特定小型原付をはじめ電動モビリティの販売を手がけるSWALLOWは3月13日、特定小型原動機付自転車(特定小型原付)の新製品「MOPERO 4U(モペロ フォーユー)」発表会を開催。横浜市の協力を受けた実証実験から得たユーザーの声を製品に反映したことや、現在の特定小型原付の動向について説明が行われました。
通常価格は189,800円ですが、3月17日現在、特別先行予約として25%オフの142,350円で販売されています。配送は6月末から順次となっています。
そもそも、特定小型原付ってどんな乗り物?
シェアリングサービス「LUUP」の電動キックボードが特定小型原付のモビリティとして広く知られていますが、今回発表されたMOPERO 4Uは個人が所有して乗車する製品です。従来の原付と異なり、車輪の数や本体の形状に制約がないため、特定小型原付と一言で言ってもさまざまなバリエーションがあります。
特定小型原付は、2023年7月施行の改正道路交通法で創設された車両区分で、16歳以上であれば免許不要で乗車できるのが特徴。ヘルメット着用は努力義務で、最高速度は車道モードで時速20km、歩道モードで時速6km(※「普通自転車等及び歩行者等専用」の標識がある歩道のみ走行可)となっています。
SWALLOWの金 洋国CEOは、特定小型原付を販売していると「違法モペットと何が違うの?」と聞かれることが多いと明かし、特定小型原付は国土交通省が委託する検査機関で性能確認を取得した適法な車両で、保安部品未装備・ナンバープレート未取得の違法モペットとは明確に異なることを強調しました。
横浜市の協力で集まったユーザーの声を反映
MOPERO 4Uの開発にあたっては、横浜市が管理する道路予定地を活用したプロトタイプの実証実験を実施し、65歳以上のアクティブシニアの試乗によるフィードバックを収集。プロトタイプ段階では公道での試験は行えない難点がこの実証実験で解消され、利用者の実情に即したデータが集まったといいます。
フィードバックを分析した結果として、足置きの位置の改善、アクセル形状のレバー式から親指で押すスロットル式への変更、フレームのまたぎやすさ向上、荷物カゴの大型化、加速度を調整できる「パパ/ママモード」の追加など、多数の改善を製品に反映しました。
同社の前作「MOPERO mini cargo」のクラウドファンディングで、購入者の80%以上が40代以上、女性比率が34%(電動キックボードは約9割が男性)というデータを踏まえ、スカートでも乗りやすい「またがない乗り方」のできるフレームを採用。駐輪場に収まるコンパクトなサイズ、ハンドルとサドルの高さ調整機能など、幅広いユーザーが使いやすい設計を施しました。
発表会後の試乗会で実際に乗ってみたところ、2kg前後の重量のあるリュックサックを前かごに入れたにもかかわらず、発車時の安定感が非常に高いことが印象的でした。ちなみに前かごは5kgまで荷物を積めます。
キックボード型だとバランスが崩れそうで怖いけど、MOPERO 4Uであれば乗れるというユーザーは多いかもしれません。見た目が市場に多く流通している自転車と近いことも、生活に取り入れやすいメリットになりそうです。
ただし、特定小型原付は現状1人乗りのみなので、見た目が電動アシスト自転車に似ていても、専用座席に子どもを乗せて走ることはできません。
そうした自転車準拠の利用について実現の可能性はあるかと質問が会場から挙がり、金CEOは以下のように語りました。
「子どもが乗せられたらすごく楽になると思われるユーザーは多いと考えているし、警察庁との議論でも『まずは一人乗りから始めたいが、二人乗りを制限するつもりはない』とお話がありました。今後、そうした利用が可能か検討していければと考えています」
特定小型原付=キックボードではない? 実は「次」の段階にシフト中
特定小型原付の安心安全な普及をめざす「日本電動マイクロモビリティ推進協会(JEMPA)」の理事を務める金さんが、市場動向についても解説しました。
同協会のデータによると、特定小型原付市場は2023年の9,200台から増加傾向にあり、キックボード型から椅子付きバイク型へのシフトが顕著になっているとのこと。2024年には自転車型モビリティとバイク型モビリティの需要が急増したそうです。
街で見かける特定小型原付として電動キックボードを想い起こす人は多いと思いますが、実は同協会が把握している範囲では、既存の自転車やバイクの形をした特定小型原付を所有する人が増えているということでした。
2030年までに20万台規模の市場形成を予測しており、SWALLOWでは電動アシスト自転車からの流入や免許返納者など、新規需要の開拓に注力すると語りました。販路についても家電量販店のみならず、自転車量販店「ダイシャリン」への展開を推進し、自転車のようにアクセスしやすい修理・メンテナンス体制の整備も進めていくそうです。
同社の特定小型原付自転車の前機種である「MOPERO mini cargo」の購入者アンケートのデータによれば、購入前に比較検討した乗り物の8割が「電動アシスト自転車」だったとのこと。
同社として、特定小型原付は「猛暑での走行における身体への負担の低減」、「電動アシスト自転車では対応が難しい傾斜の多い地域での移動手段」、「免許返納後の移動手段」、「膝の痛みなど身体的負担がある人の利用」といったニーズを想定しているそうです。
シェアリングサービスの印象が強い特定小型原付ですが、現状普及している自転車や原付、バイクと異なる立ち位置を築くことができるか、注目していきたいところです。












