こんにちは、阿久津です。Windows Vista以降のエクスプローラーでは各種ウィンドウ(Windows Vistaはペイン)が加わり、エクスプローラーの操作に多様性を持たせるようになりました。ナビゲーションペインは確かに便利ですが、筆者は表示領域が狭まってしまうため、<整理>ボタン→<レイアウト>→<ナビゲーションウィンドウ>と選択して非表示しています。その一方でステータスバーは非表示のままにし、詳細ウィンドウを有効にしているので矛盾していますが、表示される情報量の多さを優先しました。

このようにユーザーの使用スタイルによって利便性が異なる各種ウィンドウですが、個人的に使用頻度が著しく低いのがプレビューウィンドウ。アプリケーションを開かずに、画像閲覧や動画再生、テキストファイルやWord文書の内容閲覧ができる便利な機能です。しかし、結局は表示/再生に必要なコンポーネントをエクスプローラーから呼び出すことになりますので、パフォーマンス的なネックが発生することに変わりはありません(図01)。

図01 選択したファイルの内容を表示するプレビューウィンドウ。画像以外にも動画やWord文書なども表示されます

また、目的のファイルを見つけた場合は、アプリケーションを起動して編集しますので、個人的には意味を見いだすことができないまま過ごしてきました。エクスプローラーというアプリケーションが存在せず、ファイラーと呼ばれるファイル操作ツールを使ってきた時代の名残でしょう。"三つ子の魂百まで"ではありませんが、使用スタイルというのはなかなか変わらないものです。

この点を踏まえますと、Windows 8から導入されるMetroスタイルに"慣れる"ことができるか不安を覚えますが、Developer Previewから試用してきた感じでは、いくつかのチューニングとオンラインソフトを併用することで、従来と同じデスクトップ環境で使用できそうな気がしてきました。Windows 8の開発完了およびベンダーへの配布は八月第一週と言われていますので、過去の例を踏まえますと今週中にはMSDNやTechNet経由でRTMが配布されます。本連載や寄稿している各記事で使い勝手などをご報告しますので、Windows 8へ移行する予定の方は是非ご覧ください。

話を本題に戻しましょう。エクスプローラーの各種ウィンドウが、ユーザーの使用スタイルによって重要性が異なるのは既に述べたとおりです。各種ウィンドウの表示/非表示を切り替える項目は深い階層にありますので、大きな問題にはなりませんが、必要のない項目は削除するのがチューニングのキホン。そこで今週はエクスプローラーのプレビューペインを無効にするチューニングをお届けします。

1.レジストリエディターを起動します。
2.HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorerキーを開きます。
3.DWORD値「NoReadingPane」を作成し、データ値を「1」に変更します。
4.レジストリエディターを終了させ、Windows 7へ再ログオンします。

これでチューニングが終了しました(図02~08)。

図02 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図03 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorerキーを開きます

図04 右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD値>とクリックします

図05 値名を「新しい値 #1」から「NoReadingPane」に変更します

図06 DWORD値「NoReadingPane」をダブルクリックし、値のデータを「1」に変更してから<OK>ボタンをクリックします

図07 操作を終えたら<×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了させます

図08 スタートメニューの電源ボタンから<ログオフ>を選択して、Windows 7へ再ログオンします

早速結果を確認してみましょう。エクスプローラーを起動し、<整理>ボタン→<レイアウト>とクリックしてメニューを展開してください。図10のように<プレビューウィンドウ>が非表示になったことを確認できるはずです(図09~10)。

図09 こちらはチューニング前のエクスプローラー。<レイアウト>の内容はご覧のとおりです

図10 チューニング後のエクスプローラーには、<プレビューウィンドウ>が表示されなくなります

ここで値名に注目してください。今回使用した「NoReadingPane」は詳細ウィンドウを指す単語。どのような理由があったのかは計り知ることはできませんが、ポリシー設定を行うエントリでは、詳細ウィンドウ(Details Pane)とプレビューウィンドウ(Preview Pane)の役割が入れ替わっているのです。DWORD値「NoPreviewPane」を「1」にすることで<詳細ウィンドウ>が非表示になるのが、その証拠となるでしょう。いずれにせよ、DWORD値「NoReadingPane」でプレビューウィンドウ、DWORD値「NoPreviewPane」で詳細ウィンドウを非表示にできることを知ってください(図11~12)。

図11 先の手順を参考に、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\ExplorerキーにDWORD値「NoPreviewPane」を作成し、データ値を「1」に変更します

図12 再ログオンを実行しますとエクスプローラーには、<詳細ウィンドウ>が表示されなくなります

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)