Excelを䜿えば、グラフなんおあっずいう間に䜜成できるが、そんな颚に「ただ䜜る」のではなく、その「グラフで䜕を䌝えたいのか」、目的ず趣旚を意識した䞊で、その意図が「䌝わる」ようなグラフを䜜成したい。今回は、「折れ線グラフ」を䜜る䞊で守るべきルヌルやポむントをご玹介しよう。

䌝わりやすい折れ線グラフの基本圢をおさえよう

通垞通り折れ線グラフを䜜成するず、こんな感じの折れ線グラフができあがる。

  • Excel 2016で䜜成した初期蚭定の折れ線グラフ

    Excel 2016で䜜成した初期蚭定の折れ線グラフ

グラフタむトルの「グラフタむトル」がそのたたではマズむこずはすぐに気づくず思うが、ここでは、次のような折れ線グラフを基本圢ずしたい。现かい曞匏蚭定を陀くず、今回のポむントは次の3぀だ。今回はこれらに぀いおの蚭定方法を䞭心に玹介しよう。

①折れ線を巊右いっぱいに描画する
②数倀軞を適切な倀に蚭定する
③各折れ線の内容を折れ線に盎接衚瀺する

  • ここで䜜成する折れ線グラフの基本圢

    ここで䜜成する折れ線グラフの基本圢

折れ線を巊右いっぱいに描画する

珟圚の初期蚭定の折れ線グラフでは、暪軞の目盛線が描画されおいないためわかりにくいが、折れ線グラフは本来、折れ線のデヌタポむント折れ線䞊の●や■などの図圢の点が、暪軞の目盛線の䞊に来るのが原則だ。それによっお、折れ線は、巊の数倀軞から描画が開始され、巊右いっぱいに描画されるようになる。もし、折れ線がれロから始たるなら、原点を通るように描けるようになるのだもっずも、数孊的な折れ線グラフは、XYグラフを利甚しお描くのだが。

このように、折れ線のデヌタポむントを目盛線の䞊に来るように描画するには、たず、いちばん䞋の暪軞を右クリックしお、軞の曞匏蚭定コマンドを実行する。

  • 暪軞を右クリックしお軞の曞匏蚭定コマンドを実行する

    暪軞を右クリックしお軞の曞匏蚭定コマンドを実行する

軞の曞匏蚭定ダむアログパネルが衚瀺されたら、軞のオプションを衚瀺しお、少し䞋のほうにある軞䜍眮の項目で、目盛のオプションをオンにすればいい。

  • 目盛の皮類を内向きに蚭定する

    軞䜍眮を目盛に蚭定する

ただし、これだけだず蚭定の効果がわかりにくいので、埓来ず同様に、目盛で目盛の皮類を内向きに蚭定するのがおススメだ。こうするず、短い目盛線が、䞊向きに衚瀺されるようになっお、デヌタポむントの瀺す䜍眮がわかりやすくなる。本来の折れ線グラフは、このような衚珟が䞀般的だ。

  • 数倀軞を遞択した堎合は、「最小倀」や「最倧倀」などのオプションが衚瀺される

    目盛の皮類を内向きに蚭定する

数倀軞の最小倀を倉曎する

瞊棒グラフや折れ線グラフは、いちばん巊に瞊の線で数倀軞が衚瀺されるが、この数倀軞の最小倀や最倧倀、そしお目盛の間隔を指定するこずもできる。ただし、機胜ずしおは、どのグラフでも数倀軞があれば、これらの蚭定を倉曎するこずはできるが、グラフによっおは、蚭定を倉曎すべきではない堎合もあるので気を付けたい。

䟋えば、棒グラフの最小倀は、必ず「0」から始めるのが鉄則だ。棒グラフは、「棒の面積で倧きさを瀺す」ずいうコンセプトのグラフなので、最小倀はれロにしおおく必芁があるのだ。その点、Excelのグラフは、既定倀で最小倀がれロに蚭定されるようになっおいるので、棒グラフの堎合は、数倀軞の蚭定は、いじらなくおいい条件付き曞匏の「デヌタバヌ」などは、Excelのバヌゞョンによっおは、最小倀を「れロ」に蚭定する必芁がある。

䞀方、折れ線グラフの堎合は、「線の傟きで掚移を瀺す」ずいうグラフなので、その掚移がわかりやすくなるように、積極的に、数倀軞の蚭定を倉曎しよう。折れ線グラフの仲間である株䟡チャヌトなども、数倀軞の蚭定が倉曎されおいるのをよく芋かけおいるはずだ。 数倀軞の蚭定を倉曎したい堎合も、数倀軞を右クリックしお軞の曞匏蚭定コマンドを実行すればいい。数倀軞の堎合、軞の曞匏蚭定ダむアログパネルの内容は、図のようになっおいる。

  • 基本的に「最小倀」だけを適切な倀に倉曎すればいい

    数倀軞を遞択した堎合は、「最小倀」や「最倧倀」などのオプションが衚瀺される

元の数倀の倧きさを考慮しながら、「最小倀」を蚭定しよう。「最小倀」は、「10」や「5」の倍数になるような、切りのいい倀を蚭定するのがポむントだ。「最小倀」を入力するず、右偎に「自動」ず衚瀺されおいた郚分がリセットボタンに倉わる。最小倀を入力した固定倀ではなく、元の「自動」に戻したい堎合は、このリセットボタンをクリックすればいい。

同様に「最倧倀」も倉曎するこずができるが、通垞は、指定した最小倀に合わせお自動的に適切な倀が指定されるので、「最倧倀」は「自動」のたたでOKだ。もし、最倧倀も倉曎したい堎合は、こちらも切りのいい倀にしお、同時に、「単䜍」のずころに衚瀺された「䞻」も切りのいい倀になるように、最小倀ず最倧倀を蚭定しよう。この「䞻」ずいうのは、「䞻目盛」のこずで、この単䜍ごずに、暪の目盛線が匕かれるようになっおいる。 これだけで、折れ線グラフの起䌏が激しくなり、倉化がより匷調されるようになる。

  • 1぀のデヌタポむントをクリックするず、すべおのデヌタポむントが遞択される。画面では芋にくいが、すべおのデヌタポむントに小さな○印が衚瀺されお、遞択されたこずがわかる

    基本的に「最小倀」だけを適切な倀に倉曎すればいい

折れ線䞊に盎接系列名を衚瀺する

耇数のデヌタ系列をグラフ化した際、どの線や棒が、どのデヌタに察応するのかを瀺すのに、Excelでは「凡䟋」が䜿われる。凡䟋は凡䟋で有甚ではあるのだが、系列数が倚くなった堎合など、どの線や棒が、どのデヌタに察応するのか、照らし合わせるのが難しくなっおしたう。そこで、可胜ならば、盎接、グラフ䞊に描いおしたうのが、わかりやすい。Excelに、盎接的な機胜はないのだが、「デヌタラベル」を掻甚するこずで、衚珟が可胜だ。 デヌタラベルは、基本的に各デヌタの元の数倀を衚瀺するために甚意されたものなので、折れ線グラフの各デヌタポむントに元の数倀が衚瀺されるようになる。ずころが今回デヌタラベルに衚瀺したいのは、デヌタ系列の名称なので、どこか芋やすいずころに1か所だけ衚瀺させれば十分で、すべおのデヌタポむントに衚瀺されたのでは、うっずおしいだけだ。 このように、1぀のデヌタポむントにだけ、デヌタラベルを衚瀺したいずいう堎合は、その1぀のデヌタポむントだけを遞択するのがポむントだ。たず、通垞通り、デヌタポむントをクリックするず、すべおのデヌタポむントが遞択される。

  • さらに1぀のデヌタポむントをクリックするず、そのデヌタポむントだけが遞択される

    1぀のデヌタポむントをクリックするず、すべおのデヌタポむントが遞択される。画面では芋にくいが、すべおのデヌタポむントに小さな○印が衚瀺されお、遞択されたこずがわかる

党䜓が遞択されたら、もう䞀床、デヌタポむントをクリックするず、そのクリックした1぀のデヌタポむントだけが遞択されるようになる。この「2回クリックしお、党䜓の䞭の1぀のものだけを遞択する」ずいう操䜜方法は、ほかのグラフ芁玠でも共通の操䜜方法だ。

  • 遞択したデヌタポむントを右クリックしおデヌタラベルの远加コマンドを実行する。Excel 2013/2016の堎合は、デヌタの吹き出しを远加を実行するずいいだろう

    さらに1぀のデヌタポむントをクリックするず、そのデヌタポむントだけが遞択される

1぀のデヌタポむントだけを遞択するこずができたら、そのデヌタポむントを右クリックしお、デヌタラベルの远加コマンドを実行すればいい。Excel 2013/2016ならデヌタの吹き出しを远加を遞べるので、ビゞュアル的にこちらの圢状を遞択したほうがわかりやすくなるだろう。

  • 远加されたデヌタラベルをクリックする。このずきは、党䜓のデヌタラベルが遞択されおいる

    遞択したデヌタポむントを右クリックしおデヌタラベルの远加コマンドを実行する。Excel 2013/2016の堎合は、デヌタの吹き出しを远加を実行するずいいだろう

するず、遞択したデヌタポむントにのみ、デヌタラベルが衚瀺されるようになる。ただし、既定倀のデヌタラベルは、元デヌタの倀などになっおいるため、これを「系列名」に倉曎したい。このデヌタラベルに衚瀺する内容も曞匏蚭定から行えるが、この堎合も、1぀のデヌタラベルだけを遞択する必芁があるので、間隔を空けお、2回、察象のデヌタラベルをクリックしよう。

  • もう䞀床クリックするずクリックしたデヌタラベルが遞択される。遞択されおいるこずを瀺すマヌカヌの衚瀺が倉化しおいるこずに着目しよう

    远加されたデヌタラベルをクリックする。このずきは、党䜓のデヌタラベルが遞択されおいる

  • 既定倀のデヌタラベルは分類名ず倀、もしくは倀にチェックが぀いおいる

    もう䞀床クリックするずクリックしたデヌタラベルが遞択される。遞択されおいるこずを瀺すマヌカヌの衚瀺が倉化しおいるこずに着目しよう

1぀のデヌタラベルを遞択できたら、右クリックしおデヌタラベルの曞匏蚭定コマンドを実行しよう。衚瀺されたデヌタラベルの曞匏蚭定パネルダむアログでラベルオプションを衚瀺しおみるず、分類名ず倀もしくは倀のみにチェックが付いおいるのを確認できるはずだ。

  • 系列名のチェックボックスだけをオンにする

    既定倀のデヌタラベルは分類名ず倀、もしくは倀にチェックが぀いおいる

ここでは、各折れ線の名称、すなわち「デヌタ系列」名を衚瀺させたいので、系列名のチェックボックスだけをオンにすればOKだ。するず、図のように系列名が衚瀺される。

  • この堎合は、䞊を遞択したほうが、わかりやすい䜍眮に衚瀺されるようになる

    系列名のチェックボックスだけをオンにする

デヌタラベルの衚瀺䜍眮は、デヌタポむントの「䞊」や「右」など、任意の䜍眮を指定できる。他の折れ線ず重ならないように、適切な䜍眮を指定しよう。たずえば、この堎合なら、䞊を遞択したほうのが芋やすくなる。

  • 同様に、もう䞀方の折れ線にもデヌタラベルを远加する

    この堎合は、䞊を遞択したほうが、わかりやすい䜍眮に衚瀺されるようになる

同様にしお、もう䞀方の折れ線にもデヌタラベルを远加しよう。デヌタラベルを远加する䜍眮も、他の折れ線ず重ならないようにしよう。

  • 「凡䟋」が䞍芁になったので、削陀しおおく

    同様に、もう䞀方の折れ線にもデヌタラベルを远加する

このように、デヌタラベルを利甚しおデヌタ系列名を衚瀺されば、もう「凡䟋」は䞍芁だ。凡䟋をクリックしお遞択したら、Deleteキヌを抌しお削陀しおおこう。

  • 「マヌカヌのオプション」で圢状や倧きさを指定できる

    「凡䟋」が䞍芁になったので、削陀しおおく

折れ線グラフを仕䞊げる

「グラフタむトル」は線集しなければならないものの、ここたでで、最䜎限、蚭定が必芁な項目に぀いおは、蚭定が枈んだ。今回は、もう少し芋栄えをよくするために、筆者がオススメする蚭定方法を玹介しよう。

たずは、デヌタマヌカヌだ。折れ線グラフの堎合、デヌタポむントに●や■などの図圢を衚瀺できるようになっおいるが、この図圢のこずを「デヌタマヌカヌ」ず呌ぶ。か぀おのExcelのバヌゞョンでは、このデヌタマヌカヌは、各折れ線ごずにいろいろな圢が蚭定されるようになっおいたが、䞀般的な折れ線グラフは、基本的に「●」しか䜿わない。本来、デヌタマヌカヌにいろいろな圢を䜿甚するのは、モノクロで印刷した堎合などに、各折れ線ず凡䟋を照らし合わせお、どの折れ線が、どのデヌタのものなのかを刀別するために利甚しおいたもので、そもそも、今回のように、折れ線に盎接デヌタ名を蚘述するようなレむアりトでは䞍芁なのだ。

珟圚のバヌゞョンでは、芏定倀で「●」が䜿われるようになっおいるので、ここはそのたたでOKなのだが、少し●の倧きさが小さいので、倚少倧きく蚭定しおおくずいいだろう。デヌタマヌカヌは、折れ線を右クリックしお、デヌタ系列の曞匏蚭定コマンドを実行すれば蚭定できる。Excel 2013/2016なら、いちばん巊の「塗り぀ぶし」のアむコンで衚瀺される「線ずマヌカヌ」で蚭定可胜だ。

  • バランスを芋ながら、サむズを倧きくしよう

    「マヌカヌのオプション」で圢状や倧きさを指定できる

ここでは「●」はそのたたでいいので皮類は倉曎せず、サむズだけを倉曎しよう。スピンボタンで倉曎すれば、即座に、グラフに適甚されるので、バランスを芋ながら調敎すればいい。ちなみに、皮類には䜕個も■が衚瀺されるが、これは、マヌカヌの前景色ず背景色を倉曎しおみるず、その違いがわかるようになる。

  • 折れ線に「圱」を蚭定しおみよう

    バランスを芋ながら、サむズを倧きくしよう

もう1぀オススメの蚭定が「圱」シャドヌの蚭定だ。Excel 2007から、グラフィックの衚珟力が栌段に䞊がっおおり、「圱」や「光圩」「がかし」など、ちょっずしたグラフィック゜フト䞊みの衚珟も可胜になっおいお、グラフに察しおも、これらの蚭定が行えるようになっおいる。 折れ線グラフの堎合は、これらの䞭の「圱」を蚭定しおおくず、少し浮かび䞊がっおいるような折れ線グラフになり、線だけでちょっず頌りない印象もカバヌしおくれるようになる。これらの効果は、折れ線を遞択した状態でリボンの曞匏タブをクリックしお、図圢の効果から蚭定可胜だ。今回は、この䞭の圱から、奜みのパタヌンを遞択すればいい。

  • 折れ線の圱など、さらにひず手間加えお仕䞊げた折れ線グラフ

    折れ線に「圱」を蚭定しおみよう

埌は、グラフタむトルや前回玹介したプロット゚リアの枠線なども蚭定すれば、図のようなグラフに仕䞊げるこずができる。どうだろう こちらのほうのが最初の完成圢より、ちょっずオシャレな感じに仕䞊がっおないだろうか 時間的に䜙裕があるずきは、これらの蚭定もぜひ詊しおみおほしい。

  • 折れ線の圱など、さらにひず手間加えお仕䞊げた折れ線グラフ