こんにちは、阿久津です。MicrosoftはOneDriveの新たなフライアウトメニューを試そうとしているのをご存じでしょうか。フライアウトメニューとは、無線LANアクセスポイントの選択など、ポップアップのように現れるメニューもこと。Windows 10 Insider Preview ビルド14986では、OneDriveクライアントに新たなフライアウトメニューが追加されています(図01)。

図01 UWPアプリケーション版の「OneDrive」。利用環境によってはWebブラウザー経由よりも簡単です

ただし、現在はプレビュー機能として実装しているため、レジストリエントリーを追加しなければ動作しません。今回はOneDriveクライアントのフライアウトメニューを有効にするチューニングをご紹介しましょう。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\OneDriveキーを開きます。
3. DWORD値「TeamSiteSyncPreview」を作成し、データを「1」に変更します。
4. レジストリエディターを終了します。

これで操作が完了しました(図02~07)。

図02 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図03 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\OneDriveキーを開きます

図04 OneDriveキーを開き、右ペインの何もないところを右クリック。<新規>→<DWORD値>と順にクリックします

図05 値名を「新しい値 #1」から「TeamSiteSyncPreview」に変更します

図06 DWORD値「TeamSiteSyncPreview」をダブルクリックで開き、データを「1」に変更してから<OK>ボタンをクリックします

図07 レジストリエディターを終了します

それでは結果を確認しましょう。通知領域にあるOneDriveクライアントのアイコンをクリックすると、以前のポップアップから、フライアウトメニューに切り替わっているはずです(図08~09)。

図08 チューニング前のOneDriveクライアントアイコンをクリックした状態

図09 こちらがチューニング後。同期済みファイルの一覧が並びます。ダブルクリックすると、OneDriveフォルダーが開きます

フライアウトメニューのタイトル部分は最終同期時刻を示し、右側に並ぶアイコンからはOneDriveフォルダーの参照や、OneDriveクライアントの設定ダイアログを呼び出せます (図10~11)。

図10 フォルダーのアイコンをクリックすると、エクスプローラーでOneDriveフォルダーが開きます

図11 歯車アイコンをクリックすると、OneDriveクライアントの設定ダイアログが起動します

ただし、本チューニングは最新のOneDriveクライアントに更新しないと動作しません。複数の環境で動作検証したところ、バージョン17.3.6517.0809では動作しませんでした。更新タイミングはわかりませんが、他のPCから「%LOCALAPPDATA%\Microsoft\OneDrive」フォルダーに保存された最新版(執筆時点ではバージョン17.3.6720.1207)を強制的にインストールすることで、フライアウトメニューを確認しています(図12)。

図12 「%LOCALAPPDATA%\Microsoft\OneDrive」フォルダーに保存されているOneDriveクライアントのセットアップファイル

本チューニングを破棄する場合は、DWORD値「TeamSiteSyncPreview」を削除してください。それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus)