こんにちは、阿久津です。先週に引き続きNexus 7の話を少々。もともと筆者はAndroidというOSに愛を持っていませんでした。それというのも、家人が初期のAndroid搭載スマートフォンを購入し、触らせてもらったところパフォーマンスの悪さも相まって、操作性に違和感を覚えてしまったからです。購入したスマートフォンが悪評の高いデバイスでしたので、その影響も少なからずありましたが、その後触れたAndroid搭載デバイスも同様に興味を惹かれることはありませんでした。

それだけ当時使っていたiOSおよびiPhoneが優れていたのでしょう。そんな筆者がNexus 7を購入した理由ですが、特に深い意味はありません。約二万円という低価格は衝動買いしても納得できる価格帯です。もちろんコンピューターデバイスに限った話であり、飲食や家財だとこうは行きませんが……。先週述べたとおり執筆完了後にNexus 7が到着し、それから一週間触ってみましたが、当初覚えた違和感はどこへやら。すっかりお気に入りアイテムとして定着しました。

筆者はこれまでオフタイムにB5サイズのノートPCを使用していましたが、iPad到着後はそちらがメインで使用するデバイスとなり、ノートPCの出番は著しく低下。そして、Nexus 7到着後はiPadの使用頻度が同じように低下しました。その理由として大きいのが、そのサイズ。改めて述べるまでもなくiPadは10インチですが、Nexus 7は7インチと一回りも二回りも小さく、ちょうど片手で操作するのに最適です。

また、重量も新しいiPadが652グラムであるのに対し、Nexus 7は340グラムと半分程度と、iPhone 5の三倍程度となります。これなら十分持ち歩きにも耐えうるサイズでしょう。もともと出無精な筆者はタブレット型コンピューターを持ち歩くことはありませんが、テザリング環境がそろえば外出先でも使いこなせそうな気がしてきました。

Android OSに関してはまだ明るくありませんが、執筆を終えたオフタイムはNexus 7に触れ、さまざまなアプリケーションの使いこなしやテクニックを学んでいる最中です。あとは今月登場するMicrosoft Surfaceや10月頃に登場すると言われているiPad mini、年内発売も予想されるKindle Fireと、新たに登場するタブレット型コンピューターが盛りだくさん。ガジェットとしても興味深いですが、Windows OS対iOS対Android OSという三つのOSがどのように成長し、市場を席巻するか興味深く注視しようと思います。

さて、本連載は先週からチューニング対象にWindows 8を加えました。Windows 8の動作で気になるのは、サインイン画面などに用意された<パスワードの表示>ボタン。正式名称は執筆時点で確認できませんが、海外では「Password Reveal Button」と紹介されていることを踏まえますと、"パスワード公開ボタン"といった呼称がフィットするような気がします。

呼称はともかく同ボタンは、キーボードの状態によって正しく入力できなかったパスワードを確認する便利な機能ですが、外出先など不特定多数がディスプレイをのぞき込める環境では、セキュリティリスクになりかねません。そこで今週は、<パスワードの表示>ボタンを無効にするチューニングをお届けしましょう。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windowsキーを開きます。
3. CredUIキーを作成します。
4. DWORD値「DisablePasswordReveal」を作成します。
5. 「DisablePasswordReveal」を開いて値のデータを「1」に変更し、<OK>ボタンをクリックします。
6. レジストリエディターを終了します。

これでチューニングが終了しました(図01~08)。

図01 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「reedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図02 レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windowsまでキーをたどって開きます

図03 Windowsキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>とクリックします

図04 キー名を「新しいキー #1」から「CredUI」に変更します

図05 CredUIキーを開き、右ペインの何もないところを右クリック。メニューから<新規>→<DWORD値>とクリックします

図06 値名を「新しい値 #1」から「DisablePasswordReveal」に変更します

図07 DWORD値「DisablePasswordReveal」をダブルクリックし、値のデータを「1」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図08 操作を終えたら[F5]キーを押して変更内容を反映させてから、<×>ボタンをクリックしてレジストリエディターを終了させます

それでは結果を確認してみましょう。そのまま[Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを押し、セキュリティオプション画面から「ロック」を選択してください。これでロック画面に切り替わりますので、任意のキーを押してロック解除を求めるサインイン画面をご覧ください。テキストボックスにパスワードを入力しますと、チューニング前は<パスワードの表示>ボタンが現れますが、チューニング後は同ボタンが表示されなくなります(図09~11)。

図09 [Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを押すと現れる画面から「ロック」をクリックします。ロック画面に切り替わったら任意のキーを押してください

図10 こちらはチューニング前の状態。<パスワードの表示>ボタンは残されています

図11 こちらがチューニング後の状態。パスワードを入力しても同ボタンは表示されません

このように、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\CredUIキーにDWORD値「DisablePasswordReveal」を作成し、有効を示す「1」を値のデータに設定することで、<パスワードの表示>ボタンを無効にすることが可能です。元の状態に戻す場合は、データ値を「0」に変更するか、同DWORD値を削除してください。

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus