンゲージメントマーケティングソフトウェアと関連ソリューションのリーディングプロバイダーであり、マーケティングソフトウェア「Marketo」を提供している企業だ。

マルケト バイスプレジデント マーケティング本部長の小関貴志氏

小関氏は、同社の事業概要を紹介した上で「これまでのマーケティングは、伝えるメッセージに注力した『マスマーケティング』、セグメントや直近のレスポンスに着目した『単発型マーケティング』が主流でした。しかし、企業が改革を実行していくには、顧客一人ひとりとの長期に渡る関係構築が必要不可欠です。そこで今後は、セグメントではなく”個人”、一時的ではなく”長期的”、そして場所やチャネルを選ばない『エンゲージメントマーケティング』が重要な役割を果たします」と語る。

エンゲージメントマーケティングにおいては、顧客のことを知り、社内で素早く情報共有する必要がある。LINE WORKSとMarketoのサービス連携は、その実現に大きな効果をもたらすものだ。

小関氏は、Web経由で問い合わせがあった際に担当営業へLINE WORKSで通知する「LINE WORKS Alert」を紹介しつつ、「社内コミュニケーションをLINE WORKS、お客様とのコミュニケーションをMarketoがカバーすることで、理想的なエンゲージメントマーケティングを実現します。業種や規模を問わず、さまざまな企業でお使いいただけるのもポイントです」と話した。

「Marketo」の製品コンセプト

「LINE WORKS Alert」の紹介

豆蔵およびSAPジャパンとの連携で新しい働き方を創造

SAPジャパン 代表取締役社長の福田譲氏

続いて萩原氏は、カンファレンス当日の2月2日に発表した、LINE WORKS、豆蔵、SAPジャパンの3社によるソリューション連携についても紹介。SAPジャパン 代表取締役社長の福田譲氏を壇上へ招き入れた。

福田氏はこのソリューション連携について、「たとえば、お客様から『いつ納品できる?』と聞かれた場合、LINE WORKSから豆蔵のBotにメッセージを送ると、SAPのERPへ問い合わせて在庫数を返信。引き当て作業までメッセージのやり取りで完了できるほか、裏側でRPAと組み合わせれば入力作業なしで発送処理までを行うことも可能になります。お客様を待たせず、なおかつ手間なく業務が進められるわけです。このソリューション連携は、煩雑な業務からの解放、そして業務の自動化という2つの意味を持っています。この新しいインタフェースにより、新しい働き方が生まれるわけです」と語った。

最後に萩原氏は、「LINE WORKSでは、スマートフォン+チャットの便利さと効率をより幅広くするべく、今後も機能拡充に取り組んでいきます」と述べ、セッションの幕を閉じた。