今回のテーマは「銀座のクラブで見た"カスハラ"」です。
俳優の香川照之さんが銀座の高級クラブでホステスの胸を触るなどした件が週刊誌で報じられ、話題となりました。この行いは間違いなくセクハラでカスハラです。
22歳の頃から大阪・北新地、東京・銀座を渡り歩いてきましたが、ここまで酷いお客様に遭遇したことは幸いまだありません。異常事態だからこそ、お茶の間がざわついたのだと思います。
ただ、カスハラが全くないかといえばそんなことはありません。
では、さっそく解説します。
そもそもカスハラとは
カスハラ(カスタマーハラスメント)とは、「顧客からの暴行、脅迫、暴言、不当な要求といった、理不尽で著しい迷惑行為」を指します。
某本屋さんでアルバイトをしていた頃は、それはもう毎日カスハラの嵐でした。閉店時間を過ぎてもお買い物を続けている女性に対し、閉店時間であることを告げた際、
「それはあなたの決めることじゃないでしょ! 私はまだお買い物したいの。勝手に閉店しないでくれる?」
と、迫られたことを今でも覚えているし、女性が問題行為を繰り返す人物であったこともあり、彼女のことはフルネームで記憶しています。
某ファストフード店で働いていた頃は、注文した商品が手元に届くのを待てず、「遅すぎる!」と激高した男性がお店のガラス製のドアを蹴破って逃走する、という事件もありました。よほどお腹が空いていたのでしょうか。
銀座のクラブでのカスハラは
さて、銀座のクラブでのカスハラですが、そこまで派手なことは起きません。例えば、お触り行為が過剰なお客様のことなどはママが叱ってくれます。
それ以外の例ですと、カスハラと呼ぶほどのことでもないかもしれませんが
「~してくれるなら〇〇してあげるよ」
と、交渉を試みるお客様がやや厄介です。
例えば
- 「Hさせてくれるならひと月に50万円あげるよ」
- 「土日にお泊まりデートしてくれるなら今度同伴するよ」
- 「彼女になってくれるならシャンパン入れるよ」
など、こちらが得られる報酬に対し、お客様の要求がややヘビーなパターンです。
このような交渉を試みるお客様というのは、同じ女性を長い年月をかけてじっくり口説き、そしてその過程まで楽しむ男性とは対照的に、超短期決戦型の男性なのでしょう。
「今晩いくら使ったら何をどこまでできるのだろう」ということしか頭にないというか。はっきり申し上げて、かなり貧乏くさい男性です。
「だったらそういう行為ができるお店に行けばいいのでは?」と思うのですが、それでは「楽しくない」と、彼らは言います。
そういうお店の女性と行為に及ぶのではなく、狩りを楽しみたい、もしくは自力で女性を手に入れたという実感が欲しいのでしょう。
それにしても「Hさせてくれるならひと月に50万円あげるよ」なんていう野暮なやり方でうまくいった試しがあるのでしょうか。多分ありません。鼻で笑っておきましょう。
交渉を試みるだけならまだマシで、これは銀座でのことではなく西東京市の某安キャバに在籍していた頃のことなのですが、「Hさせてくれるなら指名するよ」に続いて
- 「何事もモノは試しだよ。すごく気持ちいいかもしれないよ?」
- 「なんでも勉強だと思って挑戦した方が良いよ」
- 「もしかして初めて? 経験より価値のあるものなんてないよ」
と、屁理屈をこねはじめ、それでもこちらが「NO」を示し続けると
- 「そんなことだから売れないんだよ」
- 「それじゃあここにはいられないよ」
- 「キミは絶対に大成しないよ」
と、急にお説教モードになるおじさんなんかもいました。おととい来やがれです。