前回(第25回)に引き続き、ファイル/フォルダーの詳しい情報を知るために必要な、プロパティダイアログの内容を解説していく。
「Windows 8.1ミニTips 第17回」より、2014年4月9日にリリースされたWindows 8.1 Updateを適用した環境を対象としています。
なぜか更新されない「アクセス日時」
「全般」タブの「作成日時」「更新日時」「アクセス日時」も、分かりにくい項目の1つだろう。フォルダーのプロパティダイアログは「作成日時」のみだが、ファイルのプロパティダイアログでは上記の3項目が並んでいる。「作成日時」は文字どおり、そのファイル/フォルダーを作成した日時であるため、何ら難しいものではない。問題は後者の2つだ。
ファイルをアプリケーションで開いた場合は「アクセス日時」が更新され、ファイルへの追記や上書きなどを行った場合は「更新日時」も更新される。例えば、ファイルを同一ドライブ内でコピーした場合、「作成日時」は変わらないが、「更新日時」「アクセス日時」は、コピー操作を実行した日時が記録される仕組みだった。
なぜ過去形かと言えば、Windows Vistaで仕様が変わり、「アクセス日時」は即時更新されないからである。少々余談になるが、初期のWindowsを開発していた時代、Microsoft社内でも「何を持って"アクセス日時"とするか?」という議論が起こったそうだ。さらに、各パーツを開発するチームによっても、解釈が異なるという問題が発生したという。
この問題はWindows 95からWindows XPまで残され、さまざまな疑問やチューニング方法を生み出した。そして、Windows Vista以降、初期状態で「アクセス日時」の更新を無効にするレジストリエントリが追加されるようになり、現在のWindows 8.1にも引き継がれている。
ただし、あくまでもユーザーレベルの操作による更新が無効なだけで、システムレベルの更新は特定のタイミングで行われるため、厳密に述べれば完全に無効化されたわけではない。いずれにせよWindows 8.1をお使いの場合、「アクセス日時」を参照するメリットは基本的に皆無と言っても過言ではないだろう。
DOS時代の名残?「ファイル属性」
もともとファイル/フォルダーの「属性」は、用途に応じてファイルにフラグを立てることで、さまざまな操作を行いやすくしていたものだ。
例えば「バックアップ対象」(アーカイブ属性)としたファイルを、まとめてバックアップするような使い方だ。また、操作ミスによる削除などを防ぐ効果もある。これらはMS-DOS時代の名残とも言えるが、「読み取り専用」「アーカイブ」「システムファイル」「隠しファイル」という4つの属性は、Windows 8.1にも残されている。
「全般」タブで直接設定できるのは、「読み取り専用」属性と「隠しファイル」属性の2つだ。各項目をクリック/タップしてチェックボックスをオンにし、「OK」もしくは「適用」ボタンをクリック/タップすればよい。
「アーカイブ」属性を付加する場合は、「詳細設定」ボタンをクリック/タップすると現れる「属性の詳細」ダイアログから実行する。「ファイルをアーカイブ可能にする」→「OK」ボタンとクリック/タップすればよい。なお、他の項目については次回以降に紹介したい。
もう1つの「システムファイル」属性を変更するには、「attrib.exe」というコマンドを使用しなければならない。コマンドプロンプトを開き、「attrib +S {ファイル/フォルダー名}」と実行する。システムファイル属性を除去する場合は「attrib -S {ファイル/フォルダー名}」だ。ただし、ユーザーが意図的にシステムファイル属性を付加/削除するメリットはないため、実行する場面もないだろう。
なお、「attrib.exe」をそのまま実行すれば、現在のディレクトリ(フォルダー)にあるファイル/フォルダーの属性一覧が表示される。先頭に示される英字は各属性の英単語を元にしており、「A」はアーカイブ、「H」は隠しファイル、「R」は読み取り専用、「S」はシステムファイルだ。
阿久津良和(Cactus)