消費者向けOffice製品をインストールすると、「HGゴシック」に代表されるリコー製フォントがWindows 11に加わる(ただしOffice Home & Business 2021では確認していない)。

以前はセットアップ時に取捨選択可能だったが、Microsoft 365 Personalは基本的に自動セットアップのため、インストールするかしないかを選べない。Office Deployment Tool(Office展開ツール)も公式ドキュメントを読む限り、アプリの取捨選択や言語、チャネル選択にとどまっている。

  • Microsoft Wordによるフォントリスト

使用状況はユーザーによって異なるものの、筆者はHGシリーズのフォントを使う場面が皆無のため、まずは非表示化を試した。結果はNGである。

  • 「Win」+「R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「shell:fonts」と入力して「OK」をクリック/タップする

  • 非表示化するフォントを名称などで絞り込み、選択した状態で「非表示」をクリック/タップする

本操作を行うと、HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Font Managementキーの複数行文字列値「Inactive Fonts」に非表示にフォントリストが作成される。だが、アプリがInactive Fontsを参照しなければ意味がない。筆者がWindows 11 バージョン21H2で確認した限りでは、この操作を行っても、Microsoft Wordでもメモ帳でもフォントリストに変化は生じなかった。

他方でWindows 11 バージョン22H2は、フォント操作に変更が加わる予定である。同Insider Preview ビルド22579で検証したところ、各フォントフェイスに三点リーダーが加わり、フォントを非表示にできる機能を確認できた。管理方法も異なるらしく、非表示にしてもInactive Fontsは生成されない。ただ、こちらも非表示設定内容はアプリに反映されなかった。

  • フォントフェイスの「…」をクリック/タップすると、非表示やアンインストールを実行するメニューが現れる

  • 今回「HGPゴシックE」および「同M」を非表示にしたのだが、結果はご覧のとおりである……

そのため、不要なフォントはアンインストール以外の術はない。なお、以下の操作で確認をうながされる「フォントコレクション」とは、複数のフォントを含むOpenTypeフォントコレクションを指す。一つのファイルでフォントを組み合わせると、重複除去によるファイルサイズ軽減が見込めるため、以前から多用されていた。

  • 「Win」+「S」キーもしくは「Q」キーを押すと現れる検索ボックスに「font」と入力し、「フォント設定」をクリック/タップする

  • テキストボックスに「HG」と入力してフォントフェイスを絞り込み、アンインストールするフォントをクリック/タップする

  • 「アンインストール」をクリック/タップする

  • 確認をうながすメッセージの「アンインストール」をクリック/タップする

  • フォントコレクションの削除確認をうながされたら「はい~」をクリック/タップする

以上でフォントをアンインストールできる。ただ、ちょっと冗長だ。Windows 11 バージョン21H2は(もしくはバージョン22H2も)コントロールパネルから操作した方が簡潔に済む。

  • 同様の操作で削除対象フォントのみを表示させ、すべてを選択してから「削除」→「はい」と順にクリック/タップする

  • フォントアンインストール後のメモ帳。Hから始まるフォントリストから「HG」シリーズが削除された