アメリカはテクノロジー企業を中心に経済成長を続けてしており、株価も長期的に上昇しています。富裕層も多い国ですが、現在とくに増えている街や地域はどこなのでしょうか。今回は資産情報会社が公表したランキングをもとに、アメリカで億万長者が増えている街について解説します。

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アメリカで億万長者が増加している街ランキング

資産情報会社New World Wealthは、アメリカで億万長者の人数が増えている街・地域のランキングを発表しました。1位はオースティン、2位はスコッツデール、3位はパームビーチ・ウェストパームビーチという結果です。

  • アメリカで億万長者が増加している街ランキング

ランキングに入った街に関する考察

上位にランクインした街でなぜ億万長者が急増しているのか、背景や要因について解説します。

1位:オースティン(テキサス州)

テキサス州の州都であるオースティンが1位を獲得しました。過去10年間で、億万長者が110%と大幅に増加した街です。

かつてテクノロジー企業といえばカリフォルニア州のシリコンバレーが中心でしたが、現在はテキサス州がテクノロジー企業の新たな集積地となりつつあります。その要因はさまざまですが、カリフォルニア州の高い税金を回避することもその1つのようです。

直近の数年間で、テスラやオラクルなど、有名テクノロジー企業の本社がオースティンに移転しました。オースティンの高級住宅市場も急速に成長しています。

2位:スコッツデール(アリゾナ州)

スコッツデールはアリゾナ州にある、砂漠地帯の都市です。億万長者は過去10年間で102%増加しました。

ゴルフ場が増えており、ゴルファーにとっての楽園とも呼ばれています。カリフォルニア州のハイテク起業家、裕福な退職者がスコッツデールには魅力的だと感じています。

3位:パームビーチ、ウェストパームビーチ(フロリダ州)

フロリダ州の南部にあるパームビーチおよびウェストパームビーチが3位にランクインしました。億万長者たちにとって、退職後の居住地として人気のある地域です。

金融分野やエンターテインメント分野の億万長者で、将来的にこの地に住むことを希望している方も多くいます。

4位:グリニッジ、ダリエン(コネティカット州)

4位に入ったのは、コネティカット州の郊外に位置するグリニッジおよびダリエンです。投資銀行やヘッジファンドのマネージャーなど、裕福な金融業者が多く流入しており、過去 10 年間で億万長者人口が 84% 増加しました。

双方とも比較的治安の良い地域で住宅街も広く、優れた私立学校もあることから、裕福なファミリー層に人気です。また、地理的にニューヨーク市に比較的近いことも、支持されているポイントの1つです。

5位:ベイエリア(カリフォルニア州)

ベイエリアとは、北カリフォルニアに位置し、シリコンバレーとして知られている地域です。サンフランシスコ市やアサートン、ロスアルトスヒルズなど裕福な街がベイエリアに含まれています。

AppleやAlphabet、Metaなど、著名なテクノロジー企業の多くがベイエリアに本社を構えています。

将来のランキングに関する考察

ここからは、今回のランキングが将来どのように変化するかについて、New World Wealth社の予測を紹介します。

今回1位~3位となったオースティン・スコッツデール・ウェストパームビーチは、億万長者の増加について今後もトップクラスを維持するでしょう。加えて、ユタ州のソルトレイクシティ、フロリダ州のタンパ・ネイプルズも富裕層の増加が見込まれています。

2002年に冬季オリンピックが開催されたソルトレイクシティは、2034年にも冬季オリンピック開催地となることが決まりました。美しい山々があり、アメリカで最もストレスの少ない都市に選ばれ、新興企業の拠点として人気が上昇しています。

タンパ・ネイプルズは、フロリダ州の西海岸に位置する街です。タンパは新興のテクノロジー企業のハブとして機能しており、ネイプルズは豪華なゴルフコースや綺麗なビーチなどで退職後の移住先として人気が高まっています。