4月19日~21日、東京・ビッグサイトにて開催された「ヘルスケアIT 2017」では、「テクノロジーが変えるヘルスケアの未来」をテーマに掲げ、医療や介護にかかわる各種展示のほか、有識者によるさまざまなセミナーが多数実施された。
そのうち、「ビッグデータを活用した製薬企業等のエリアマーケティングの活動事例」と題して行われた講演では、リーズンホワイ 代表取締役社長 CEO 塩飽哲生氏が登壇。製薬企業のMRがどのようにビッグデータを活用し、病院やクリニック向けのマーケティングを展開していくかについて事例を基に解説がなされた。
鍵を握るのは「DPCデータ」
2011年に設立されたリーズンホワイは、医療情報サービスを展開するITベンチャー。専門医限定の情報交換や専門医検索などのネットワークサービス「Whytlink(ホワイトリンク)」や、個人や法人向けの病院選びサービス「yourHospital」、地域医療分析ツール「WhytPlot」を展開する。
講演では、これらのサービス・ツールのうちWhytPlotにスポットを当て、その活用事例などが紹介された。同ツールは、現在26社の医療機関や製薬企業、医薬品・医療機器メーカーに採用されており、実際にさまざな成果が得られているという。
塩飽氏はまず、「演題にある『ビッグデータ』とは、厚労省が収集・公開する診療データである『DPC(Diagnosis Procedure Combination)データ』を中心としたパブリックなデータ」であることを説明。「これからのMRのマーケティングは、どの病院が何を目指して経営しているかをビッグデータからリアルタイムに知り、MRがそれを手伝うことで、地域全体が一丸となって進めていくことが重要になります」と説いた。
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リーズンホワイ 代表取締役社長 CEO 塩飽哲生氏 |
DPCデータをエリアマーケティングに利用するメリットはどこにあるのか。それは、DPCデータは公開データであるため、医師との情報共有が問題なく行えること、売り上げの7~8割を占め、経営に密接にかかわる入院患者のデータであることだ。
「公開データのなかで、医師の関心事に最も迫ることができるのがDPCデータです。自社の主力製品が外来で処方される薬剤だとしても、DPCデータを使わない手はありません」(塩飽氏)
ビッグデータをマーケティングに活用する狙いは、顧客のターゲティングやセールスの働きかけ、顧客満足度の向上とシェア率アップにある。ターゲティングでは、売上データや実際の患者数動向などからエリアマーケティングのプランを作成し、各病院へのアプローチを支援する。
一方、セールスでは、医師への増患のアドバイスや他の病院との連携などを客観的なデータを基に働きかける。これらにより、ターゲット病院の顧客満足度を高め、自社製品のシェア率アップや下げ止まりを図る。
※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。
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