私の漫画がドラマ化することになり、その撮影見学に夫を伴い向かったが、道中で夫がフィッシング詐欺に遭い、東京上陸と共にクレカを失ったが、その後、綾瀬はるかと佐野勇斗に会った。

情報量が多すぎであり、これがプロットだったらどこか削れと言われるだろうし、私もフィッシング詐欺のくだりは脈絡がなさすぎるからいらないと思う。

しかし全て事実であり、むしろ予後が悪いのはフィッシング詐欺の方だ。

引っかかるまでの過程は以前の記事に書いたが、クレカ会社を騙る詐欺メールにクレカ情報を明け渡してしまったため、急ぎカードを停止し、再発行しなければいけなくなった。

再発行ともなれば、流石にオンライン手続きでは不可能である。

むしろフィッシング詐欺に引っかかっておいて「そこまで慎重にする必要はない」というやつにはクレカを持たせない方がいい。

再発行手続き書類を郵送にて送ることになるのだが、ここで不備があるとまた郵送で訂正書類を送ることとなり、結局夫はカード再発行まで1カ月かかっていた。

幸い夫はそこまでクレカを電気、携帯、新聞などの引き落としにしか使用していなかったが、現代人はもっとクレカを日常使いしていると思うので、1カ月でも止まったら死活問題だろう。

特に携帯関係の支払い事故は金融事故扱いになるという話も聞いたことがある。

つまり、携帯の支払いが滞った前科により、満を持してのマイホームローンが通らず、配偶者の目の角度が長崎の坂みたいになる恐れがあるということだ。

詐欺に引っかかったことにより金銭的被害が防げたとしても、このような生活への支障は免れない。より一層気を引き締め、詐欺には最初から引っかからないようにしなければならない。

ロアナプラでは日本語が通じるくらいの認識がないと生き残れない

だが残念なことに、我々のフィッシング詐欺被害リスクは急激に上がっている。

何故なら今現在、フィッシング詐欺で世界一狙われているのは「日本」であり、世界中フィッシング詐欺の8割が日本をターゲットにしている月もあったらしい。

「この国では日本人がモテる」という諸説はよく聞くが「フィッシング詐欺グループに日本人がモテる」というのは事実のようだ。

クラスの8割が俺に矢印を向けているというのは尋常ではない。しかしそこで起こるのはTO LOVEるではなく、純粋なトラブルである。

何故日本がそんなに標的にされるかというと、やはり諸外国に比べて自分が犯罪に巻き込まれるかもしれないという危機感が薄いからというのは否めない。

しかし日本人のピースボケは今に始まったことではない。何故急に日本人を集中的に狙うようになったかというと、「日本語」の問題がクリアできるようになったから、と言われている。

  • 長嶋茂雄さんの有名なエピソードで、アメリカに行った時のこと、「アメリカは凄い。子供なのに英語が上手い」と驚いていたという話が好きでしたが、今思うと、日本人だからって日本語が上手いとは限らないので、やっぱミスターは凄いと思いました

    長嶋茂雄さんの有名なエピソードで、アメリカに行った時のこと、「アメリカは凄い。子供なのに英語が上手い」と驚いていたという話が好きでしたが、今思うと、日本人だからって日本語が上手いとは限らないので、やっぱミスターは凄いと思いました

日本語は言語の中では難しい方だと言われている。

習得が難しい上にその国でしか使えないものを何故使い続けているのだと言われたら「最初に触ったのがPCがMacだから仕方ない」としか言えないのだが、難しいが故に、外国人が適当に作った詐欺メールは見破りやすかったのである。

さらに日本人は平和ボケだが、自分に向けられた「失礼」には鬼のように厳しいため、「明日夫がいません2兆円あげます」みたいなスパムならまだしも、銀行やクレジット会社を名乗るメールの日本語がおかしいことには敏感であり、少なくとも書き出しが「貴様らにおかれましたら」の時点ですぐに詐欺だと気づけたのである。

しかし、日本人が外国製フィッシング珍文をXのネタにしている間にも相手は進化しており、AIを用い違和感のない日本語メールを作成することができるようになったのだ。

今思えば、確かに夫がひっかかったメールも、日本語的なおかしさは見られなかった。

「日本語」というウオールマリアが崩壊してしまったことにより、フィッシング詐欺のターゲットが一気に日本人に向くようになってしまったということだ。

しかし、秀逸な日本語に騙される一方で、「国際ロマンス詐欺」のたどたどしい日本語を信用して騙される日本人もいる。

つまり、日本語として正しいかどうかで見破ろうとするのはやめて、内容を良く見ろということなのだが、おそらく内容も日々巧妙化しているのだろう。

ここまでくると私のようにろくにメールを開かず「未読20,206件」になっている奴が一番被害に遭いにくいような気がしてきた。

しかしこのタイプは「詐欺にあったことにすら気づかない」ため、被害が甚大化してから発覚しがちなところがある。

日本人が狙われるのは日本人の意識が低いせいかもしれないが、犯罪というのは常に狙われる方ではなく狙う方が悪いのだ。いくら日本人が弱いからと言って狙わないでいただきたい。

ただでさえ、国内でも振込詐欺被害は深刻なのに、世界のフィッシング詐欺組織がこぞって日本を狙っているというのは、前門の虎、肛門の痔でしかないし、そんな国を脱出したくても、何せ日本語しか話せないから無理なのである。