我が家は夫婦二人暮らしであり、長年「中年しかいない家庭」と名乗ってきたが、そろそろ「初老しかいない家」と言わなければ、34歳がアラサーと名乗った時と同じ空気のピリつきを感じるようになってきた。
初老しかいない家庭なので「縁のない場所」というのも増えてきている、少なくともイオソのボールプールコーナーには用がない。
むしろ不用意にそういうゾーンに立ち入ると、子どものための場所が初老とそれを制止する国家権力に占拠されてしまう。
X民激怒、転売ヤー対策の微妙さが批判の的に
だが最近、主に子供のためだったものが大人に占拠どころか蹂躙されているという事例が増えてきている。
夫は初老だが、未だに謎の英字が書かれた黒Tシャツを着ているタイプなので「マック」にもよく行っている。
もうこの時点でマクドナルドの略称を巡り、子供が見ている前で大人が殴り合ったりもするのだが、どうせ地元のマックには地元民しかいないので全員マック統一だ。
夫はナゲットガチ勢なので、定番ハンバーガーから限定ハンバーガーまで全てのハンバーガーを無視してナゲットしか買わないので、イベント事など無縁なのだが、そんなナゲット勢ですら、ナゲット買ってる場合じゃない事態が起きたようだ。
それが、マクドナルドハッピーセットポケカ騒動である。
しばらくXがその話題で荒れていたので、マクドナルドに全く縁がない私ですら「何かアンハッピーなことが起こっている」ということは瞬時に把握できた。
マクドナルドがハッピーセットのおまけに限定ポケモソカードをつけたところ、それ目当ての転売ヤーが押し寄せ、店内は30年前の吉野家より殺伐とし、ポケカを入手できないばかりかハッピーセットすら食べられない子供は大泣き、親激怒というのが流れである。
転売への世間の怒りは主に3方向に向かう、まずは転売ヤーそのもの、そして転売ヤーが来るとわかっていながら対処しない企業、そして転売に寛容すぎるフリマサイトであり、今回の騒動は全部に怒れるという意味ではかなりハッピーセットだったようだ。
マクドナルド側も、1家庭5セットまでなど対策を講じ、フリマサイトとも転売防止策を強化したようなのだが、不十分であり、実際に転売されまくっていたようである。
この事態にマクドナルドは謝罪し、さらなる対策をと表明したが、転売ヤーという元号をまたいでなお撲滅できないテラフォーマーズたちとの戦いを、時給980円(我が村のリアル時給)の現場アルバイトにさせようという方針にさらなる批判が集中している。
SNSでも「その場にいる店員や店舗にクレームをいれるな、本社に入れろ」と呼びかけられている模様である。
確かに、同じ大企業でも任天堂はできる限りの転売対策を行い、完全に防止できたわけではないが、少なくとも中身だけ抜き取られたSwitch2の箱が散乱する画像が出回ったりはしなかった。それに比べれば「対応が甘すぎる」ように見えるのも仕方がない。
また任天堂は社員を大切にする会社としても有名なので、バイトを前線に立たせるマクドナルドが余計悪く見えてしまったというのもある。
世間を一番効率よく怒らせる炎上要素
また、現在の日本人のお気持ち的司法の中で「転売」に並べる重罪といえば「不倫」ぐらいのものだが、実はその両雄の後ろを虎視眈々とつけているのが「食べ物を粗末にする行為」だ。
一般人が一瞬で有名になる方法と言えば「バカッター」だったが、今思い返すと、大ごとになったバカッターのほとんどが「食べ物で遊んでいた」のである。
世間は、食べ物が粗末にされている姿に大きな嫌悪感を覚える。テレビなどで「※この後スタッフが食べました」などの野暮なテロップが必ず入るのは、そうしないと確定でクレームが入るからだろう。
今回のポケカ騒動は、転売という巨悪だけではなく、ポケカを抜かれて用済みになったハッピーセットが大量廃棄されているという、食べ物が粗末にされている様まで重なったため、他の転売騒動よりもさらに燃える結果となった。
ちなみに廃棄されているハッピーセットを見て「何故俺の家に持ってこなかった」と瞬時に怒れない奴はデブを名乗る資格がない。
今回の騒動に関しては「子供がかわいそう」という観点で怒っている人が多い。
確かに泣いている子供がいるのは事実だし、子どもが泣いていることにその親が怒るのは当然だ。
しかし赤の他人の不倫騒動の時も「奥さんと子供がかわいそうだ」と、嫁と子供の知り合いでもないので、子どもの立場で怒っている人が一定数現れるものである。
大人のせいでハッピーセットもポケカも手に入らず、大人が怒る盾にもされる子供は確かに一番の被害者であり、最近そういう被害が増えているように感じるので、ホビーの世界でももっと子供が守られるようにした方がいいだろう。
しかし、現場にはナゲット買ってる場合じゃなくなってしまった初老もいた、ということもつけくわえておきたい。
