こんにちは、阿久津です。MicrosoftはWindows 10 Insider Previewのスタートメニューやタスクバーの応答性を改善する「KB3070365」をリリースしました。その他にもKB3069069や、KB3070982など4つの更新プログラムをリリースし、直近の大きなバグを修正したことから、ビルド10130を低速リングに乗せたのでしょう。
しかし一部の環境では、Windows 10 Insider Previewからサインアウトする際、Explorer.exeがDDEサーバーにアクセス失敗するエラーは依然と残ったままでした。刻々とリリース日が迫るWindows 10ですが、軽微ながらもバグがいまだに現れており、GA(一般提供版)のクオリティに対して不安が拭い切れません。
さて、Windows 10 Insider Previewで通知領域のネットワークアイコンをクリックすると、通常はネットワークフライアウトが現れます。無線LANアクセスポイントの一覧が並びますが、こちらの動作はレジストリエントリで変更できることをご存じでしょうか(図03)。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Control Panel\Settings\Networkキーに並ぶDWORD値「ReplaceVan」が動作を司っており、データは「0」の場合は前述のネットワークフライアウトが現れる仕組みです。今週は通知領域に並ぶネットワークアイコンをクリックした際の動作を変更するチューニングをお届けしましょう。
1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。 2. HKEY\_LOCAL\_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Control Panel\Settings\Networkキーを開きます。 3. Networkの所有者を「Administrators」グループに変更します。 4. Administratorsグループのフルコントロールにアクセス許可を与えます。 5. DWORD値「ReplaceVan」を開き、データを「1」に変更します。 6. レジストリエディターを終了させます。 |
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これでチューニングが完了しました(図04~13)。
図05 レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\ Windows\CurrentVersion\Control Panel\Settingsキーを開きます |
早速結果を確認してみましょう。そのままネットワークアイコンをクリックすると、「設定」が現れます。先の手順を参考にDWORD値「ReplaceVan」のデータを「2」に変更した状態で同じ操作を行うと、Windows 8.x風のチャームバーが現れました(図14~15)。
データが「1」は「ネットワークとインターネット」を開くような意図があると思われますが、Technical PreviewからInsider Previewへと進む際に「設定」の項目も増減したため、トップページが開いてしまうのでしょう。
また、データが「2」の場合はチャームバーが現れます。今後もチャームバーに関するコードがWindows 10に残るかは不明ですが、GA以降はデータを変更しても動作しなくなるようなエントリになるのではないでしょうか。
しかし、タブレットでWindows 10 Insider Previewを使っている場合、ネットワークフライアウトは大きく表示されないため、チャームバーの方が使い勝手がよい場面もあります。必要に応じて本チューニングをお試しください。なお、初期状態に戻すには、DWORD値「ReplaceVan」のデータを「0」に変更します。
それでは、また次号でお目にかかりましょう。
阿久津良和(Cactus)