進むWindowsのLinux化 - Linuxディストリビューション

【連載】

にわか管理者のためのLinux運用入門

【第206回】進むWindowsのLinux化 - Linuxディストリビューション

[2019/11/26 08:00]後藤大地 ブックマーク ブックマーク

サーバ/ストレージ

Windows 10にWSL (Windows Subsystem for Linux)の機能が導入されてから、Microsoft StoreにはさまざまなLinuxディストリビューションが登録されるようになった。この辺りで一度、こうしたLinuxディストリビューションの状況をおさらいしておこう。

Ubuntu系

Windows 10で最もデファクトスタンダードに近いポジションにあるLinuxディストリビューションがUbuntu系だ。Ubuntuの開発を支援しているCanonicalはMicrosoftと提携し、WSL向けのUbuntuを提供することを約束している。今後もMicrosoft Storeには公式はUbuntuの登録が続くことが想定されており、そしてアップデートも提供される見通しだ。Windows 10でLinuxを使ってみるという場合、まずここが選択肢となる。

現段階ではMicrosoft Storeには「Ubuntu」「Ubuntu 16.04 LTS」「Ubuntu 18.04 LTS」の3つのUbuntuが登録されている。

Ubuntu

Ubuntu 16.04 LTS

Ubuntu 18.04 LTS

この段階でインストールするなら「Ubuntu 18.04 LTS」だ。名前の通り、「Ubuntu 16.04 LTS」と「Ubuntu 18.04 LTS」は長期サポートバージョンであり、少なくとも5年間はこのバージョンを使い続けることができる。2020年4月には「Ubuntu 20.04 LTS」が公開されるだろうから、2020年4月以降は「Ubuntu 20.04 LTS」をインストールすればよいことになる。

「Ubuntu」は常にそのとき最新の長期サポートバージョンがインストールされるようだ。特にバージョンにこだわりがなければこれでインストールして使ってもよいと思う。しかし、長期サポートバージョンごとに結構仕組みが変わっているので、明示的に長期サポートバージョンを指定してインストールを行ったほうがよいと思う。

何はともあれ、特にこだわりがなければUbuntu系をインストールしておけばよい。同じUbuntu系でも、同時にインストールして利用することもできる。ディスク容量に余裕があるなら一通りインストールしておくのも悪くない。

Debian

Microsoft StoreにはDebianも登録されている。DebianはWebサーバなどのエッジサーバで使われることが多い。普段からDebianを使っているなら、WSLにもDebianをインストールして利用するというのは悪くない選択だ。

Debian

Q-Successの調査によれば、2019年11月におけるWebサーバ向けLinuxのシェアはUbuntuが37.5%でもっとも多く、これにDebianが20.9%で続いている。3位は17.0%のCentOSだ。DebianもCentOSも微減を続けているものの、依然として高いシェアを持っている。

SUSE系

日本ではあまりシェアは多くないが、Microsoft StoreにはSUSE系のディストリビューションも登録されている。現在のところ「SUSE Linux Enterprise Server 15」「SUSE Linux Enterprise Server 12」「openSUSE-Leap-15-1」が登録されている。

SUSE Linux Enterprise Server 15

SUSE Linux Enterprise Server 12

openSUSE-Leap-15-1

日本では、「普段は業務でUbuntu、またはCentOS、Red Hat Enterprise Linuxを使っている」という方が多いと思う。SUSE系を使うことはあまりないかもしれない。しかし、たまには別の管理コマンド体系を体験するのも良い経験になる。興味があれば、一度使ってみてもらえればと思う。

Kali Linux

業務でLinuxサーバを利用するという観点からすると変わり種に見えるかもしれないが、Microsoft Storeには「Kali Linux」も登録されている。Kali Linuxはセキュリティ研究者向けのLinuxディストリビューションで、セキュリティ関係またはハッキング関係のコマンドが最初からインストールされている。

Kali Linux

WSLとKali Linuxは結構相性が良い。仮にいろいろいじっていて環境がおかしくなってきたとしても、WSLであればアンインストールしてもう一度インストールするだけで済む。実験環境として使うのであれば、Kali LinuxとWSLは気軽に使いやすい。

有償ディストリビューション

ここでは取り上げないが、Microsoft Storeにはほかにも有償のLinuxディストリビューションも登録されている。どの程度使われているかは定かではないが、そうしたLinuxディストリビューションが登録されていることを知っておいてもよいだろう。

Red Hat系

Ubuntu系、Debian、SUSE系は登録されているが、Microsoft StoreにはRed Hat系は登録されていない。Red Hat Enterprise LinuxとCentOSは登録されていないのである(ちなみに有償版でfedoraのリミックス版は存在しているが、Red Hatの公式版ではない)。

Red Hat Enterprise Linuxは、活躍のシーンをクラウドプラットフォームに移しつつある。WSLで動作するLinuxディストリビューションとしてRed Hat Enterprise Linuxを提供する意味があまりないと考えられる。このため、今後もRed Hat系がMicrosoft Storeに登録される可能性は低いものと見られる。CentOSなどのRed Hat系を使っているユーザーには、残念なところだ(なお、CentOSも有償版は登録されているが、こちらも公式版ではない)。

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