「Windows 10ミニTips」は各回の作成時点で最新のWindows 10環境を使用しています。

Windows 10においても、更新プログラムをWindows Update経由で取得し、セキュリティホールを塞ぐ仕組みは従来と変わりない。だが、Windows 10は以前と異なり、複雑なオプションが増えている。今回は個人ユーザーにとって快適な環境を目指すため、各設定項目の内容について説明しよう。

「アップグレードを延期する」とは?

Windows Updateは、Windows 10 HomeとWindows 10 Proでわずかに動作が異なる。「詳細オプション」を開くと、Windows 10 Proにのみ「アップグレードを延期する」が見つかると思う。この設定項目を有効にすると、「Windows Updateのブランチ(枝)がCBからCBBに切り替わる」のだ。

「Win」+「I」キーを押すなどして「設定」を起動し、「更新とセキュリティ」→「Windows Update」とクリック/タップで開く。「更新プログラムのチェック」ボタンをクリック/タップすれば、手動で更新プログラムのチェックが可能になる

「詳細オプション」をクリック/タップすると、同名のページに切り替わる。こちらはWindows 10 Proエディション。「アップグレードを延期する」という設定項目が用意されている

こちらはWindows 10 Homeエディションの「詳細オプション」

Windows 10のブランチは、CB(Current Branch)、CBB(Current Branch for Business)、LTSB(Long Term Servicing Branch)という3種類に加えて、Insider Preview用のIPB(Insider Preview Branch)の計4種類がある。

Windows Updateブランチの1つ「CB」。Windows 8.x以前の一般的な更新頻度はこちらとなる

「CB」から4カ月後に更新プログラムを配信し、さらに4カ月間の社内検証を可能にする「CBB」

「CB」は従来のWindows Updateによるアップデートを示し、Insider Previewで検証された更新プログラムを年に数回の頻度で配布する。これが標準的なブランチだ。

「CBB」はビジネスユーザーなど、大幅な変化を避けつつも新機能を享受できるブランチとなる。「LTSB」は、金融機関などミッションクリティカルなシステムでWindows 10を用いる際に選択するブランチだ。

基本的にホームユーザー向けのWindows 10 Homeは「CBB」を選べず、Windows 10 Proは「CB」と「CBB」を選択できる。「LTSB」を選択できるのはWindows 10 Enterpriseエディションのみだ。ただし、セキュリティ更新プログラムは選択したブランチに関係なく、すべてのブランチに提供されるため、特段の理由がなければ「アップグレードを延期する」を有効にする必要はない。

更新プログラムの確認方法は?

更新プログラムは自動および手動で導入するが、気になるのは「どのような更新プログラムを適用しているのか」という点。ダウンロード中であれば、更新プログラムの内容は確認できる。

更新プログラムダウンロード中に「詳細」をクリック/タップする

すると、これからインストールする更新プログラムの一覧を確認できる

インストール済み更新プログラムは「更新履歴を表示する」から確認。もし、特定の更新プログラムに起因する不具合が発生した場合、ここから「更新プログラムをアンインストールする」を選択し、続けて開く「インストールされた更新プログラム」からアンインストールを実行すればよい。

「詳細オプション」を開いて「更新履歴を表示する」をクリック/タップする

これで過去にインストールした更新プログラムの確認や、アンインストールを実行できる

なお、「最新のプレビュービルドをアンインストールする」を選択すると、「更新とセキュリティ」の「回復」が開く仕組みだ。項目名を読む限りInsider Previewのアンインストールのようにとらえがちだが、「PCのリフレッシュ」機能を呼び出す項目であることに気を付けてほしい。

阿久津良和(Cactus)