NTTドコモ モバイル社会研究所が、QRコード決済サービスを利用しているユーザーがどの程度、画面ロックを使っているかの調査結果について紹介している(該当ニュースリリース)。

データで読み解くモバイル利用トレンド2024-2025としてモバイル社会白書2024年版を公開しているが、この調査は、その中の項目のひとつだ。

  • スマホのセットアップ中に画面ロックの設定が入る機種もあるが、手順をスキップすることもできてしまう

スマホを使う高齢層は画面ロックに消極的

全国の15歳から79歳のスマホ利用者を対象にしたこの調査では、そのうち6割が「QRコード決済(d払い、PayPay、au Payなどのスマホ決済)サービスを利用していたという。

どの年代でも利用率が過半数を超えていた。そして、全体の71%が画面ロックを使っているという回答だったようだ。まずまずの成績だ。

だが、逆にいうと3割近くが画面ロックをしていないということになる。実際、QRコード決済サービスを利用する70代ユーザーの3~4割は画面ロックをしていないという結果が出ている。後期高齢者が画面ロックを避けたがる傾向にあるということだ。

後回しにしがちな画面ロック、設定なしでは危険

新しいスマホを自分が使えるようにするためには、それなりに複雑なセットアップの作業が必要だ。この時代、初めてのスマホというのは考えにくく、前のスマホから次のスマホにデータを移行したり、愛用のアプリを入れなければならない。

そのプロセスの中で、アップルやGoogleアカウントへのパスワードを使ったログイン、そして、端末としてのスマホのロックをするためのパスワードやPIN、顔や指紋などの生体認証用データの登録などが求められる。データ移行やアプリ再インストールはほぼほぼ自動化されているが、これらの登録だけは本人が実際にやらなければならない。

だが、これらの登録はスキップすることができる。特に、高齢者向けに家族がセットアップ作業を手伝うような場合には、親切心でロック画面の設定をスキップさせてしまうかもしれない。

もちろん、きちんとロックしておくのが望ましい。ずっと四六時中、、肌身離さず持ち歩いているスマホなら、ロックされていなくてもあまり大きな問題にはならないかもしれない。だが、そのスマホを万が一、紛失してしまったら。病院の待合室などに忘れてきてしまったら、そして、あるいは悪意のある第三者による盗難に遭ってしまったらどうか。QRコード決済を使い、不正に送金されてしまうなどの危険性が出てくる。

家の鍵と同じ。スマホにも“当たり前の防犯”を

スマホを取り巻く犯罪状況は、ひどくなる一方だ。SNSアカウントの乗っ取りなども日常茶飯事のようだ。そのアカウント利用にコード決済などがからんでくると、財布を盗まれるよりもずっと大きな被害につながってしまう。

家を出るときに鍵をかけるのと同じように、スマホを使い終わったときには鍵をかけることを怠らないようにしよう。指紋や顔などの生体認証を使うのは、PINやパスワードを入れるよりもずっと簡単だ。

高齢者だけではなく、若い世代の人たちも、サイバー犯罪者をなめないほうがいい。姿は見えないが、大きな犯罪に巻き込まれないように、正しく怖れる必要がある。スマホのロック画面の先には、自分で思っている以上に大事なものだらけなのだから。