暮らしの中でふと出てくるいろいろなお悩み、家電を利用して解決できることは多いもの。IT・家電ジャーナリストで家電製品総合アドバイザーの安蔵靖志さんに、おすすめ家電や使い方を紹介してもらいます。

今回のご相談

コロナ禍のステイホーム生活で太ってしまい、朝晩に自宅トレーニングを始めました。トレーニング後はゆっくりとお風呂に浸かって疲れを癒やしているのですが、お風呂で音楽とかラジオを聴きたいです。どんな方法がいいでしょう?(50代・男性)

Sonosのポータブルスマートスピーカー「Sonos Roam」(実勢価格:23,800円前後)をおすすめします

お風呂で音楽やラジオを楽しみたい人にぴったりなのが「防水Bluetoothスピーカー」です。一口に防水といっても、水がかかっても大丈夫な生活防水タイプから、水にひたしても大丈夫(もちろん限度はあります)という強い防水タイプまで幅広くあります。お使いのスマートフォンが防水仕様なら、安心してお風呂で使えるでしょう。とはいえ、浴槽の中に落としてしまう危険性はゼロではありません(簡単にいうと、IPX7やIPX8の防水性能を持つスマホなら、あくまでスペック上は水没してもある程度は耐えられます)。

そこでおすすめしたいのが、スマートスピーカー機能を搭載する防水Bluetoothスピーカーの「Sonos Roam」です。

  • 本格的な防水性能と防塵(ぼうじん)性能でアウトドアでも便利
  • Wi-Fiに接続すればAmazon Alexa対応スマートスピーカーとして使える
  • 「Radiko」スキルでラジオも楽しめる

【ポイント1】本格的な防水性能と防塵性能でアウトドアでも便利

Sonos RoamはIP67、つまり「粉塵が内部に侵入しない完全防塵(IP6X)」と、「1mの水面下に没しても最大30分間は水が浸入しない防浸形(IPX7)」という防塵・防水性能を実現しています。水しぶきがかかるようなキッチンやバスルーム、アウトドアでの使用に十分耐え得る仕様です。シャワーがバシャバシャかかるどころか、浴槽の中に落としも大丈夫な防水性能を実現しているので、安心してバスルームでも使えます。

音質もなかなかのもの。高音域がクリアなだけでなく、直径約6cm・高さ約17cmのコンパクトサイズながら、低音域がしっかりとパワフルに鳴ってくれます。バスルームだけでなく、家中のさまざまな部屋、さらには外に持ち出して聴くのも楽しそうです。Sonos Roamはモノラルスピーカーですが、同じモデルを2台組み合わせて「ステレオペア」を作成することで、ステレオサウンドを実現できます。

  • 充電用のUSB端子にはカバーがありませんが、本体としてIPX7の防水性能

バッテリーを内蔵しており、最長約10時間の連続再生が可能です。防水Bluetoothスピーカーの中には、充電端子を覆うシリコンカバーを開けてケーブルをつないで充電するタイプがあり、シリコンカバーがへたってくると水が浸入する危険性が拭えません。Sonos Roamの充電用USB Type-C端子にはカバーがありませんが、それでIPX7の防水性能を実現しているので安心です。ただし充電は、USB Type-C端子と充電用USBケーブルが完全に乾いた状態で行います。

さらに別売ではありますが、置くだけで充電ができる「Sonos Roam Wireless Charger」(直販価格6,480円)も用意されています。これを用意すれば、いちいちUSBケーブルをつながくても、置くだけで充電ができるようになります。Sonos Roamはワイヤレス充電規格「Qi(チー)」にも対応しており、筆者宅にあるQi対応充電器に置いただけで充電ができました。

  • 別売の「Sonos Roam Wireless Charger」(直販価格6,480円)は、IP54準拠の防塵・防水仕様

【ポイント2】Wi-Fiに接続すればAlexa対応スマートスピーカーとして使える

防水Blutoothスピーカーには、音声アシスタントに対応するスマートスピーカーもたくさんありますが、防水とBluetooth、スマートスピーカーのいずれも兼ね備えているのがSonos Roamのユニークなところ。

音声アシスタントは、米国ではAmazon AlexaとGoogleアシスタントをサポートしているのですが、日本では現状Amazon Alexaのみです。とはいえ、Wi-Fiに接続して「アレクサ、最新のニュースを聞かせて」などと声をかければ、さまざまな情報を知らせてくれます。

さらに「最新の洋楽を聴かせて」と声をかければ、Amazon Musicの音楽も存分に楽しめます。スマホに保存した楽曲やサブスクサービスの楽曲をBluetooth経由で再生するのもいいですが、お風呂でリラックスしながら音楽にひたりたいときは、スマホを持ち込まずに音楽を聴けるスマートスピーカーはおすすめです。

【ポイント3】「Radiko」スキルでラジオも楽しめる

お風呂でスマートスピーカーをおすすめする理由は、ハンズフリーでラジオを聴ける点にもあります。Amazon Alexaアプリで「radiko.jp」スキルと「Sonos」スキルを有効にすると、「アレクサ、ラジコでニッポン放送を聴かせて」などと声をかけてラジオを流せます。

筆者の印象では、「お風呂で音楽を楽しみたい」という人も多いのですが、同時に「お風呂でラジオを聴きたい」という人も多いと思います。お風呂用に防水タイプのラジオも販売されていますが、スマートスピーカーとRadikoを組み合わせれば、いい音質でラジオを楽しめます。もちろんスマホとBluetoothスピーカーの組み合わせでもいいのですが、音楽やラジオだけであればSonos Roamはかなりお手軽です。

こんな防水Bluetoothスピーカーもおすすめ

■2台つなげればステレオスピーカーとしても使える360°スピーカー
ソニー「SRS-XB13」(直販価格:8,250円)

  • ソニー「SRS-XB13」の本体サイズは約直径76×高さ95mm、重さはやく253g。左上から、ブラック、ベージュ、ライトブルー、左下からコーラルピンクとパウダーブルー

直径46mmのフルレンジスピーカーユニットと独自の「サウンドディフュージョンプロセッサー」を組み合わせることで、360°に広がるサウンドを楽しめるBluetoothスピーカーです。約4.5時間の充電で約16時間再生できるバッテリーを内蔵しており、Sonos Roamと同様にIP67の防塵・防水性能を備えています。

スピーカー本体の操作ボタンで再生・一時停止、曲送り・曲の頭出しができるので、スマホをバスルームの外に置いていても操作できる点が魅力的。2台を一緒につなげてBluetooth接続することで、ステレオ再生する「Stereo Pair」機能もあるので、最初は1台、そのうち2台目を追加――といったアップグレードもおすすめです。

■防水Bluetoothスピーカーとしても使えるワイドFM対応ポータブルラジオ
JBL「JBL Tuner 2 FM」(直販価格:14,300円)

  • JBL「JBL Tuner 2 FM」の本体サイズは幅180×奥行き72×高さ70mm、重さは543g

IPX7の防水性能を持ち、キッチンや浴室、屋外などで水ぬれを心配せずに楽しめるポータブルFMラジオ。単体の防水ラジオだけでなく、スマホの音楽やラジコなどを聴くBluetoothスピーカーとしても使えるところがポイントです。ワイドFM対応のラジオチューナーを搭載しており、FM放送はもちろんのこと、90MHz以上の帯域を使ったワイドFM放送を実施している一部のAMラジオ局の番組も聴けます。約3.5時間の充電で最大約12時間のラジオ受信が可能です。