ファイル/フォルダーを共有する●つの方法 - その4「共有を便利に」

複数のPCをお使いであれば、Windowsの共有フォルダー設定は便利な機能だ。今回は共有フォルダーに関するTipsを紹介する。

「Windows 8.1ミニTips 第17回」より、2014年4月9日にリリースされたWindows 8.1 Updateを適用した環境を対象としています。

同一のフォルダーに複数の共有設定を施す

同じフォルダーに対して一時的に共有設定を付加したい場合、さらに共有名を追加すると便利だ。「詳細な共有」ダイアログの「追加」ボタンからは、既に共有設定が有効なフォルダーにも、新たに共有設定を行える。

例えば、別部署のユーザー(もしくはグループ)に対して、一時的に共有フォルダーを読み取り専用で公開するなど、さまざまな場面に応用できるはずだ。その際は「アクセス許可」ボタンから開くダイアログで、アクセス権の設定を変更すればよい。

共有名を追加するダイアログには、「許可するユーザー数」セクションが設けられている。この設定には、共有フォルダーのファイルを転送する際に、共有元PCに対する負荷を軽減する意味もある。

通常は「無制限」で構わないが、PCのパフォーマンスが著しく低下する場合は、「1」から「20」の間で調整するとよい。また、共有設定が不要になった場合は、ドロップダウンリストから共有名を選択した状態で、「削除」をクリック/タップする。

クライアント側にキャッシュを作成する

Windows 7以降、共有フォルダーにキャッシュ機能が加わった。クライアント(共有フォルダーに接続するPC)がオフライン状態でも、共有フォルダーへのアクセスを可能にする。

Windows 8.1では「同期センター」という名称で、サーバー(共有フォルダーを設けたPC)とのファイル同期を行う機能が用意されているが、このロジックを明示的に行うのが「オフラインの設定」だ。

「キャッシュ」ボタンをクリック/タップで開くダイアログには、3種類の項目が用意されている。既定オプションとなる「ユーザーが指定したファイルおよびプログラムのみオフラインで利用可能」は、クライアント側から能動的なオフライン設定が必要だ。

「共有にあるファイルやプログラムはオフラインで利用可能にしない」は、クライアント側でオフライン設定が不可能になる。

「共有フォルダーからユーザーが開いたファイルとプログラムは、すべて自動的にオフラインで利用可能にする」は、文字どおり共有フォルダーにアクセスして開いたファイルを自動的に保存し、オフラインで利用可能にするオプションだ。

さらに「パフォーマンスが最適になるようにする」を有効にすれば、実行可能ファイル(拡張子「.exe」や「.dll」)もキャッシュ対象となるため、プログラムの起動が速くなる。

IPアドレスでアクセスする

通常であれば、エクスプローラーのナビゲーションウィンドウにある「ネットワーク」から共有フォルダーにアクセスするが、どうしてもエラーになってしまう場合がある。

ネットワークに関するトラブルは原因究明が難しく、問題の切り分けが欠かせない。もし「pingは通っても、コンピューター名ではアクセスできない」という場合は、IPアドレスによる参照を試してほしい。サーバー側でIPアドレスを確認し、クライアント側から「\{IPアドレス}」で参照すると、アクセスできる場合がある。

この現象は、コンピューター名の名前解決がうまく動作していないために発生するトラブルだ。さまざまな解消法があるのだが、クライアント側のWindows 8.1で再サインインすると簡単だ。

阿久津良和(Cactus)