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【答え】資産ではあるものの、大きく増える資産であるとは限らない
記念硬貨とは? その種類と目的
記念硬貨とは特定の出来事や人物、イベントを記念して発行される特別な貨幣です。東京オリンピック、長野オリンピック、大阪万博、天皇陛下のご即位などに際して発行されたものが代表例です。
多くは日本政府(造幣局)によって枚数限定で発行され、額面はあるものの、通常の流通貨幣とは異なり「使う」より「保管して楽しむ」ためのコインとされています。素材も多彩で、ニッケル合金製から銀、さらには金製のものまであります。
記念硬貨の価値を左右する3つの要素
では、記念硬貨の価値はどう決まるのでしょうか? 市場価格に影響を与える要素は、主に以下の3つです。
- 発行枚数と希少性
発行枚数が少なければ少ないほど希少価値が高まり、市場価格が上昇しやすくなります。特に、「プルーフ貨幣」と呼ばれる鏡面仕上げのコインは高い人気を誇ります。
- 保存状態
傷や汚れがあると価値は大きく下がります。未使用状態や専用ケース入りの美品は高く評価されます。
- 素材の価値
金や銀などの貴金属を用いた記念硬貨は、素材そのものの市場価格が価値を支えます。特に金製の記念硬貨は、金相場の上昇に伴って価格が上がる傾向にあり、収集品としてのプレミアがつかなくても、地金価格が資産価値を底支えする重要なポイントです。
万博コインのような記念硬貨の実情
たとえば、1970年の大阪万博で発行された記念硬貨は、今でも骨董品店やネットオークションで取引されています。額面が100円や1,000円のものであっても、保存状態が良ければ数千円の値がつくこともあります。
ただし、すべての記念硬貨が値上がりしているわけではありません。大阪万博のように歴史的意義があり、かつ発行枚数が限られていた記念硬貨には一定のプレミアがつきますが、発行枚数が多すぎるものは額面割れするケースも少なくないのです。
記念硬貨は資産になる?
結論からいえば、記念硬貨は「資産」ではあるものの、「大きく増える資産」であるとは限りません。特に、金や銀などの素材価値を持たない合金製の硬貨では、額面を超える価値がつく可能性は限定的です。
しかし、金製の記念硬貨については話が別です。地金相場の上昇により、素材としての価値が高騰することがあり、経済不安やインフレ時の「現物資産」として注目されるケースも増えているのです。
金製記念硬貨の実例:10万円金貨が30万円超に
その代表例が、「天皇陛下御即位記念金貨」(1990年発行)や「天皇陛下御在位60年記念金貨」(1986年発行)です。これらはいずれも額面10万円とされていますが、純金製であることから、近年の金相場高騰により30万~50万円以上で取引されることも珍しくありません。
つまり、発行から数十年が経っても、額面の3~5倍の価格がついているのです。これは収集的なプレミアではなく、地金価格の上昇が価値のベースとなっているため、非常に安定した実物資産といえます。
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それでも記念硬貨が面白い理由
たとえ高額で売れなかったとしても、記念硬貨には「貨幣」でありながら「記憶のカプセル」としての魅力があります。大阪万博の記念硬貨には、高度経済成長期の日本の希望や熱気が詰まっていますし、オリンピック記念硬貨には国民が共有した感動が刻まれています。
市場価格に表れない文化的・歴史的な価値や個人的な思い出こそが、記念硬貨を集める醍醐味なのです。
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