有線LANと両面印刷に対応!
低価格で高性能な複合機【2008年1月号掲載】



スペック

[発売元] 日本ヒューレット・パッカード [価格] オープンプライス [実売価格] 2万5,000円前後 [OS] Mac OS X 10.3.9以上 [解像度] プリント:4,800×1,200dpi、スキャン:4,800×4,800dpi [インターフェイス] USB2.0、10/100BASE-TXイーサネット [用紙サイズ] A4~ハガキ [サイズ/重量] W446×H189×D443mm/10.3kg [備考] インク:6色染料インク [掲載号] 「Mac Fan」2008年1月号

OVERVIEW

インクジェット複合機の価格は年々低下しており、今年の新製品では機能満載のフラグシップモデルが3万~4万円前後で購入できる。とはいえ、依然として価格が高いと感じるユーザや、そこまで多くの付加機能を必要としないユーザも多いだろう。そこで、注目したいのが各社から発売されている2万5,000円前後のミドルレンジの製品群だ。

(1) 4800dpiのCISスキャナ搭載
とてもコンパクトなC6280。前面に2段給紙トレイがあり、L判やA4の用紙などを2種類入れておける。スキャナは4800dpiのCISスキャナだ

これらの製品は、フラグシップモデルほど多彩な機能は搭載していないものの、プリントやコピー、そしてスキャンといった複合機の基本性能はフラグシップモデル並みに高性能。本製品もそうしたモデルで、6色染料インクによる4,800dpiでの高解像度印刷、4,800dpiのCISスキャナ、2.4インチの液晶ディスプレイ、そしてフラグシップモデルにも採用されている自動補正機能なども搭載するモデルだ。

FOCUS ON

(2) 進化したフォトスマートエクスプレス
簡単なボタン操作でプリントやコピーなどが行えるフォトスマートエクスプレスがさらに使いやすく

現在の複合機ではPCからだけでなく、単体で使用する上での操作性も重要だ。本製品では、簡単なボタン操作で操作を可能にする「フォトスマートエクスプレス」がバージョン2.0に進化し、写真プリントやコピー、スキャンがより簡単に行えるようになっている。液晶画面が2.4インチと小型なので画像確認などはフラグシップモデルに比べると劣るが、十分に満足いく使用感だ。

また、写真のプリント速度はデフォルトの[標準]モードでL判ふちなしが約16秒とフラグシップモデル同等。A4のテキスト書類も[標準]モードでは14秒、[最速]モードでは7秒と高速で品質も高い。

(3) 4800dpiで高解像度な印刷
フォトスマートスタジオの[標準]モードで、写真L判ふちなし印刷にかかるのは約15秒。人肌は自然で解像度も高く、高品質だ

(4) テキスト印刷は超高速!
A4のテキスト書類を[標準]モードで印刷するのに約14秒(右)。[最速]モードだと約7秒と高速だ(左)。最速モードでは黒の濃度がやや低くなる

(5) 学校向けのテンプレートを同梱
ノート用紙や方眼紙、五線紙、迷路といった学校向けのテンプレートが8種類入っている。子どものいる家庭では特に役立つはずだ

HP製品の特徴は、他社にない独自機能を搭載している点にもある。自動用紙認識や遠隔地のプリンタへリモート印刷できる「HPフォトスマートシェア」、アルバムやポスター、カードなどが簡単に作れる「HPフォトスマートクリエイト」といった機能も魅力的だ。

フィルムの読み込みと無線LAN未対応な点を除けば、フラグシップ機並みに満足して使える本製品。他社製品と比べて、自動写真補正機能の性能は劣るものの、この価格帯で有線LANと自動両面プリントに標準対応しているモデルは他にはない。ともにビジネス用途としてニーズのある機能だけに、SOHOやオフィスでの利用に最適だ。Leopard環境ではプリントのみのサポートとなっているが、今後アップデータで対応予定だ。

(6) さまざまなアプリと連携する母艦ソフト
付属の「フォトスマートスタジオ」は、さまざまな専用アプリと連携して使える。「HPフォトスマートクリエイト」だ。写真を選んで、アルバムやカード、ラベル、ポスターなどが簡単に作れる

AFTER REVIEW

国内ではエプソンとキヤノンの両雄に押されがちなHPだが、世界ではプリンタのトップシェアを誇る。複合機の性能は数年前から他社にひけをとらない性能で、一般用途ならば十分に満足して使えるだろう。同価格帯の製品ではエプソンの「PM-A840」、キヤノンの「MP520」がライバルとなるが、スキャナの解像度など基本性能でも上回る点は多い。写真補正機能はライバル機に一歩譲るものの、自動両面と有線LANの対応はやはり魅力的だ。
(本製品は販売終了となりました)