「ちょっとeグッズ」は毎日のくらしをちょっとイイ感じにしてくれる、ガジェットのよもやま話を語る連載です。 |
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コンパクトなスマホが好きなので「iPhone 12 mini」を常用している筆者ですが、それとは別に「iPhone SE(第2世代)」を仕事用のスマホとして使っています。
どちらもワイヤレス充電に対応しており、iPhone 12 miniではMagSafe充電器が使えます。iPhone SE(第2世代)はMagSafeに対応しないので当然ながら使えませんが、共用したいと思うことがときどきあり、ワイヤレス充電パッドを別で用意するのもわずらわしいと感じていました。
また、外出先でモバイルバッテリーを使うときはケーブルで有線接続しないといけないのが面倒くさい……。せっかくiPhone 12 mini用にマグネットで吸着するモバイルバッテリーを持っているので、iPhone SE(第2世代)でもこれを使えたら便利です。置くだけでも充電はされますが、できればちょっと触れただけでズレないようにしたいところ。
そこでMagSafe充電器をSEシリーズでも使う方法を探したところ、割と簡単な解決策が見つかりました。知る人ぞ知るデバイスブランド「MOFT」が販売している、スマホケース用マグネットリングを貼り付けるというものです。
MagSafeとは?
MagSafeは、iPhoneやAirPodsなどのAppleデバイスで採用されている、磁石で貼り付く充電コネクターの名称です。元々はMacBookの充電コネクターの名前として使われていて、Thunderbolt 3(USB Type-C)が主流になってからはしばらく見かけなくなりました。
その後、2020年発売のiPhone 12シリーズの発表に合わせて「MagSafe for iPhone」としてよみがえり、これ以降のiPhoneではほぼすべての機種で採用されています。中身はQi互換のワイヤレス充電機能と磁石を組み合わせたもので、最大15Wの高速ワイヤレス充電ができる点が純正品MagSafeや「Made for MagSafe」認証を受けた充電器の特徴のひとつ(miniシリーズは最大12W)。マグネットを使い、iPhoneと充電器に内蔵されている充電コイルの位置をピッタリ合わせることで充電効率を最大化させるという、シンプルながら効果的な仕組みになっています。
ただし、2022年発売の「iPhone SE(第3世代)」はMagSafe充電器には対応していません(Qiワイヤレス充電は可能)。また、iPhone 12シリーズより前に登場したiPhoneも、当然MagSafeには非対応です。
ちなみに、2021年発売の14/16インチMacBook Proでは、MacBookの充電コネクターとして「MagSafe 3」が復活しています。マグネットで簡単に着脱できる特徴はそのままに、デザインや給電量を見直した設計になっており、過去のコネクターとも形状は違いますが金属接点が見える点は同じです。iPhone用のMagSafeはこういったMacBookのものと異なり、金属接点がむき出しになっていないので安心感があります。
“MagSafeっぽく使えるリング”がイイ
MagSafe非対応のiPhoneだけでなく、Androidスマホでも「なんとかしてMagSafeっぽく使いたい」というニーズは根強くあるようで、サードパーティ各社からはMagSafe対応をうたうさまざまなアイテムが登場しています。
今回紹介するMOFTのスマホケース用マグネットリングもそのひとつ。磁石を内蔵したリングをケースに貼り付けるだけで、MagSafe対応の充電器にピタッと吸着できるようにするアクセサリーです。価格は1,280円。Amazon.co.jpに直営ストアの在庫があったので、筆者はそちらで購入しました。Amazonだと注文した日の翌日に届きましたが、MOFT公式サイトで購入すると海外発送となり、配送に最大1週間ほどかかるようです。
リングはアルミ合金製で、5段階の研磨加工を施して仕上げたということもあって安っぽさはありません。厚みは1〜2mmほどで、このなかに強力な薄型マグネットを36個内蔵していて、MagSafe充電器にしっかり吸着します。MOFTではスマホ本体ではなく、表面が平らなスマホケースの上から貼り付けて使うよう推奨しています。
パッケージは、リングを保護する折りたたまれた厚紙が入っているだけという簡素なつくり。ですがこの厚紙、実はけっこうよく考えられています。
厚紙はスマホケースのサイズにあわせてリングを貼り付けやすくするアタッチメントガイドを兼ねており、説明書き通りに中央の丸い部分を切り取って、手持ちのスマホケースにあてがうだけで、ケースのど真ん中にリングを正確に貼り付けられます。ワイヤレス充電対応のスマホは中央にコイルを内蔵しているものがほとんどなので、このアタッチメントガイドを信用して貼ればまず間違いないでしょう。
なお、リングの貼付面には強力な接着剤を使っているので、一度貼り付けるとやり直しはきかず、無理に剥がすと破損してしまいます。そのため、正しい貼り付け位置を見定めて慎重に作業する必要があります。
実際にApple純正のMagSafe充電器と組み合わせて数日使ってみましたが、普通にiPhone SE(第2世代)をマグネットで吸着してQi互換のワイヤレス充電ができています。あくまでMagSafeっぽく使えるようにするだけなので、充電を開始してもMagSafe充電に特有のバッテリー残量を示す緑の円マークは表示されませんが、特に支障はありません。
ほかにも、Anker製のマグネット式ワイヤレス充電対応のモバイルバッテリー「 PowerCore Magnetic 5000」も試してみたところ、こちらもパチンとくっつけるだけでワイヤレス充電できました。ただ、充電時はいずれも他のワイヤレス充電器と同様に熱を持ちやすく、100%充電完了した頃にはリングがほんのり温まっていました。内蔵バッテリーの消耗にもつながるので放置はせず、ある程度チャージできたら充電器やモバイルバッテリーから取り外したほうがよいでしょう。
ちなみに、このマグネットリングは吸着力・固定力ともにそこそこ強めなので、キャッシュカードなど磁気を近づけてはいけないものは側に置かないほうがよさそうです。また、砂が多い場所など屋外で落としたら砂鉄がいっぱい付いてきそうなので、落下にも気をつけたいところ。筆者はクルマを運転しないので試していませんが、これくらい磁力が強ければ、車載用アダプターと組み合わせて使うのもアリだと思います。
あくまでサードパーティ製品なので、Appleが想定している使い方ではないことは頭に入れておく必要があります。ともあれ、MagSafe対応をうたうスマホアクセサリーなら、リングのサイズがあえば基本的に何でも吸着させて使えそう。マグネットを仕込んだスマホスタンドやスマホリング、ミニ三脚用アダプターなどなど、組み合わせられるスマホアイテムの選択肢が広がります。MagSafe非対応のiPhoneを使っている人は要注目のアイテムといえるでしょう。