IoTやビッグデータ、クラウドにモバイル、マーケティングや実店舗向け施策など、多種多様な分野の最新ITソリューションが一堂に会した「Japan IT Week 秋 2017」。今回お届けするのは、導入するためにはちょっとハードルが高いのでは?と一歩身構えてしまうバイオメトリクス認証をスマートフォンでカンタンに行うことが可能なsantecの生体認証ソリューション「Solus」だ。

Japan IT Week 秋 2017会場内santecブースより

生体認証ソリューションSolusは、個々人でユニークである眼球(白目部分)の毛細血管の配置を記憶することにより、安全かつカンタン、そしてほんのわずかな時間で高い精度での個人認証を行うことが可能だ。しかも、世間一般に流通しているスマートフォンに内蔵されたカメラで認証を行うことが可能なほか、認証に掛かる時間は1秒未満、その精度は99.998%以上を誇るという。

解説員の方によれば「眼球内の毛細血管は、個々人でユニークなため認証に活用するにはもってこいなのです」とのこと。また、「年齢や外見の変化に影響されること無く、複製される心配も無い。しかも、Solusは低コストで高い精度を実現できるのです」とのこと。聞けば、米国大手銀行にも採用されている生体認証ソリューションとのことなので信頼性の高さも申し分ないのだろう。

santecブースで展示されていた生体認証ソリューション『Solus』オフィシャルWebサイトより

認証で活用する白目のなかの毛細血管のパターンは、仮に双子であっても異なるうえに12歳頃から生涯不変となるため認証で利活用するのに適しているという。万一眼が充血していたとしても問題なく認証を行える

こちらは本ソリューションがどのような業界で利活用されているかを示した図。銀行やE-コマースといった業界での導入が進んでおり、先日も「独身の日」で賑わった中国国内で高い人気を博す『Alipay』にもSolusが導入されている

スマートフォンに向かって目元を撮影するだけで本人確認が行える。この手軽さは様々な場面でID/PassWordの入力を求められる現在において「すごく便利!」と感じざるを得ないのだが、どのようにしてその堅牢性を担保しているのかといえばこうだ。まず、眼球の毛細血管情報に偽情報を追加、主成分分析(PCA)を用いた手法でこの情報を短縮化し、シャッフリングやソルトを加えてハッシュ化するという。マッチング時に使用する情報には個人情報が含まれていないため、よりセキュアな認証が行えるという。

その他santecブースでは、未知のランサムウェアからの脅威にも対応したエンドポイントセキュリティソリューション『AppCheck』や、昨今声高に叫ばれている「働き方改革」に寄与するリモートデスクトップツール『RemoteView』、そしてPC操作支援、モバイル操作支援、現場作業支援と多岐にわたるサポートが可能な『RemoteCall』が展示されていた。

働き方改革や業務効率化に寄与してくれるであろうソリューションも展示されていた

こちらがRemoteCallの展示風景。ブースでは実際にPCとタブレット端末(iPad)を接続してリモートコントロールするデモンストレーションが行われていた。写真左に見えるスマートグラスといった外部デバイスを組み合わせることも可能で、例えば現場作業の視覚情報を共有しながら指示出しを行う、といったことも実現可能になるという

セキュアでありながら利用者に「面倒くさい」と思わせない手軽さが魅力的なsantecの生体認証ソリューションSolus。米国の銀行に導入されているとのことだが、早く日本の銀行でも導入してもらいたい!と感じたのは筆者だけではないだろう。今後もSolusを含めた“カンタン便利”な生体認証ソリューションからは目が離せそうにない。