厄災は、ある日突然やってくる。

【連載】

にわか管理者のためのLinux運用入門

【第1回】厄災は、ある日突然やってくる。

[2015/12/15 08:00]後藤大地 ブックマーク ブックマーク

降りかかる厄災

世界は理不尽だ。「仕事が均等に割り当てられる」などというのは、ありえないことだ。あなたは当たり障りなく、むしろうまいこと日々の業務をこなしてきたし、これからもできると思っているかもしれない。しかし、そんなことは関係ないのだ。厄災は、本人の意思とは関係なく降りかかってくる。

今年は2015年。ここで15年から20年ほど時をさかのぼってみよう。ちょうど、オープンソースのOSやサーバにブームの火が灯りつつあった頃だ。Linuxはそうしたムーブメントの中心として、90年代後半あたりから爆発的な人気を獲得していった。そして当時、Microsoftを悪の帝国のごとく扱い、Linuxを正義の騎士団のようにもてはやしたエンジニアや学生たちは、時の流れとともにメキメキ成長していった。

彼らは、不格好ながらもオープンソース・ソフトウェアを組み合わせた内製システムを開発し、企業活動を支えるようになっていった。そして新進気鋭だった彼らも、今では30代から40代の脂が乗った世代だ。自ら開発し、プロジェクトも推進する。彼らに対する会社の信頼は厚い。必然的に、出世したり、プロジェクトを任されたり、要するにべらぼうに忙しい立場になっている。

ここで1つ、疑問が浮かんでくる。システムは、誰かがメンテナンスしなければならない。では、かつて情熱とともに彼らが作ったシステムは、一体誰が面倒を見るのか。作った本人は別の仕事で多忙である。とは言え、一般的に考えて、他人の作ったシステムなど読み解きたくないし、管理もしたくないものだ。それを好んでやるとしたら、変態である(良い意味で)。

しかし、企業活動は無情だ。ある日いきなり、あなたの元へ”Linuxサーバの運用”というお仕事がやってくる。大抵は「若いから、こういうの詳しいんでしょ?」とか、「Windowsのことよく知ってるから、これも頼むよ」という理不尽なフレーズとともに、だ。Linuxが何かなんて知らない、Windowsしか使ったことがない。――そんなあなたの元へも、厄災は突然やってくるのである。

歴史は繰り返し、連載も繰り返す

LinuxがPCで動作するようになってから、Linuxの解説記事はごまんと出てきた。今もネットを検索すれば、いろいろな記事がヒットする。しかし、その多くはLinuxがブレイクした時代、同じ熱気の中にいた人が学んだものだ。今の人にとっては意味不明な内容になっていたり、知りたい情報ではなかったりすることもあるだろう。

そこで今回、新しい連載を始めることになった。「降りかかってきた厄災を、最低限の学習と理解で乗り切りたい」、「残業せずに帰りたい」、「最大限効率化して(手を抜いて)、うまく仕事を進め、事なきを得たい」、そういうモダンなユーザーにぜひお役立ていただきたい。

各回の記事では、シェアなどを加味しつつ、ディストリビューションが変わっても対応できるような部分に焦点を当て、スルスルと操作するための方法を解説していく。環境としては「CentOS 7」を想定するが、ほかのディストリビューションや*BSD(BSD系統のOS群)でも使える内容にしたい。”楽して最大の効果を”が主題だ。

基本の操作(1)――ログインとログアウト

まず最初に、システム(CentOS 7)を起動するとどうなっているのか見ておこう。システムを起動すると、コンソールにテキストが流れ、ログイン・プロンプトが表示される。ちなみにこのテキストは、ディストリビューションごとに異なる。例えば、デスクトップ向けのディストリビューションなら、テキストではなくグラフィカルな何かが表示されたりする。Windowsの起動画面のようなものだ。

CentOS 7のログイン画面

CentOS 7のログイン画面

システムが起動したら、ユーザー名とパスワードを入力してシステムにログインする。これで、コマンドの実行によっていろいろな操作ができるようになるわけだ。ここから先をいかに効率良く済ませるかが、肝要である。Linuxは人間が楽をするための機能をふんだんに提供している。そして、知れば知るほど自動化できるのがシステムだ。余すことなく活用したい。

ログイン完了

ログイン完了

ログインはつまり、就労時間の始まりである。長居はせずにログアウトしたい。「logout」と入力すれば、ログアウトしてログイン画面に戻る。後は帰宅するなり、飲みに行くなりしよう。

ログアウト完了

ログアウト完了

基本の操作(2)――シャットダウンと再起動

20年前なら目の前のPCでLinuxサーバが動いていたところだが、今ではそんな環境はまれになってしまった。クラウド・サーバやホスティング・サービス、仮想環境でLinuxサーバを動作させたり、データセンターに格納されたラックマウント・サーバを遠隔操作したりというのが当たり前の光景になっている。

こうした状況の中で、仕事で使うサーバ、特にデータセンターなどで稼働しているものはなるべく再起動したり、電源を落としたりしたくないという人が少なからず存在する。確かに、もしサーバが起動しなくなったら、何時間もかけて遠方のデータセンターまで行かなければならない。原因不明なのに怒られることもある。そして、たまに「なぜか再起動しない」という事態が起こるものだから、なるべく動かしっぱなしにしておきたいのだ。

しかし、年に数回はそうも言っていられない時がやってくる。メンテナンスでビル全体の電源が落ちるとか、セキュリティ・アップデートでどうしても再起動が必要だとか、BIOSやファームウェアをアップデートしなければならないとかいうケースだ。

電源を落とす時は、「shutdown -h now」、もしくは「shutdown -p now」を使う。オプションの意味はOSごとに微妙に異なるが、大体「-h」か「-p」のどちらかで電源が落ちる。

コマンド「shutdown -h now」の実行画面

コマンド「shutdown -h now」の実行画面

再起動するなら、「shutdown -r now」、もしくは「reboot」だ。

コマンド「shutdown -r now」の実行画面

コマンド「shutdown -r now」の実行画面。

「必要に迫られて初めてやってみたら、システムが再起動しなくなった」という事態になると、かなり焦る。この一連の操作は、余裕のある時に試しておこう。

今回のおさらい

今日取り上げたトピックは次のとおり。ログインとログアウト、シャットダウンと再起動だ。

  • コンソールからサーバにログインする  
  • コンソールからログアウトする  
  • システムを終了する  
  • システムを再起動する

次回以降は、なるべくシステムにログインしている時間を短くし、さくっと仕事を終わらせるためのノウハウを紹介していこう。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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