カメラメーカーのなかでも保守的なイメージが強いキヤノンですが、若者の間でコンデジ(コンパクトデジカメ)ブームが起こって新たなユーザー層が生まれていることを受け、若年層に向けた新趣向のコンパクトデジカメを増やしていく意向を示しました。
CP+のキヤノンブースで参考出展して大きな話題を呼んだアナログコンセプトカメラが、まさにその1つだと考えられます。
技術力やマーケティング力で優れるキヤノンだけに、最近売れている安い&お手軽といった海外製コンパクトデジカメとは一線を画す魅力的なカメラが出てきそうで、期待できます。
かつてのデジカメブームを知らない若者がコンデジを求めている
CP+2026開幕初日の2月26日、キヤノンのカメラ事業の責任者を務める、キヤノン 副社長執行役員 イメージンググループ管掌の戸倉剛氏が報道陣の囲み取材に応じました。
コンパクトデジカメの出荷は2年ぐらい前から急回復していて、2025年の出荷台数は240万台ぐらいになったといいます。そのようななか、戸倉氏が着目したのが若年層の動向です。
「若年層がスマホとは違うツール(コンパクトデジカメ)を使って撮る楽しさに気づいた。写真だけでなく動画も撮影でき、しかもミラーレスより小さく安い点が評価されている。この流れを見ると、高価なコンパクトデジカメが売れていた時代がもう一度来るのは間違いない」(戸倉氏)
キヤノンは、2025年秋からIXYやPowerShotなど従来モデルの一部改良版を投入するなど、手持ちのリソースを使ってブームに乗っています。しかし、戸倉氏は既存モデルの“二番煎じ”で商売を続ける気はさらさらない様子を見せました。
「かつてコンパクトデジカメが売れていたときに使っていた人とは違う層からのニーズが生まれているのは間違いない。そういった層の勢いによって、市場はまだまだ伸びていくだろう。これからは、新しい顧客を見ながら開発したコンパクトデジカメのラインナップを少しずつ増やしていきたい」(戸倉氏)
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PowerShot30周年を記念して4月に販売する限定モデル「PowerShot G7 X Mark III PowerShot 30th Anniversary Edition」。中身は通常のPowerShot G7 X Mark IIIと同じ
戸倉氏の発言からは、これまでとはまったく異なるベクトルで開発した、若者に響くコンパクトデジカメを精力的に出していく、という意気込みが感じられました。
その思いをいち早く形としたのが、キヤノンが今回参考出展したアナログコンセプトカメラでしょう。スマホでの撮影とはまったく異なるウエストレベルでの撮影スタイル、解像感よりもフィルムのような質感を重視した仕上がり、普通のコンパクトデジカメとは違うフォルム、動画も撮れることなど、先の戸倉氏の発言で指摘していた若者に響く要素をしっかり盛り込んでいることが分かります。
アナログコンセプトカメラの製品化は未定としながらも、完成度の高いデザイン案を一般に公開したことから、今年中の発売は十分にあり得るでしょう。進化の幅が小さくなったスマホカメラとは対照的に、今年はコンパクトデジカメが面白くなりそうです。


