「漫画の世界だけには反社と七光りがない」
私が漫画家デビューした時の編集長の言葉だが、そう言った本人がドテラに下駄というなかなか社会に反した格好をしていたのだが、言っていることはまあまあ正しいと思う。
もちろん、コネや反社を持ち込むことはできるだろうし、少なくともチャカで撃てば編集者も死ぬと思うが、それをしたところで、漫画家が手を叩いて喜ぶ以上の「意味がない」のである。
漫画家が「不正」をしてもメリットがない
しかし完全に「不正」と無縁かというと「盗作」や「トレス」などがあり、最近では「AI使用」などもズルとしてカウントされている、だが、これらの不正はやるメリットがそこまでない。
七つの玉を探す道中巨人に食われる話を描いて売れるならいいが、そんなこともないし、万が一売れてしまったら、多くの人の目に触れて盗作やトレスなどすぐにバレてしまう。
盗作は証明が難しくトレスも法的に罪に問われることは少ないのだが、とにかく作家として心証が悪すぎる、再起し完全オリジナルでヒットを飛ばしたとしても、ことあるごとに過去を蒸し返されることになる。
自分のやったことで自分の過去が掘り出されるならまだいいが「これに比べれば全裸になって10メートル前転し続けただけのKはかわいいものだ」など、他人のやらかしに自分の不祥事がゲストとして呼ばれ世間に思い出されてしまうこともある。
確かにトレスやAIを使うことにより、作業が楽にはなるのだが、得るものに比べて失う物が大きい。
漫画という作業が非人道的に面倒なため、つい手を出したくなるのも事実だが、営利目的としては効率が悪すぎるのだ。
また、仮に盗作とトレスで新連載の第一回目を描き上げそれがバレずに大人気を博したとしても、二回目も同じクオリティでパクらなければいけなくなる、それができるなら、確実に何らかの才能があるので、自力で描いた方が早いと思う。
せっかく不正を行うなら、利益が大きく、さらに一発で利益が出せるものにしたほうがいいだろう。
TOEICスコアを買った人の「その後」が気になる
そんなわけでTOEICの試験で組織的カンニングが起こったそうだ。
確かに試験は一発勝負だ、どれだけ実力があっても当日解答欄を1個ズラしてしまったり、椅子から浮くレベルの下痢をしてしまったらまた次回という世界である。
逆に言えばその日いい点をとって合格できさえすればよいのだ。
よって大学入学共通テスト(旧センター試験)では、未だにカンニングなどの不正が起こり続けているし、父親が女装し娘の代わりに受けにくるという、そのガッツが娘に遺伝してれば大学ぐらい受かるだろうという替え玉事件も発生している。
確かに、日本の大学は「入るのは難しいが出るのは簡単」と言われている、入ってしまえばこちらのものと思えば、リスクを承知で不正を働くものが出てきてしまうのもわかる。
TOEICでどのような不正が行われたかというと、小型イヤホンを使い受験者に答えを教えるという手口だ。
小型イヤホンは耳の穴よりかなり小さいが、その中継器のペンダントは飛行石級で目立たないとは言えず、また教え役の男が同じ顔写真で何度も応募していたなどずさんな部分も多かったそうだ。
またネットニュースによると、教え役である中国人の男は「逮捕4回目」だそうで、こんな華々しい経歴の人を試験会場に入れてしまうTOEICのセキュリティにも問題があるような気がする。
実際TOEICは大学入学共通テストほど不正対策に人員がさけないため、このようなことも起こってしまうらしい。
しかし、いくら不正がしやすいとしても草むしり検定など、使いどころが難しい資格のために罪を犯したりはしないだろう。
今、就職するにあたり「英語力」が重要視されているということが良くわかる。
だが就職は大学のように入ってしまえばこちらのものというわけではないのではないか。
TOEIC900点台の英語自信ニキとして採用されたなら、当然英語の仕事を振られ、瞬時に能力が露呈するだろうし、TOEIC900点の奴に英語の仕事を全くさせないような企業は後々つぶれるだろうし、少なくとも不正をしてまで入る価値がない。
確かに、日本の企業であれば一度入ってしまえば、簡単に解雇などできないだろう。
それでも「あいつTOEIC900の癖にエキサイト翻訳使おうとするんだぜ」と言われながら居座るメンタルがあるなら実力で英語ぐらい覚えられるのではないか。
不正の方法も進化しているだろうが、それを見破る技術も向上している。
「不正はコスパが悪い」という結論に達し、試験の自力合格を目指す判断ができた人はそれだけで賢いのでたとえ今回TOEIC28点でも、次回頑張ってほしい。
ちなみにTOEICのスコアは5点刻みらしいので、TOEICエアプをかます時「932点」などと言わないように注意しよう。
