Azure Stack Marketplaceについて(その1)

【連載】

プライベートクラウド検討者のための Azure Stack入門

【第20回】Azure Stack Marketplaceについて(その1)

[2017/05/24 08:00]小賀坂 優 ブックマーク ブックマーク

クラウド

前回、「Azure Stack Technical Preview 3(TP3)」より変更となったポータルの内容と、そのメリットについて解説しました。今回と次回は、Azure Stackの利用者がサービスを容易に、かつ迅速に利用するため用意されている「Azure Stack Marketplace」について、2回に分けて解説を行います。

Marketplaceの役割とは?

クラウドサービスを利用する際、膨大なサービスのなかから要求や目的にあったものを探し出すのは容易なことではありません。そこで、Microsoft Azureには「Azure Marketplace」と呼ばれるAzure上で動作するさまざまなサービスを利用するための仕組みが用意されています。

Azure Marketplaceには、マイクロソフトや各パートナーによって登録された3,500以上(2016/03時点)のサービスがカテゴリごとに分類されているため、要望・目的に合ったサービスを簡単に見つけられます。また、サービスを選択すると概要やスクリーンショットを確認できるため、導入・利用する際の参考にすることができます。

ポータルからAzure Marketplaceを表示したところ

必要なクラウドサービスだけをAzure Stack Marketplaceに

Azure同様、Azure StackにもAzure Stack Marketplaceが用意されています。そう聞くと、Azureに慣れている方はAzure Stackでも大量のアプリケーションのリストが出てくるのを想像するかもしれませんが、Azure Stack TP3をセットアップした直後のAzure Stack Marketplaceにはすぐに使えそうなサービスは登録されていません。TP2までは出来ていたWindows Serverのイメージですらも、初期リストには出てこなくなっています。

Azure Stack TP3をセットアップした直後に、ポータルからAzure Stack Marketplaceを表示したところ

ここで思い出していただきたいのですが、Azure Stackには「管理者」と「利用者」の2つの側面があります。使えるサービスが無いと感じるのは、管理者ではなく利用者の目線とも言えます。

Azure Stackの管理者にとっては、「利用者にどんなサービスを提供するか」を考えるのも重要な仕事です。サンプルのようなものが最初から追加されていないのは、Azure Stack TP3が最終段階として提供されたものであり、「管理者が考える」ことを想定しているからだと捉えるのが妥当でしょう。

それでは、管理者としてAzure Stack TP3にサービスを追加していきましょう。マイクロソフトから提供されるWeb AppやAzure Functions、SQL ServerサービスなどのPaaS、独自に用意したカスタムテンプレートの登録方法などは「Azure Stack documentation」内に記載されていますので、そちらを参考にするとよいでしょう。

パブリッククラウドファーストなハイブリッドクラウドの実現

カスタムイメージの登録をしてみるとわかりますが、手動での登録時にはテンプレートの構成やPowerShellの処理が必要なので、準備・展開にそれなりの時間を要します。そして、Azure Stackにはもっと簡単にサービスを追加する方法があります。それが「Azure Marketplace Syndication」です。

このAzure Marketplace Syndicationは、Azure Marketplace上のサービスのうちAzure Stackでも利用可能であるという設定がされたサービスをリスト化し、Azure Stackに簡単に取り込む仕組みを提供してくれます。

これにより、Azure Stackの管理者は、管理者ポータルにあるMarketplace Managementからサービスをリスト化し、ワンクリックでダウンロード・管理できるようになります。また、ダウンロードしたサービスは利用者ポータルのMarketplaceに公開されるため、「Azure Stackを包含したハイブリッドなAzureエコシステム」のなかで、容易にサービスを提供・利用することが可能となります。

もちろん、何でもAzure Stackではなく「Azure Stack上で動作させる必要があるサービスだけを登録」し、それ以外はAzureを含むパブリッククラウド上にあるサービスを利用することを考えましょう。これこそ、「パブリッククラウドファーストなハイブリッドクラウド」を実現するための近道だと思います。

Azure Stack TP3 refreshのAzure Marketplace Syndication の管理画面

* * *

今回は、Marketplaceが持つ役割やAzure Marketplace Syndicationの機能について説明しました。次回は、Azure Stack TP3 refreshビルドで登録が可能なIaaSやPaaSの概要、およびカスタムイメージを用いたAzure Stack Marketplaceへの登録方法について説明する予定です。

著者紹介

株式会社インターネットイニシアティブ
小賀坂 優

サポートエンジニア、公共系システムエンジニアを経て現職。プライベートクラウド環境としてのIIJ GIOとMicrosoft Azure/Office 365によるハイブリッドクラウド関連の新規サービス/ソリューション開発に従事中。Microsoft MVPという顔も持ち、ブログや勉強会登壇、コミュニティを通じてMicrosoftの製品やサービスの普及活動を行っている。
個人ブログ「焦げlog

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