• USB Type-CでつなげるACアダプタの小型化が進んでいる

    USB Type-CでつなげるACアダプタの小型化が進んでいる

だんだん外出の機会が増えてきた。この先、コロナがどうなるかは不透明だとしても、外出が増えて自宅にいる時間が短くなると、どうしても気になるのがスマホやパソコンなどのバッテリだ。

自宅にいればいつでも充電できるので残り容量を心配することはあまりないが、外出することが多くなると残り容量が心配になる日も増えてくるだろう。やはりモバイル機器は外出時に頻繁に使いたくなるものだ。そして使えば使うほどバッテリは減っていく。

普通、出先でのバッテリ切れにはモバイルバッテリを使って対処する。スマホだけならそれでいいが、パソコンの充電まで守備範囲に入れるとなると、大きく重い高出力のバッテリが必要だ。

その一方で、ACアダプタは軽短小化が著しい。今は、多くのカフェやパブリックスペースでAC電源が解放されているので、コンパクトなACアダプタをカバンに入れておけば、こうしたACが使える場所に立ち寄って、人間の休息と同時にモバイル機器もいっしょに充電ができる。帰宅までもつかどうか不安なら、短時間で容易に継ぎ足し充電ができるので精神衛生上もいい。

PCとスマホを同時に充電できるACアダプタが便利

充電に使うACアダプタは、USB PD対応2ポートのものがトレンドだ。USB PDは高速充電の規格だ。2ポートアダプタは、同時に2つの機器を高速充電できるようにUSB Type-Cポートを2つ装備している。

2ポート装備のアダプタには、USB Type-AとUSB Type-Cの2つのポートを備えるものも多いのだが、これからの主流は2つのUSB Type-Cポートを備えたもののほうが使い勝手がよさそうだ。というのも、USB PDによる高速充電規格は、両端USB Type-Cのケーブルでしかできないからだ。

ケーブルの片方がLightning端子になっているiPhoneも、片方がUSB Type-C、もう片方がLightningになっているケーブルでなければ急速充電はできない。現行のiPhoneには、このケーブルが付属している。

パソコンも同様で、USB PDによる充電には、両端がType-Cのケーブルが必要だ。2つのポートを使って2つのUSB PD対応機器を同時に充電するには、2ポートともにUSB Type-Cでなければならない。

同じように見えるACアダプタ、実は出力に細かな違い

USB Type-Cポートが2つあるACアダプタだが、製品ごとにちょっとした仕様の違いがあるので、購入時には注意したい。

たとえば、「Anker PowerPort III 2-Port 65W」は、2つのポートをもつ136グラムのコンパクトなアダプタだ。片方だけを使う場合は65W出力できるが、両方のポートを同時に使う場合、下部が45W、上部が20Wになる。下部と上部で出力が異なるのだ。

一般的なスマホは18W程度の電力にのみ対応している。また、パソコンの多くは45W超の電力が必要だ。つまり、スマホとパソコンをこのアダプタで同時に充電するためには、パソコンを下部、スマホを上部のポートに接続しなければ、両方の機器を同時に高速充電することができない。

  • USB Type-Cポートを2基搭載した小型ACアダプタたち(右からAnker PowerPort III 2-Port 65W、BOOST↑CHARGE USB-C 68W GaN充電器、Innergie C6 Duo(Fold))。似ているように見えるが、実はそれぞれ特徴がある

わかりやすいといえばわかりやすいのだが、接続ポートを間違えると、スマホは充電しているのにパソコンはちっとも充電されないといったことが起こる。

ベルキンの「BOOST↑CHARGE USB-C 68W GaN充電器」も似た仕様だが、18Wポートと50-60Wポートが装備され、下部ポートに1台の接続では60Wになり、2つのポートを使ったときには上部ポート18Wと下部ポート50Wになる。

一方、「Innergie C6 Duo(Fold)」は2つのType-Cポートを装備したUSB PD対応アダプタだが、片方を使う場合はどちらも60W、2ポートを同時に使う場合は接続された機器にあわせて45Wと18Wか、30Wと30Wに配分される。

ポートを区別することなく、どちらにどんな機器を接続しても、自動的に配分が調節されるので混乱することがない。最近は一部のパソコンも30Wで充電できるようになってきていたり、スマホでも30W超の超急速充電ができるようになっていたりもするので、そういう機器を同時充電するには、この仕様の方が使いやすいだろう。

明確にポートごとの役割を決めて使うか、アダプターのインテリジェントな采配にまかせるか、どちらが使いやすいかは人それぞれだ。ケーブルの色などを決めて間違わないようにするといった工夫も有効だ。