GW(ガッデムウイーク)最終日、夫と夕方のニュースを見ていたら「今この時期代行サービスが熱い」というトピックが流れて来た。
まず紹介されたのは「家事代行サービス」である。
何でも連休になると家事代行の単発依頼が増えるらしい。
これは、連休中は家事も休むという強い意志、そして連休が明け、明日から仕事という段階になって家が汚れているとさらにやる気が失われ「連休自主延長」という判断をしかねないのでリフレッシュ的な意味で頼む人が多いそうだ。
私も家事代行には興味あるが、私の部屋はすでに「家事」というには重い部類であり、すでに「特殊」の方に依頼する段階だと思うが、正直私は部屋が汚くても平気である。
私に部屋を片付けろというのは、アナルに住んでいるぎょう虫に「もっときれいなところに住んだ方がよくない?」というのと同じなのだ。
それに仮にプロのエステシャンを呼んで、アナルに超音波振動からイオン導入までスペシャルケアを行ったところで、半日もすればそこを世界一汚い貨物列車が通過していくのである。
だがそこがアナルという場所であり、それに疑問を抱く奴もいないだろう、それと同じように私の部屋が汚いことにも何ら不思議はない。
しかし、アナル以外の部位、つまり私の部屋以外の共有部分が汚れているのは良くないと思うので、それらの場所に家事代行を呼ぶのはやぶさかではない。
だが、正直このニュースにおいて家事代行は前座である、ビートルズで言えばドリフですらなく、ずうとるびのコピーバンドみたいなものだ。
本題は「連休自主延長」を決めた人へのサービス「退職代行」である。
連休明けの家事と出社が似たような扱いになる価値観
ニュースでは数人の退職代行会社社員がひっきりなしにどこかへ電話をかけている様子が映しだされており、退職代行サービスは今時期かなり繁忙期のようだ。
すでにガッデム連休が明けてからかなり経過しているが、Xでも未だにトレンドにも「退職代行」が挙がり続けている。
退職代行サービス自体は10年ぐらい前から存在したが、初発はまだネタ扱いだったような気がする、それが近年になって急成長し、特に今年は目にする機会が多い。
これは現在の日本が深刻な若手不足で、新卒に関しては売り手市場なことが影響していると思われる。
辞めたとしても再就職が容易なため、少しでも違和感を感じたら躊躇なく辞めるからだろう。
それに、昔であれば退職代行を頼むのは恥ずかしいことという印象があったが、「退職代行」というワードが頻繁にトレンドに挙がることによりサービスの存在がさらに広く知られ「意外とみんな使っている」というイメージになり、使用の敷居が下がったせいもあるのかもしれない。
ちなみに私も3回ほど退職をしているが、もちろんこのようなサービスはなく、新卒で入った会社は「お母さん」という禁術を用いて退職した。
ただ、お母さんを単騎で行かせたわけではなく、「辞意を伝えるお母さんとその横で自律神経をヤってうつむく娘」というツートップで突破させてもらった。
これに比べたら、自分で自分の金を使って退職代行を依頼しているのは「まだ大人」と言えるだろう、私だって当時このサービスがあったら使っている。
よって私は退職代行サービスに対し肯定派なのだが、同じニュースを見ていた夫は「逃げているだけではないか」とご立腹である。
辞意を伝えると陰陽師代を請求されるような現実もあるようですし
夫はサラリーマンであり中間管理職だ、私は完全に退職代行を使う側に感情移入していたが、夫は使われる側にシンクロしているのである。
自分も連休明けで憂鬱なのに、1か月丁寧に仕事を教えた新卒が出社せず、代わりに「退職代行モームリです」と名乗る電話を取らなければいけない立場からすると、なるほど退職代行サービスは苦々しいものなのかもしれない。
確かに、退職代行を「自分で辞意を伝える度胸がない」という理由で使う人もいると思うが、自分で辞める気力も残っていない人間は遅かれ早やかれ休職とかになってしまうので、早めにまっとうな手続きで自主退職してくらた方がお互いのためとも言える。
また、労働には法律があり、もちろん退職に係る法律もある。
ブラックな企業だと、辞意を伝えても法律的におかしなことを言い出して辞められなくなったり、こちらが不利な形で辞めさせられる恐れがある。
よって、退職代行サービスは、訴訟に弁護士が入るように、法に詳しい者として間に入り、適切な退職を行うサービスとしての意味もある。
そもそも、雇用される側が辞めると言ったら、法律上辞められないという道理はないため、もう辞めることがきまった決まった会社の敗戦処理に時間や精神力を使いたくないという、コスパタイパ重視の世相を反映しているとも言えるのかもしれない。
なお退職代行サービスの料金は大体3万円くらいだそうで、安いと見るか高いと見るかは状況次第だろう。ちなみに失業保険は通算1年は働いていないともらえないので、4月に入社して5月に高速弾丸退社する人はもらえないので注意が必要だ。
これからまだ伸びそうな退職代行業界であり、実際数も増えてきている。それほど活況な業界であるならば、すでに「退職代行サービス会社の退職」に「退職代行サービス」を使うという現象も起きているのかもしれない。