シャープは、2026年4月1日付で、社長執行役員 CEOに、河村哲治専務執行役員 CBDO( Chief Business Development Officer)が就任すると発表した。6月に開催予定の定時株主総会で代表取締役に就任する予定だ。

沖津雅浩代表取締役社長 CEOは、代表取締役副会長に就く。定時株主総会で代表取締役を退任することになる。

  • 河村哲治氏。新たに社長としてシャープの舵取りを担うことになる

    河村哲治氏。新たに社長としてシャープの舵取りを担うことになる

沖津社長 CEOは、3月19日に、社内イントラネットを通じて、社員向けに配信したCEOメッセージで、社長退任の理由について説明。「デバイス事業のアセットライト化の取り組みに一定の区切りがついた。一連の取り組みを通じて、今後の再成長に向けた確かな基盤が整いつつある」としながらも、「次の成長ステージを託すにふさわしいリーダーとして、河村氏にバトンを引き継ぐことが、今後のシャープにとって最適であるとの判断に至った」と説明。「河村氏であれば、必ずやシャープを、再成長へと導いてくれるものと確信している」と述べた。

  • 沖津雅浩氏

    沖津雅浩氏

社長 CEOに就任する河村哲治氏は、1961年11月10日生まれの64歳。沖津社長からは4歳の若返りとなる。

1984年4月にシャープに入社。2014年10月、欧州マーケティング統轄兼Sharp Electronics Europe社長に就任。2016年9月には欧州代表兼SEE社長、2017年8月に米州代表兼Sharp Electronics Corporation会長に就任した。2021年10月にデジタルイメージングソリューション事業本部長、2022年4月にスマートビジネスソリューション事業本部長を経て、2022年9月に執行役員に就任した。2023年7月に、スマートビジネスソリューション事業本部長 執行役員 スマートオフィス事業担当兼スマートビジネスソリューション事業本部長に就任し、2024年6月に常務執行役員 スマートオフィスビジネスグループ長兼スマートビジネスソリューション事業本部長に就いた。2025年4月からは、専務執行役員 CBDOに就任していた。

沖津社長 CEOは、CEOメッセージのなかで、「河村氏は、欧州統轄会社および米国販売会社の責任者を歴任するなど、豊富な海外事業経験を有するとともに、ビジネスソリューション領域の事業責任者として、全社の業績を牽引してきた実績がある。さらに現在は、CBDOとして、新規事業開拓の最前線に立ち、次代の成長に向けた取り組みを力強く推進している。シャープをここから『再成長』へと導いてくれるものと確信している」と紹介した。

  • 今年3月16日に移転した大阪・堺筋本町のシャープ新本社

    今年3月16日に移転した大阪・堺筋本町のシャープ新本社

シャープは、2025年5月12日に公表した「中期経営計画」において、「ブランド事業のグローバル拡大と事業変革の加速」、「持続的な事業拡大を支える成長基盤の構築」、「成長をドライブするマネジメント力の強化」の3点に取り組む方針を示し、競争力の向上と財務基盤の改善を進め、再び成長軌道へと舵を切る姿勢を打ち出していた。

同社では、業績が堅調に推移していること、財務基盤の改善が当初想定を上回るペースで進捗していること、一昨年から取り組んできた「デバイス事業のアセットライト化」が、ディスプレイデバイス事業の構造改革の方向付けをもって、一定の区切りを迎えたこと、これまでの2年間の取り組みを通じて、再成長に向けた確かな基盤を構築することができたことから、今後は、中長期での持続的成長の実現に向けた既存ブランド事業のグローバル拡大を一層強化するとともに、将来の飛躍を支える新規事業の立ち上げおよび具体化に、本格的に取り組むことで、成長のスピードを一段と加速するフェーズに入ったことを示し、「今後の成長戦略を着実かつ迅速に推進していくための最適な事業運営体制について検討を重ねた結果、欧州統轄会社および米国販売会社の責任者を歴任するなど、豊富な海外事業経験に加え、スマートオフィス/スマートビジネスソリューション事業の責任者として、全社の業績を牽引してきた実績があり、さらに、現在新規事業開拓の責任者である河村哲治氏が社長執行役員CEOとして適任であるとの結論に至った」と、社長 CEOへの選任理由を発表している。

また、沖津氏は、「永年培ったブランド事業での経験や、多くのビジネスパートナーとの強力な関係などの強みを活かし、副会長として引き続き当社の企業価値向上に貢献することになる」としている。

沖津社長 CEOが、3月19日に社員向けて発信したCEOメッセージは、タイトルを「社長退任にあたって」と題し、「本日の取締役会において、今後の執行役員体制を決議し、私は3月31日をもって社長CEOを退任する。後任には、専務CBDOの河村氏が就任し、私自身は今後、副会長として河村新社長をサポートする役割を担う」と報告。「2024年6月に社長に就任して以来、約2年間にわたり、シャープの業績改善に共に取り組んでくれたすべての社員の皆さんに、改めて心より感謝申し上げる。本当にありがとうございました」と切り出した。

また、「この2年間を振り返ると、社長就任後、鴻海との連携を密に取りつつ、ブランド事業を主軸とした事業構造の確立に向け、デバイス事業のアセットライト化に取り組み、2026年2月に公表したディスプレイデバイス事業の構造改革の方向づけにより、これにも一定の区切りがついた。さらに、2025年5月に公表した中期経営計画以降は、ブランド事業への投資拡大、AIをはじめとする技術開発の強化、EVやAIサーバーといった新規事業の取り組みの加速、新たなコーポレートスローガンの制定など、いま一度、シャープブランドを世界で輝かせるための布石を打ってきた。そして、業績面においても、2025年度は3年ぶりの最終黒字を達成し、2026年度は期初の公表値から2度の上方修正を行うなど、堅調に推移している。加えて、財務基盤の改善も想定を上回るペースで進展しており、これら一連の取り組みを通じて、今後の再成長に向けた確かな基盤が整いつつある」とした。

だが、「中期経営計画公表後わずか1年の間に事業環境が激変しており、シャープを取り巻く足元の状況は想定以上に厳しさを増している。こうしたなか、シャープが今後、持続的に成長していくためには、ブランド事業のグローバル拡大とディスプレイデバイス事業の高付加価値化を一段と強化することはもとより、将来の飛躍に向けた新規事業を、これまで以上のスピード感をもって具体化し、シャープブランドをより一層強化していくことが最も大切である。こうした考えのもと、その実現に向けた事業推進体制について検討を重ねた結果、次の成長ステージを託すにふさわしいリーダーとして、河村氏にバトンを引き継ぐことが、今後のシャープにとって最適であるとの判断に至った」と背景を説明した。

そして、「2026年度に、シャープはいよいよ新たなステージへと本格的に踏み出す。河村新社長のもと、全社一丸となって、成長軌道を力強く歩んでいこう。新たなコーポレートスローガンに掲げた『ひとの願いの、半歩先。』を実践し続けることで、シャープならではの価値を創出し、新たな文化をつくり上げていこう」とし、「社員の皆さん、2年間、本当にありがとうございました」と締めくくった。

  • 新たなコーポレートスローガンとして掲げている「ひとの願いの、半歩先。」

    新たなコーポレートスローガンとして掲げている「ひとの願いの、半歩先。」

なお、シャープでは今回の社長人事にあわせて、2026年4月1日付の新たな人事が発表している。

シャープの子会社であり、PC事業を担当するDynabookの社長には、渋谷正彦取締役副社長が就任する。

また、シャープでは、スマートビジネスソリューション事業本部長の徳山満氏が、新たに執行役員に就任し、CTOに就く。また、執行役員 Co-COO兼スマートワークプレイスビジネスグループ長の小林繁氏が、スマートビジネスソリューション事業本部長を兼務する。 さらに、シャープマーケティングジャパンの大山貞社長が、シャープの国内営業本部長に就任。シャープマーケティングジャパンの社長には美甘將雄氏が就任する。