Microsoftは現地時間2023年4月18日、新たなDirectStorage SDKを公式ブログで発表した。
GitHubのプロジェクトページに書かれているとおり、ゲームアセット(ここでは描画データなど)を高速に読み出すためのAPI。今後はデータの参照先としてNVMeストレージとなるケースが増加することを踏まえ、XBox Series X(Series S)で実装済みの同APIをWindowsでも使用可能にするものだ。
ゲーム開発者が自身のタイトルにDirectStorageを組み込んで、ゲーム体験を向上させるため、具体的な利点は比較対象がないとピンとこないだろう。かく言う筆者も高速なデータ読み込みを必要とするPCゲームをプレイしないため、メーカーアナウンスがなければ気付かないかもしれない。強いていえば「Sid Meier's Civilization VI」は起動時間が長く、気分転換にプレイできない(し、プレイする内容でもない)が、一介のPCゲーマーとしては品質向上と普及が待ち遠しい技術の一つだと認識している。
さて、読者諸氏が気になるのは"自分のPCがDirectStorageに対応しているのか否かだろう。システム要件としては、PCIe 3.0以上のNVMeストレージとDirectX 12対応GPUを定めているが、いちいちデバイスマネージャーやDirectX診断ツールで確認するのも面倒だ。そこでXBox Game Barを試してほしい。
上図はAMD製ノートPCの対応状況だが、OSのみ未サポート。AMD Radeon(Renoir)はDirectX 12 Ultimateは未サポートのようである。下図はNVIDIA GeForce RTX 3060搭載のデスクトップPCだが、非NVMeストレージ(ドライブDおよびEはSATAN経由のSSD)はDirectStorage未対応だと強調された。
Windows 10はもちろんWindows 11にDirectStorage機能を制御する設定項目は現時点で存在しないが、DirectStorageの開発が順調に進めば「設定」の「ゲーム」に関連項目が並ぶことだろう。
前述のとおりゲーム開発者がDirectStorageを組み込むことでPCゲーマーは初めて恩恵を受けられるのだが、まずは準備が必要だ。自作PCであればメインストレージの換装、メーカー/BTO PCならばNVMeストレージとGPU性能を鑑みながら、買い換えを思案してほしい。