ファイルメーカーは10月23日~25日の3日間、神奈川県横浜市の「パシフィコ横浜」にて、開発者向けの年次イベント「FileMaker カンファレンス」を開催した。

100万ユーザーが利用する「FileMaker」シリーズ

ファイルメーカー社長のビル・エプリング氏

ファイルメーカーは、データベースソフト「FileMaker」を展開するソフトウェア企業。アップルの100%子会社であり、1998年までは「クラリス」という社名で、「クラリスワークス」「クラリスインパクト」「クラリスドロー」「クラリスメール」「クラリスホームページ」といったMacintosh用ソフトウェアの開発・販売を行っていた。

主力製品であるFileMakerシリーズは、ユーザー独自のビジネスアプリケーションを作成できる製品群だ。

大規模にシステムを構築する必要はないが、既存のパッケージ製品では機能が不十分だという時の利用に適しているほか、要件定義を行いながらプロトタイプを作成できるため、設計からテストといった工程を削減できるといった利点がある。同社では、ユーザーが作成したこれらのアプリケーションを「カスタムApp」と呼んでいる。

製品ラインアップは、カスタムAppの作成/変更/利用/共有ができるデスクトップソフトウエア「FileMaker Pro(FMP)」、FMPの機能に加えて、開発専用ツールやセキュリティを付加した上位版「FileMaker Pro Advanced」、サーバソフトウエアである「FileMaker Server」、iOS版クライアントアプリ「FileMaker Go」などがある。

現在は、全世界で100万以上のユーザーが利用しており、15の言語に対応している。また、iOS版「FileMaker GO」は2017年8月に300万ダウンロードを突破した。

全世界で100万以上のユーザーが利用

FileMakerにおける日本のシェアは25%!

初日に開催したオープニングセッションでは、日本市場における利用状況や取り組みについて、ファイルメーカー社長のビル・エプリング氏より説明があった。

FileMakerユーザー数における日本のシェアは25%に及ぶ。これは、ヨーロッパ全域とほぼ同等だ。そのため、FileMaker社としても重要な市場として位置付けているという。ちなみに1位はアメリカだ。

FileMakerユーザーのうち25%は日本が占めている

また、FileMakerのライセンス形態では、年間ライセンス(アニュアル ボリューム ライセンス)が最も人気があるそうだ。日本はもちろん、グローバルで見ても最も人気かつ急成長している形態だという。

その理由として、永続ライセンスと比べて1/3の低コストで初期導入できるほか、追加費用なしで最新版を利用可能だからと分析。既存バージョンの継続利用やアップグレートに関しても、年間で計画が立てられるため、予算化しやすい点が評価されているという。

エプリング氏は「シェアが高い日本市場はFileMakerにとって無視できない存在だ。今後も日本のユーザーの声を大切にしていきたい」と強調した。