コロナ禍を受けて業務のオンライン化が進んだことで、マーケティングにおいてもデジタル施策が重要性が一層高まりつつある。しかし一方で、マーケティングツールの導入自体が目的化してしまい、使いこなせていないケースも多々見られるのが実情だ。どうすればそうした事態を回避し、真にビジネスに貢献するツールの選定や運用ができるのだろうか。

9月17日に開催されたマイナビニューススペシャルセミナー「Digital Marketing Days「Day2:[BtoB] 営業スタイル変革の第一歩を」 において、セールス/マーケティングの双方の経験とMAツールの実装/運用に抱負な実績を持つB2B Sales & Marketing トランスフォーマー 水谷博明氏が、ツール導入/運用において気をつけるべきポイントやB2Bマーケターのキャリアについて、パラレルマーケター/Still Day One 代表社員 小島英揮氏との対談形式で語った。

小島英揮氏、水谷博明氏

パラレルマーケター/Still Day One 代表社員 小島英揮氏(写真左)、B2B Sales & Marketing トランスフォーマー 水谷博明氏(写真右)

まずはマーケティングの大前提に立ち返る

講演冒頭では、まず小島氏が「マーケティングのゴールは『知られること』ではなく、試す/買う/勧めるなどの行動を起こしてもらうこと、そしてその行動を続けてもらうこと」と、マーケティングの定義を明確にした上で、「認知度やクリック数の数字だけを見てしまうマーケターは多いが、それらはマーケティングのゴールを実現するためのものだということを念頭に置いてほしい」と呼びかけた。

続けてマーケティング設計で重要なWho/What/How×Whyの6項目を紹介し、「ツールや手法という”How”ばかりを考えがちだが、マーケティングの前提条件となる”Who”と”What”も考えるべき」と、誰を相手にどのようなメッセージを伝えたいかという視点を含めて考えることの重要性を指摘。そして、B2Bマーケティングのカギとして、次の3つの項目を挙げた。

  1. セールスに寄り添うべし
  2. SFA/CRMツールにMAツールを組み合わせる
  3. リードをセールスから「戻す」フローの構築
ho/What/How × Why

マーケティング設計で重要なWho/What/How × Whyの6項目

以降では、これらの項目について詳細に見ていきたい。

「セールスに寄り添うべし」

水谷氏は、セールスとマーケティングには、金銭感覚の違いによる「壁」があるとする。基本的に、セールスにおいてお金は”入ってくる”ものだが、マーケティングにおいては”出ていく”ものだ。入ってくるお金があってこそ出ていくお金がある、という意識をマーケティング側が持つことで、セールスとマーケティングは壁を超えて歩み寄れるようになるという。

「入ってくるお金をマーケティングが意識すれば、例えば第1四半期で予算達成が厳しそうということがわかれば、マーケティング側はリードを集めるという動きができます。マーケティングは、先回りして動かなければならない職種です」(水谷氏)

小島氏は、こうした水谷氏の意見に同意した上で「連動しなければゴールはできないので、お互いの役割や空気感を知ることは重要。ゴールを決めるのはセールスなので、そこにいかに良いパスを出すかという発想で考えなければならない」とサッカーの試合に例えて補足する。

コロナ禍を受けてオンラインでの商談が増える昨今は、マーケターが営業活動にも同席しやすい環境にあると言える。セールスは受注までにどういうアクションを起こし、どういう会話をしているのかといった営業プロセスを体感することができれば、よりセールスへの理解は深まるだろう。