DX(デジタル・トランスフォーメーション)はデジタル技術によって企業に変革を与え、新しい価値を創出する取り組みです。世界中にDXの推進がおこなわれており、多くの日本企業もDXへの取り組みに尽力しています。
しかし、DX推進は会社全体に大きな変化を与えるため、取り組みの難易度は決して低くありません。戦略策定、人材の用意、インフラ整備など、必要なことは数多くあります。もし、すべてを自社でおこなおうとすると、膨大なリソースがかかってしまい、プロジェクトが頓挫する危険もあるでしょう。
そこで積極的に利用していきたいのが、DXサービスです。DXサービスを活用することで、専門家の知見を利用し、DX推進を効果的・効率的におこなえるようになります。この記事では、DXを推進する上で重要なDXサービスを、網羅的にご紹介します。
DXサービスの種類とDX(デジタルフォーメーション)の関係
DX推進サービスには、どのようなものがあるのでしょうか。DXの種類と、人気のDXサービスをご紹介します。
DXサービスとは?
DXサービスとは、企業のDX推進を支援するサービスの総称です。DXサービスを利用することで、内部リソースの節約、自社では技術的に取り組めない施策の実現、DX戦略の策定などが可能になります。
DX推進を自社だけで実施しようとすると、膨大なコストとリソースが必要になる上、失敗リスクも大きくなります。そのため、DXサービスを適切に選定・活用することは、DXを推進する上で不可欠といえるでしょう。
DXサービスは、技術面と戦略面の2つに分けることができます。それぞれについて解説します。
DXのDに関するデータ・技術サービス
技術面のサービスを利用することで、自社だけでは開発・運用がむずかしいシステムを導入できます。たとえば、下記のようなことが実現可能です。
- AI技術を利用した分析システム開発
- 業務システムのクラウド
- グループウェアの構築
- 勤怠管理や給与計算サービスの利用
サービスをおこなう事業者には、システム開発運用をおこなうSI/ITベンダー、クラウド環境を提供するクラウドベンダー、ソフトウェア提供を行うSaaSベンダーなどがあります。
DXのXに関するDX推進・変革サービス
戦略面のサービスを利用することで、効果の高いDX推進をおこなえるようになります。
DXを推進するためには、会社全体や市場を見据えた戦略が必要です。もしも戦略が適切でなければ、局所的な改善で終わったり、トラブルの頻発で頓挫してしまうおそれがあります。
そのような事態を避けるためには、DXコンサルティング企業のような、外部の知見に頼ることが効果的です。
DXコンサルティング企業は、数多くのDX推進に関わってきた経験をもとに、実現可能なビジョンや施策を提案します。企業分析、体制構築、プランニングなどを幅広くカバーしているので、DXを推進する上で非常に大きな助けになるでしょう。
実際に人気のDXサービスは?
DXサービスにはさまざまなものがありますが、実際に人気なサービスとはなんでしょうか。IT専門調査会社であるIDC Japan 株式会社は、DXサービスの需要動向調査をおこないました。
調査結果によると、具体的に利用されているサービスは以下のとおりです。
- 1位 ビジネス変革の支援 58.5%
2位 デジタルマーケティング/デザイン支援 28.7%
3位 アプリ開発/SI支援 27.0%
4位 データ分析/AI/自動化支援 23.2%
5位 OT/エンジニアリング支援 21.1%
このことから、コンサルティングによる総合的な支援と、システム開発などの技術面での支援のニーズが高いことがわかります。
DXサービス導入前に押さえておきたい、選び方と注意点
DXサービスにはさまざまな種類のものがありますが、適切なものを選ばなければ、期待した効果は得られません。
ここでは、DXサービスの選ぶポイントを、注意点を合わせて解説します。
1:コストは適切か
コストが予算内におさまるかを確認しましょう。一見すると予算内であっても、必要な機能がオプションになっていて、別途料金が必要な場合があります。
また、料金体系にも注意が必要です。たとえばSaaSの場合は、利用ユーザーの数に応じて変化する従量課金制が一般的です。そのため、実際に利用するユーザーを想定した上での見積もりが必要になります。
2:目的と合致しているか
サービスが目的と合致しているか、よく確認するようにしましょう。契約をしてから、必要な要件が満たせてなかったと気づく、ということは珍しくありません。
サービス提供事業者に自社の目的を明確に伝え、認識の違いが生まれないようにしましょう。また、勤怠管理などのSaaSでは、試用期間が用意されていることがあります。実際に触って機能の詳細を確認することで、勘違いやミスを防ぐことが可能です。
3:責任範囲は適切か
サービス提供側と利用側の責任範囲には注意しましょう。トラブル発生時に、サービス側に任せられると思っていたことが、自社の管理領域だったと判明する、という事態は避けなければなりません。提供されるサービス内容と責任範囲は、見落としがないよう入念に確認しましょう。
4:他システムとの連携は可能か
DXは部門を横断する変革をおこないます。そのため、他システムとの連携できるかは重要な要素です。もしも連携ができない場合は、データの移行を手作業でおこなう必要が出てしまいます。システム規模によっては、膨大な労力がかかってしまうでしょう。
現行のシステムだけでなく、将来的に導入予定のシステムのことも考えて、連携仕様を確認するようにしましょう。
5:サポート体制は十分か
サポート体制はよく確認するようにしましょう。システムの導入前・導入直後は、頻繁にサポートを利用することになります。回答に数日を要したり、日本語に対応していないようなサポート体制では、システム導入が遅れる原因になってしまうでしょう。
また、アフターケアの期間が短いと、運用開始前に期間が過ぎる危険があります。導入スケジュールに応じて、十分な期間を設けているサービスを選びましょう。
【コンサル系】おすすめDXサービス一覧
ここでは、コンサル系のおすすめDXサービスをご紹介します。
DX支援コンサル会社の注目サービスと導入メリット
DX支援コンサルは、戦略、体制構築、システム設計、運用など、DX推進にかかわるプロセスを包括的にサポートしてくれます。
DX推進はデジタル技術の導入にとどまらず、企業の体制・風土、ビジネスモデルを変革する大きな取り組みです。そのため、ノウハウのない企業が独自におこなうと、ビジョンや戦略が曖昧になり、方向性のよくわからないプロジェクトになってしまう危険があります。
コンサルティング企業はそのような事態が起こらないよう、数多くの経験から得た知見で、企業のDX推進をサポートします。
おすすめの大手コンサルティング
大手コンサルティング企業の中で、代表的な企業を2社ご紹介します。
1社目は株式会社野村総合研究所(NRI)です。日系のコンサルティング企業としては、トップクラスの知名度を誇ります。戦略の立案、ビジネスモデル創造、顧客接点革新、業務プロセス改革、データ活用システム、IT基盤改善、組織改革、など幅広い範囲の支援をおこなっています。
同社は課題解決のアプローチの方法として「コンサルティング×ITソリューション」を掲げており、経営とITを融合させた提案ができる点が、大きな魅力です。
野村総合研究所 DXサービス:
https://www.nri.com/jp/service/scs/dx
2社目がIBMビジネスコンサルティングサービス株式会社です。世界最大手IT企業のIBMの技術とノウハウに裏打ちされた、幅広い提案をおこなえるのが大きな特徴です。
DX推進にあたっては、デジタル技術と経営の両面からのアプローチが必要です。そのため、同社はDX推進という目的にマッチした企業と言えます。
IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社:
https://www.ibm.com/consulting/jp-ja/
おすすめの中堅コンサルティング
多くの実績を持つ中堅コンサルティング企業をご紹介します。
1社目が株式会社ベルテクス・パートナーズです。クライアントの組織内部に入り込み、課題解決のための伴走型支援をおこないます。サービスとしては、DX戦略策定、組織立ち上げ、新事業立ち上げ、先端テクノロジー活用支援、業務効率化、DX認定申請支援などがあります。
株式会社ベルテクス・パートナーズ DX支援:
https://www.vertex-p.com/service/dx/
2社目が株式会社 モンスターラボ・ホールディングスです。2,200を超える企業のコンサルティング実績があり、DX推進も積極的におこなっています。同社は新システムの導入や業務効率化などの施策で、新たなビジネスチャンスを創出してきました。
モンスターラボ DX推進サポート:
https://monstar-lab.com/service/dx/
【活用事例1】アプリを開発し、テナント企業へ福利厚生を提供
DXコンサルティング企業の支援の活用事例を紹介します。
米国の不動産投資・管理会社であるTishman Speyerは、福利厚生アプリを導入して、テナント企業に最適な福利厚生を提供できるようになりました。
同社では、競合相手となるコワーキングスペースが増加したことから、市場の優位性を確保する必要に迫られていました。そこで、DX推進をおこない、テナント企業との契約維持のために、オフィスワーカー向けサービスを導入することになります。
そこで、前述の株式会社モンスターラボが、リサーチ、企画、開発といった全工程を担当し、福利厚生アプリ『Zo.』をリリースしました。このアプリを利用することで、館内の施設の利用料が無料・割引になるほか、施設の案内やイベントの情報が受け取れるようになります。
このアプリの特徴は、柔軟なカスタマイズが可能だということです。この特徴によって、テナントごとに最適な福利厚生の提供が可能になりました。
くわえて、ビル管理費用と福利厚生に関する費用を一本化して請求することで、テナント側の負担が増加しないような工夫も組み込まれています。
このように、同社はアプリの導入によって、福利厚生の拡充と最適化という、新たな価値を創出することに成功しました。
参考:https://monstar-lab.com/cases/tishmanspeyer/
【Sier・ITベンダー系】おすすめDXサービス一覧
Sier・ITベンダー系のDXサービスの中で、おすすめをご紹介します。
SIer・ITベンダーの注目DXサービスと導入メリット
SIer・ITベンダーは、システム開発・導入・運用までを幅広くカバーしてくれます。自社にシステム開発が可能な人材が少ない場合は、大きな助けになります。
また、ベンダーは数多くの企業とかかわってきた経験から、自社では思いつかなかったソリューションを提供してくれます。新しい知見を得るという意味でも、ベンダーは重要なパートナーと言えるでしょう。
DXサービスが扱うものには、AI、IoT、XR、ブロックチェーンなどさまざまなものがありますが、今回はAIとIoTに絞って、解説と事例の紹介をします。
おすすめのAIサービス
AI技術を利用することで、業務のあり方は大きく変化します。現在、需要の高いAIサービスは、大きく分けて3種類です。
①確認・異常検知
人間が目視などでおこなっていた確認を、AIが代行します。製造ラインでの不良品検知や、設備の異常検出などに利用されます。
②データ分析・予測
業務データを分析し、小売店の需要予測や、運送業での配送ルート提案、顧客層の傾向の発見などがおこなえます。
③アナログ情報のデジタル化
紙に書かれた文字を読み取ったり、会話内容を書き起こします。
SIer・ITベンダーでは、これらのAI技術をもちいて業務を変革するシステムを開発・運用します。
AIサービスを提供している企業を2社ご紹介します。
1社目は株式会社ブレインパッドです。AIを利用したデータ分析システムの開発・運用、戦略提案などをおこなっています。小売、製造、金融、物流など、1000社を超える企業にAIシステムを導入した実績があります。
ブレインパッドの強み:
https://www.brainpad.co.jp/ai/people/forte/
2社目は株式会社ディー・エヌ・エーです。AIを活用したシステム開発・運用、AI技術の研究開発をおこっています。人事業務の改善、発電所の電力運用最適化、警備システムの音声生成など、幅広い分野を手掛けてきた実績があります。
DeNA×AI:
https://dena.ai/about/
【活用事例2】AIで売上・客数を予測し、販促計画を策定
株式会社ブレインパッドが支援をおこなった某外食チェーンでは、機械学習によって需要予測システムを導入しました。
同社では年間100近いプロモーションのプランニングをおこなっていますが、効果的なプロモーションのためには高度な将来予測が必要です。現在の手作業での予測には限界があると考え、AIによる需要予測システムの導入を決定しました。
通常、AIを利用した需要予測には膨大なデータが必要になりますが、同社には十分なデータがありません。そこで、曜日・学校休日・連休などのスケジュール情報と、プロモーション情報など、複数の視点を利用し、精度の高い予測を実現しました。
その結果、プロモーションの効果予測や、原材料の仕入れ、人員配置の最適化が実現しました。
参考:https://www.brainpad.co.jp/ai/case-study/182/
おすすめのIotサービス
IoT(Internet of Things)は、インターネットを利用して、センサーや駆動機器、車や家電などのさまざまなモノをネットワーク的につなぎ、情報を共有・活用する仕組みのことです。
たとえば、工場などで、異常検知、稼働状況の可視化、取得したデータの自動転記などに利用されています。また、オフィスでもIoTは利用されており、温度検知による空調の調整や、光量測定による明るさの調整で、光熱費削減を実現しています。
IoTを提供するベンダーを2社ご紹介します。
1社目が株式会社アイ・エス・ビーです。同社は1970年に創業した、50年以上の歴史を持つ独立系ICT企業です。無線を利用したIoTシステムの提供をおこなっており、工場、ホテル、商業施設、山間部など、さまざまな場所での導入を手掛けてきました。
株式会社アイ・エス・ビー IoTサービス紹介:
https://www.isb.co.jp/products/iot/
2社目がアステック株式会社です。同社は装置制御システムの開発に長年関わっており、クラウドを利用したIoTサービスを提供しています。具体的には、測定データ分析、予測システム、パソコンの遠隔制御システムを手掛けてきました。
アステック株式会社 事業紹介:
https://www.astec-corp.co.jp/business/software-development
【クラウド系】おすすめDXサービス一覧
DXを推進する上で、クラウドサービスは非常に重要です。ここでは、クラウドサービスが欠かせない理由と、代表的なクラウドサービスを解説します。
DX推進にクラウドが欠かせない理由
クラウドサービスが欠かせない理由を一言で表すなら、それはシステム運用のための機器類・インフラの管理を外部に任せられるからです。
クラウドサービスを利用しない場合、自社サーバーやネットワークを構築する必要があります。機器類を用意する費用だけでなく、ネットワークの管理やシステムの導入、保守も必要になり、人的コストは膨大なものになります。そのため、システム導入の費用対効果が大きく下がるため、新システムの導入のハードルが大きく上がってしまいます。
クラウドサービスを利用することで、DX推進に必要なITリソースを安価に利用できるようになるのです。
Google Cloud Platform
Google Cloud Platform(GCP)はGoogle LLCが提供するクラウドサービス群です。ストレージ、コンピューティング、データ分析、AI・機械学習など、150を超えるサービスが用意されています。
Google Cloudを利用すれば、仮想インフラ環境の構築、アプリケーション開発・運用など、DX推進で必要なことの多くが実現できます。
GCPの優れた点は、世界中で利用されているGoogleのインフラや技術を利用できるということです。膨大なデータを扱うGoogleのノウハウが反映されているので、非常に信頼性の高い環境を実現できます。
同様の理由で、AIや機械学習のような処理が重いシステムを検討しているなら、GCPが適していると言えるでしょう。
Google Cloud Platform:
https://cloud.google.com/?hl=ja
Amazon Web Services
Amazon Web Services(AWS)は、Amazon.com, Inc.が提供するクラウドサービス群です。200を超えるサービスを用意しており、多くの企業・機関に利用されています。
AWSの大きな魅力は、日本で広く普及しているという点です。大企業から中小企業、個人まで、幅広い層がAWSを利用しています。そのため、AWSを利用できるエンジニアも多く、人材が確保しやすいという面もあります。
また、24時間体制での日本語サポートも大きなメリットです。サポート方法は電話、チャット、メールと幅広く、これからDX推進を始めようとする企業にとっては大きな助けになるでしょう。
Amazon Web Services:
https://aws.amazon.com/jp/
【SaaS系】おすすめDXサービス一覧
ここでは、SaaS系のおすすめDXサービスをご紹介します。DX推進をおこなう上で、SaaS系サービスを利用することはさまざまな利点があります。
ここでは、デジタル化に効果的なSaaSとはなにか、具体的なサービスと合わせてご紹介します。
デジタイゼーション、デジタライゼーションに効果的なSaaSサービス
SaaS(Software as a Service)とは、インターネット経由でサービスが利用できる仕組みのことです。
SaaSの優れた点は、システム開発や保守作業をおこなわずに、サービスを利用できるという点です。ユーザーはブラウザやアプリからサービスにアクセスし、すぐに利用がおこなえます。インフラやネットワークなどの管理は、サービス提供事業者の担当領域です。
自社でシステムを用意するのであれば、サーバーやネットワークの構築、メンテナンスなどで多額のコストが必要になりますが、SaaSは安価な利用料を支払うだけです。そのため、多くの企業にとって、SaaSは最適な選択肢となります。
DX推進にあたっては、業務資料のデータ化や(デジタイゼーション)業務プロセスの改善・自動化(デジタライゼーション)に効果的なSaaSを導入しましょう。これから目的ごとに、サービスをご紹介します。
おすすめの業務効率化サービス
普段の業務を効率化できるサービスを利用することで、作業時間の短縮、生産性の向上が実現します。
業務効率化サービスは年々進化しており、今まで人の手が必要だった作業や、手間だった作業を任せられるようになりました。代表的なものとして、RPAとAI-OCRをご紹介します。
RPAでルーティン作業を自動化
代表的な業務効率化ツールとして、RPAが挙げられます。RPAはコンピュータ上でおこなうルーティン作業を自動化するシステムです。データの転記や、資料の振り分け、データの取得・整理など、単純だが負担の大きい作業をRPAに任せることで、大幅な作業負担の改善になります。
代表的なRPAとしては、WinActorが挙げられます。WinActorはNTTアドバンステクノロジ株式会社が提供するRPAツールです。国内シェア1位を誇っており、その使いやすさとサポートの手厚さから、7,500社以上に利用されています。
WinActor製品ページ:
https://winactor.biz/
AI-OCRで手書き書類も自動で読み取る
AI技術の急速な発展によって、OCR-AIが実用レベルに到達しました。OCR(Optical Character Recognition)とは、紙に書かれた文字を読み取る技術のことです。
OCRの登場によって、紙の書類を見ながら手打ちしてファイルに転記する、という作業を自動化できるようになりました。さらに、近年は機械学習で読み取り精度を向上させるAI-OCRが普及し、手書きの文字も読み取れるようになっています。
代表的なAI-OCRは、DX-SUITEです。高い読み取り精度を持ち、非定型帳票にも対応しています。その他、自動仕分け機能など、書類業務に必要な多くの作業を任せることが可能です。
DX-SUITE製品ページ:
https://dx-suite.com/
おすすめのコミュニケーション系サービス
テレワークの浸透により、コミュニケーション系サービスが急速に普及しています。コミュニケーション系サービスは、テレワークに限らず、接客業や営業など、移動の多い業種でも活用されています。
ここでは、代表的なコミュニケーション系サービスを3つご紹介しましょう。
チャットツールで連絡を高速に
チャットツールは、LINEのような短いメッセージを高速でやり取りするサービスです。メールとは違い、用件を一言で送れる、今までのやり取りを一目で確認できるのが大きなメリットです。また、グループチャットをつくることで、複数人に同時に情報発信ができるので、連絡の手間も大きく削減できます。
代表的なチャットツールとしては、Chatworkが挙げられます。Chatworkは国内利用者数1位を誇るサービスです。タスク管理、ファイル管理、ビデオ・音声通話など、社内で必要なコミュニケーション手段を一通り揃えています。
Chatworkは使いやすさと利便性の高さから、中小企業などで幅広く利用されています。
Chatwork:
https://go.chatwork.com/ja/
Web会議システムで場所を選ばずに会議・商談が可能に
Web会議システムを利用することで、パソコンやスマートフォンを使って会議や商談が可能になります。Web会議システムには、移動時間が削減できる、会議室確保の手間がなくなる、利用コストが安い、などのさまざまなメリットがあります。
代表的なWeb会議システムはZoomです。Zoomは利便性の高さ、利用までのハードルの低さから、世界中で利用されています。
会議の参加方法は、会議主催者から配布されるURLにアクセスするだけという、非常にシンプルなものになっています。参加者側はアカウント作成などの必要がないので、商談など外部とのやり取りにも利用できるでしょう。
Zoom WEBサイト:
https://explore.zoom.us/ja/products/meetings/
ワークフローで申請業務を効率化
ワークフローシステムを利用すれば、時間のかかっていた申請業務を短時間で済ますことができます。申請業務の問題点は、承認者が外出や出張などで書類を受け取れないと、業務が滞ってしまうことでした。
ワークフローシステムを導入することで、オンライン上で書類の作成・承認が可能になります。承認者はスマートフォンやパソコンから申請書を確認して、承認ボタンを押すだけです。場所を選ばずにすぐに対応できるので、業務のスピードが飛躍的に向上します。
ワークフローは単体のシステムというよりは、グループウェアの一機能として提供されていることが一般的です。日本で高いシェアを誇るグループウェア「サイボウズOffice」にもワークフローが搭載されており、実際の申請書に近い入力フォームを作成できます。
サイボウズOffice ワークフロー:
https://office.cybozu.co.jp/function/detail/workflow/
おすすめの営業・マーケティング系サービス
営業・マーケティングの分野でも、SaaSは広く普及しています。中でも重要なサービスは、MA、SFA、CRMの3つです。
MA(Marketing Automation)はマーケティング活動を自動化、効率化するツールです。潜在顧客の発見・育成を、データ分析などの手法で実現します。
SFA(Sales Force Automation)は企業の営業活動を支援するシステムです。案件管理、従業員の行動管理、商談管理、プロセス管理など、営業にかかわる情報を効率的に管理し、業務の見える化・効率化を実現します。
CRM(Customer Relationship Management)は、既存顧客に特化した管理システムです。顧客の性別・年齢といった基本的な情報から、購入履歴や問い合わせ履歴などの記録を管理します。これらの情報をもとに顧客を分析し、効果的なプロモーションをおこなったり、マーケティングや営業に活用することが可能です。
MA、SFA、CRMは相互に関連し合うシステムです。たとえば、SFAで獲得した顧客情報をCRMに送信したり、CRMの顧客情報分析をマーケティングや営業に活かすことが可能です。そのため、これらのシステムを導入する際は、システム連携を意識する必要があります。
代表的なものとして、SalesForceが挙げられます。SalesForceは世界中で利用されるクラウド型ビジネスアプリケーションです。SFA、CRMを中核に、複数のサービスが取り揃えられています。
SalesForce:
https://www.salesforce.com/jp/?ir=1
DX人材育成セミナー
DX推進においては、推進チームだけでなく、従業員全体のDXリテラシー向上が必要です。従業員がDXを理解していないと、なぜDX推進が必要なのか、どのように活かすべきなのかがわからず、変革についていけないおそれがあります。
そのため、セミナーや研修を利用した、従業員の育成が必要です。ここでは、人気のDX人材育成サービスをご紹介します。
インターネットアカデミー/DX研修
インターネット・アカデミー株式会社では、リテラシー向上を目的としたDX研修を実施しています。
対象は、新たに導入されるITツール利用者、各部門のリーダークラス、そのほかDX推進にかかわる人です。DXの目的、デジタルマーケティング、ネットワーク、など、DXにかかわる内容を総合的に学べます。
インターネット・アカデミー DX研修:
https://www.internetacademy.co.jp/course/dx/dx.html
STANDARD/ DXリテラシー講座
株式会社STANDARDでは、デジタルに強い組織を育てるためのリテラシー講座を解説しています。ITリテラシーがまったくない人を想定したカリキュラムが組まれており、現場から経営者まで幅広い層が対象です。
この講座を通して、AIや画像認識などのデジタル技術や、DXプロジェクトの進め方など、実際の導入に関わる内容を学ぶことができます。
STANDARD DXリテラシー講座:
https://standard-dx.com/services/dx-training
政府が実施しているDX認定制度
認定制度を利用することで、DX推進の効果を高めることができます。経済産業省では、DX認定制度を設けています。これは、政府が「デジタルガバナンス・コード」の基本事項に対応している企業を認定する制度です。
デジタルガバナンス・コードとは、DX取り組みのために経営者が求められる対応を明らかにするため、経済産業省が取りまとめた原則のことです。
DX認定を受けることで、企業イメージの向上、税制支援、金融支援などのメリットが得られます。
参考:経済産業省 DX認定制度
DXサービスを活用して、DX推進を高速化・効率化しよう!
DX推進をおこなう上で助けになるDXサービスをご紹介しました。DXサービスは戦略や体制構築、システム開発・運用、SaaSなど、ほぼすべてのプロセスをカバーしています。
自社だけでDX推進をおこなおうとすると、膨大なリソースがかかってしまうため、なんらかのかたちでDXサービスを利用することになります。適切にDXサービスを利用することで、コスト削減、リソースの節約、効果的な戦略・施策の実現が可能になるでしょう。
まずは、DX推進でなにを実現したいのかを考えた上で、自社に必要なサービスを検討するところから始めてみましょう。