こんにちは、阿久津です。原稿執筆やWebブラウジング、たまにPCゲーム用マシンとして利用しているメインコンピューターのOSをWindows 8にして9カ月めに突入。あと数カ月で一年を迎えることとなりました。巷では「Windows "Blue"」「Windows 8.1」と呼ばれる次期Windows OSのリーク情報も、ちらほらと目にしますが、そのUI(ユーザーインターフェース)はWindows 8を受け継ぐ可能性が高そうです。

Windows 8の評価をおとしめているスタート画面は、タブレット型コンピューターであれば有益ながらも、デスクトップ/ノート型コンピューターでは、相変わらず使い勝手がよいとは言えません。しかしながら筆者の場合、デスクトップアプリの起動方法は、タスクバーのピン留めや[Win]+[Q]キーなどによる検索チャームですっかり定着しました。

そもそも検索チャームは、Windows Searchサービスによって作成されたインデックス情報をもとに検索を実行する機能で、Windows 7やWindows Vistaのスタートメニューに用意された検索ボックスでも利用可能でした。しかし、同箇所から検索を実行しますと、アプリケーションだけでなく、コントロールパネルのアプレットや各種ファイルも一緒に列挙されてしまいます。また、表示領域はスタートメニューの範囲に制限されるため、視認性も高くありません。

図01 Windows 7以前も検索ボックスからアプリケーションやファイルなどを検索できました

その一方でWindows 8の検索チャームは、デスクトップアプリおよびWindowsストアアプリ、OSの各種設定、ファイルと3つのカテゴリ分けがなされているため、一度慣れてしまえばすぐに目的のアプリケーションを探し出すことが可能です。また、設定項目の名称をど忘れしてしまった場合でも、関連するキーワードで検索できるため、Windows 7以前の操作を煩雑に感じるようになりました。

図02 Windows 8では検索チャームを利用したアプリケーション起動が簡単

図03 各種設定項目も検索チャームの「設定」で簡単に探し出せます

もちろんモダンUIを手放しで褒めるつもりはありません。例えば図02で示した検索結果は少数に絞り込まれた状態でも、名称が折り返されているので、ユーザービリティはともかくUIデザインとしてはいかがなものか、と常に感じます。いずれにせよ「慣れ」の問題ですが、Windows XPサポート打ち切りに伴う環境移行期限が迫っている現在、渦中の方々は古いUIにしがみつくメリットとデメリットを鑑みるべきではないでしょうか。

さて、Windows 8のエクスプローラーはリボンやナビゲーションウィンドウなどが表示され、使い勝手はよくても表示領域が狭まるというトレードオフ的な欠点が残っています。

リボンを展開し、詳細ウィンドウを表示させたWindows 8のエクスプローラー

これらはリボンの<管理>タブにある<ナビゲーションウィンドウ>ボタンなどをクリックすることで表示/非表示を切り替えられますが、少々面倒な点であることは確か。そこで今週は、エクスプローラー起動時に参照する全体設定となるエントリを作成し、ナビゲーションウィンドウを非表示にするチューニングをお送りしましょう。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Modules\GlobalSettings\Sizerキーを開きます。
3. バイナリ値「PageSpaceControlSizer」を作成し、値のデータを「89 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 28 04 00 00」に変更します。
4. [F5]キーを押してから レジストリエディターを終了させます。

これでチューニングが完了しました(図05~10)。

図05 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図06 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Modules\GlobalSettings\Sizerまでキーをたどって開きます

図07 Sizerキーの右ペインを右クリックし、<新規>→<バイナリ値>とクリックします

図08 値名を「新しい値 #1」から「PageSpaceControlSizer」に変更します

図09 バイナリ値「PageSpaceControlSizer」をダブルクリックし、値のデータを「89 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 28 04 00 00」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図10 [F5]キーを押して変更内容をシステムに反映させてから、<×>ボタンをクリックしてレジストリエディターを終了させます

それでは結果を確認してみましょう。タスクバーにピン留めされた「エクスプローラー」ボタンをクリックすると、ナビゲーションウィンドウが非表示の状態でエクスプローラーが起動されました。本チューニングはナビゲーションウィンドウを利用不能にはしていませんので、リボンの<ナビゲーションウィンドウ>ボタンから同名のメニュー項目をクリックすれば、表示させることができます。

図11 タスクバーの「エクスプローラー」ボタンをクリックすると、ナビゲーションウィンドウが非表示の状態で起動します

バイナリ値「PageSpaceControlSizer」の詳細は筆者も確認し終わっていませんが、ナビゲーションウィンドウは10バイトめが「0」の場合は非表示、「1」の場合は表示される仕組みでした。ナビゲーションウィンドウは初期状態で表示されますので、同バイト値を変更する必要はありませんが、動作が不安定になる場合や初期状態に戻す場合は、バイナリ値「PageSpaceControlSizer」を削除してください。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus