【新春インタビュー】パブリッククラウド3社に聞く「2017年の重点戦略」 - IoTはバズワードから現実解へ、AWS編

【新春インタビュー】パブリッククラウド3社に聞く「2017年の重点戦略」 - IoTはバズワードから現実解へ、AWS編

[2017/01/12 08:00]五味明子 ブックマーク ブックマーク

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新年あけましておめでとうございます。
ITSearch+では「2017年新春インタビュー」と題し、大手パブリッククラウド3社に2017年のクラウド活用の在り方、価値について伺いました。最後は「Amazon Web Service(AWS)」です。

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2016年の「IoT(Internet of Things)」を総括するとどんな1年だったか――アマゾン ウェブ サービス ジャパンで事業開発本部 Mobile & IoT 事業開発マネージャを務める榎並 利晃氏にこう質問したところ、「本格的にIoTの重要性と必要性が理解され、バズワードとしてのIoTが終了へと向かった年」という回答が返ってきた。榎並氏の指摘は、「一部の先進的なアーリーアダプタだけでなく、多くの一般企業がIoTを自社の事業に本格的に取り込むようになってきた年」というものだ。

その一方、同本部の技術統括本部長である岡嵜 禎氏は「IoTの価値を理解し、積極的に事業に取り入れる企業と、IoTどころか、クラウドにすらまだどう対応すべきかわからずに躊躇している企業、この2つの差が徐々に拡大しつつある」という見解を示す。実際、筆者も現場で取材しながら岡嵜氏の言う”IoTの二極化”の傾向を感じるケースは非常に多い。

バズワードから脱しようとしているIoTのメリットをより広く伝えていくために、クラウドのトップベンダーとして、2017年にどう動こうとしているのだろうか。岡嵜氏と榎並氏に同社のIoT戦略について伺った内容をお伝えしたい。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン 事業開発本部 技術統括本部長 岡嵜 禎氏(右)と、同本部 Mobile & IoT 事業開発マネージャ 榎並 利晃氏(左)

新サービス「AWS Greengrass」が生み出す価値

――AWSには「AWS IoT」「Amazon Lambda」などIoTに適したサービスが数多くありますが、2016年11月の「AWS re:Invent 2016」で新たに「AWS Greengrass」を発表しました。IoTデバイス側でLambdaを実行させ、オフライン環境におけるデバイス連携を強化するサービスですが、じつにユニークですね

榎並氏 : Greengrassは、「リアルタイム処理をもっと洗練させたい」「インターネットにつながっていなくてもデバイス同士を連携させたい」というお客さま、特に製造業の強いリクエストに応えたアップデートです。製造業の現場では、ネットワークが不安定なところも多く、常にインターネットにつながっている環境とは限りません。

そうした不安定な通信環境にあっても、ローカル側が自立してデバイス連携し、Lambdaコードを実行することで、多くのアクションを迅速に行うことが可能になります。オフラインからオンライン、つまりクラウドに接続した時点で自動的にデータが同期されますから、たとえ断続的な接続であっても、信頼性を担保することが可能になります。製造業のほかにも、レギュレーションが厳しい医療を始めとする業界からのニーズが非常に高かったですね。

――クラウドと接続できない環境にあっても、デバイスに搭載したLambdaコードでもって、ローカル側にもうひとつの閉じたAWS環境を構築するような感じですね

榎並氏 : そうですね。GreengrassはバックエンドにAWS IoTを、そしてフロントにLambdaを実装しています。ローカル側がオフラインでも、データ収集やフィルタリング、集約、メッセージングなどのアクションをLambdaコードベースで実行し、オンラインになったところでクラウド(AWS IoT)に同期する、つまり、オフライン環境下のIoTデバイスの動作を「ネットワークがないから」という理由で妨げずに済むことが大きなメリットです。

――AWS IoTの話が出ましたが、2015年に発表されて以来、IoTの現実解として確実に普及している印象があります。AWS IoTが高く評価されている理由はどこにあるのでしょうか。

榎並氏 : AWS IoTのメリットは数多くありますが、まず挙げるとすれば「セキュリティ」と「信頼性」でしょうか。AWS IoTはフルマネージドなサービスですが、その中にはもちろんセキュリティも含まれています。AWS IoTでは、デバイス同士が相互で認証しあってはじめて通信できますから、認証されていないデバイスが入ってくることはありません。

たとえば、IoTデバイスはサイズや消費電力、処理能力の問題から暗号化通信が難しいケースも少なくありません。そうした環境でもセキュリティを保てるように「Amazon Cognito」を提供して認証を可能にしているように、AWSとしてセキュリティを担保することで「安全なIoTプラットフォーム」としての評価をいただいていると思っています。

根源的に「セキュリティを担保することがなぜ難しいのか」という話をしますと、セキュリティは「ずっとやり続けなければいけないもの」だからです。IoTに関しては最大の課題がセキュリティですから、特に「専門的に追い続ける目」が必要です。しかし、このインフラを利用する一般の企業が、セキュリティに傾注することは到底無理だと思います。だからこそ、それをAWSが代わりに受け負い、「一歩先のセキュリティを実現していく」ということを最重要のミッションに据えているのです。

岡嵜氏 : AWSは単に「我々は安全です」と独りよがりに言うのではなく、PCI DSSやFISMA、ISO 27001など、さまざまな第三者認証を取得しており、外部から見てもセキュリティファーストな企業であるよう、つねに努力を続けています。

ひと昔前は「クラウドはセキュリティが脆弱だから使わない」という声を聞くことも多かったのですが、今はむしろ逆です。「セキュリティが心配だからクラウド(AWS)に任せる」と言われるケースが圧倒的に多く、AWS IoTもまた、そうしたAWSクラウドに対する信頼が積み重なっているからこそ展開できているサービスだと言えます。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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