ポケモンGOの新しい機能「GOバトルリーグ」のプレシーズンが始まっている。いわゆるバトルなのだが、人間対人間のバトルを楽しむことができる。プレシーズンは事前期間でサービス側にとってはシステムの調整、最適化やバランス調整を行い、プレーヤー側にとってはいわば練習期間として戦力となるポケモンの実力確認などを行える。
GOバトルリーグ、本番は3月14日早朝から
本番となるシーズン1は3月14日の早朝からスタートする。バトルはポケモンのCPが1500までに制限されるスーパーリーグ、2500までのハイパーリーグ、無制限のマスターリーグがあり、順に2週間ごとにスーパー、ハイパー、マスターとリーグが変わり、3つのリーグが終わるとまたスーパーから始まるようなタイムラインになっている。
バトルの仕組みとしては、通常のトレーナーバトルやロケット団対戦と同じで、3匹のポケモンを選んでパーティを作り、相手のパーティと戦う。
興味深いのは、やはり相手が人間であるということだ。技術的には自分や相手が持っているスマホはそれぞれ異なり、さらに、通信回線の帯域も異なる。システム側では双方のデバイスからの情報を得て、勝負の進行では、双方が画面をタップした回数をカウントして双方の画面に反映し、スペシャルアタックボタンをどちらが先に押したかを判定するなどの処理を行う。
そのときに、不公平にならないようにするためにさまざまな技術が使われている。遅い回線、処理性能の低いスマホでは不利になるということがないように、いろいろな調整が行われているのだが、サーバーとマルチクライアントのリアルタイムデータ交換に使われるテクノロジーについてはトップシークレットらしい。
ただ、プレシーズンのバトルでは、ゲージをためて打つスペシャルアタックボタンの反応に疑問を感じた。明らかにこちらが先にボタンをタップしているのに打てず、相手のスペシャルアタックを受けてしまうという理不尽な結果に終わるということが続出している。本シーズンの開始時にはシステムの調整や画面演出の効果でなんとかしてほしいものだ。
ポケモン戦の研究で熟練者も楽しめる
シーズン開始に先立ち、Nianticでは説明会を実施、「GOバトルリーグ」の概要を解説した。新型コロナウイルス感染拡大防止のために、オンラインによるビデオ会議でのブリーフィングイベントで説明が行われた。同社では、リーグ制をとったことで、普段は活躍する機会がほぼないCPの低いポケモンの存在感を高められることをアピール。ポケモン同士の相性や技などを研究することで、初心者から熟練者まで楽しめるとし、新しいポケモンの遊び方を見つけてほしいという。
コロナウイルスの影響を受け、日本、韓国、イタリア地域では、感染拡大防止のため、コミュニティデイが無期延期されたり、レイドアワー、スポットライトアワーなどのイベントが中止されている。
GOバトルリーグはまず最初に5キロ歩くことで挑戦権が得られ5回のリーグ戦に挑戦でき、それが1日3回までとなっているが、ポケコインを使って距離を代替することもできる。最低2キロは歩く必要があるとはいえ、不要不急の外出を控えるように要請されている今、ジムでバトルしたり、ポケストップを回すといった楽しみ方以外に、多少のウォーキングで部屋を出ないでも楽しめる遊び方が提供されたのは皮肉なタイミングだといえる。
ちなみにシーズン1開始記念に、1日のバトルセットは7回に増加している(2020年3月13日朝8時から3月16日22時まで)。1セットは5対戦なので35対戦ができるわけだ。これはこれでけっこうな体力が求められる。
自粛ムードをITで助ける
世界的なウイルス流行は、こうしたゲームにまで影響を与え、システム側では対応を余儀なくされている。特にポケモンGOのようなアウトドアでの位置情報を駆使したゲームにとっては深刻な状況だともいえる。
世の中が自粛ムードで、いろいろなエンタテイメントが奪われているといってもいい今、いろんなチャレンジで楽しみを継続していけるようにしてほしい。テレワークなどの対策ノウハウが話題にあがり、各種グループウェアやビデオ会議システム、ウェビナーなどの使いこなしが喧伝されることが多い昨今だが、エンタテイメントもまたITが助けることができる重要な人間活動だ。
(山田祥平 http://twitter.com/syohei/ @syohei)