こんにちは、阿久津です。Windows 10 Insider Preview 14971では「Paint 3D Preview」を標準搭載するようになりましたが、「ペイント」も引き続き利用できることを確認しました(図01)。

図01 Windows 10 Insider Preview 14971の検索ボックスに「paint」と入力しますと、「ペイント」「Paint 3D Preview」の両者が並びます

ただし、ペイントを起動する「%SystemRoot%\System32\mspaint.exe」は残っていても、実際に起動するのはPaint 3D Previewという仕組みです。そこで今回は、mspaint.exe経由で古いペイントを復活させるチューニングを紹介しましょう(図02~03)。

図02 Windows 10 Insider Preview 14971では「mspaint.exe」から「Paint 3D Preview」が起動します

図03 Windows 10 バージョン1607では「mspaint.exe」から「ペイント」が起動します

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Applets\Paint\Settingsキーを開きます(ない場合は作成します)。
3. DWORD値「DisableModernPaintBootstrap」を作成します。
4. レジストリエディターを終了します。

これで操作が完了しました(図04~10)。

図04 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図05 レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Applets\Paintキーを開きます

図06 Paintキーを右クリックし、<新規>→<キー>と順にクリックします

図07 キー名を「新しいキー #1」から「Settings」に変更します

図08 Settingsキーを開き、右ペインの何もないところを右クリック。<新規>→<DWORD>と順にクリックします

図09 値名を「新しい値 #1」から「DisableModernPaintBootstrap」に変更します

図10 レジストリエディターを終了します

それでは結果を確認しましょう。[Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「mspaint」と入力して<OK>ボタンをクリックします。mspaint.exeの実行はエクスプローラーのアドレスバーでも、コマンドプロンプトからでも構いません。チューニングの結果、古いペイントが起動するようになります(図11)。

図11 チューニング後は「mspaint.exe」から古いペイントが起動するようになります

今回はOSの動作ということで、HKEY_LOCAL_MACHINEキーから操作していますが、ユーザーごとに設定する場合はHKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Applets\Paint\Settingsキーに、DWORD値「DisableModernPaintBootstrap」を作成してください。なお、値名から察するにデータを「1」に変更した方が良さそうですが、筆者が動作を確認したところ、値が存在するだけでブートストラップローダが無効になり、古いペイントが起動します。

ちなみに、Paint 3D Previewはアンインストール可能なUWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリケーションのため、不要であればアンインストールした方がスムーズかも知れません。本チューニングはWindows 10 Creators Update適用後も、古いペイントをこよなく愛する方向けとなることでしょう。なお、本チューニングを破棄する場合は、DWORD値「DisableModernPaintBootstrap」を削除してください(図12)。

図12 「Paint 3D Preview」は「設定」の<システム/アプリと機能>からアンインストール可能です

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus)