さる12月27日、TACHIKAWA STAGE GARDENにてタクティカルシューティングゲームのイベント「立川立飛eスポーツフェス EXHIBITION MATCH 2025」が開催されました。立川立飛eスポーツフェスは今年が4回目の開催で、初の有料観戦イベントとなりました。
『VALORANT』のエキシビションマッチでは、伊織もえさんと高杉真宙さんのおふたりをスペシャルゲストに招き、国内外のトッププレイヤーが集結して、対戦を行います。イベントではエキシビションマッチ以外にも、有名コスプレイヤーによるコスプレの撮影会やVCT Pacificの応援スポット、立川女子高等学校ダンス部によるオープニングアクトなども行われました。また、試合終了後にはホワイエにて、出場選手や実況の岸大河さんらによるファンミーティングも開催されました。
『VALORANT』のエキシビションマッチは2試合行われ、それぞれのチームのリーダーをスペシャルゲストの伊織もえさんと高杉真宙さんが務めます。出場メンバーは試合ごとに入れ替わります。
第一試合のマップは、2025年から導入された新マップのカロードです。Team高杉真宙は、リーダー高杉真宙さん、DetonatioN FocusMe(DFM)のSSeeS選手、Crazy Raccoon(CR)のneth選手、REJECT(RC)のDep選手、RIDDLE ORDER(RID)のCaedye選手の5名のメンバー。Team伊織もえは、リーダー伊織もえさん、RIDのSeoldam選手、DFMのMeiy選手、CRのrion選手、ZETA DIVISION(ZETA)のSugarZ3ro選手の5名です。
Team伊織もえがアタッカー、Team高杉真宙がディフェンダーからのスタート。攻守交代の13ゲーム終了時点でTeam伊織もえが8-5でリードしていましたが、アタッカーとなったTeam高杉真宙が怒涛の攻勢を見せ、一気に6ゲーム連取して逆転します。結局、Team伊織もえは、ディフェンダーで2ゲームしか取れず、Team高杉真宙が13-10で勝利しました。
第二試合のマップはバインドです。今回のTeam高杉真宙は、リーダー高杉真宙さん、Seoldam選手(RID)、Dep選手(RC)、rion選手(CR)、meiy選手(DFM)の5名。Team伊織もえは、リーダー伊織もえさん、SugarZ3ro選手(ZETA)、neth選手(CR)、SSeeS選手(DFM)、Caedye選手(RID)の5名。
Team伊織もえがアタッカー、Team高杉真宙がディフェンダーからのスタートで、これは第一試合と同じ。しかし第一試合とは逆の展開で、ディフェンダーのTeam高杉真宙が勝利を重ね、10-3の大差で攻守が入れ替わります。ディフェンダーサイドとなったTeam伊織もえは1ゲーム差を縮めるのが精一杯で、第二試合もTeam高杉真宙が13-7で勝利しました。
上記の通り、出演者はオールスターキャスト。競技シーンでは見られない組み合わせの対戦は見応え十分です。とはいえ、これまでは無料で観戦できていたイベントが有料化することは、かなりハードルが高かったと思われますが、それでも会場には多くの観客が押し寄せていました。『VALORANT』自体の人気やeスポーツの浸透具合も要因だと思われますが、いまや立川はeスポーツの街としてのイメージも定着しており、大会の開催を続けていた蓄積によるものも大きいと感じました。
その立川のeスポーツの取り組みついて、この大会の主催者である立飛ホールディングスの後藤孝輔さんとNTT東日本の吉田真之介さんに話を聞きました。
――今回は有料イベントとなって初めての開催となりましたが、それでもかなりのお客さんが入っていました。
後藤孝輔氏(以下、後藤):やはり無料と有料では全然違うと思っています。大会が始まる前から、求められるものの高さが違います。
1階と2階はほぼ満席でしたが、3階席のチケットはちょっと苦戦していました。すべての席で満足いただけるように、スクリーンを大きくしたり、特殊効果の部分、たとえばスモークとか、そういったものをしっかりやるようにしたりしていました。
ゲストの方についてもしっかりと満足いただける方を選びました。会場の運営をお願いしているNTT東日本さんにも工夫していただきながら、前回以上のものをお届けできたと思います。あとはアンケートの結果をみて、次回にもっと良くなるような施策を練っていきます。
吉田真之介氏(以下、吉田):毎年、前回よりも良いものを提供し、来てくださったお客様に楽しんでいけるように心がけています。立川のみなさんと一緒に1年かけて検討させていただいています。Xなどのフォロワーも毎年増えており、離脱しないでいてくれています。皆さんが期待していることを感じていますので、今回、有料でほぼ満席だったことには、期待に応えられているのかと思っています。
――立川立飛eスポーツフェスの以前から、『League of Legends』のプレイオフが行われたり、対戦格闘ゲームのコミュニティがあったりと、立川はeスポーツの街として認識されているように思います。当事者としてどのように感じていますでしょうか。
後藤:そうですね、eスポーツのイベントはいろいろなものが立川で開催されるようになりました。我々のイベントも今回で4回目ですし、立川の地としても、eスポーツ自体としても、波がきているのではないかと思います。
SNSなどを見ても、年末に近づくとそろそろ立川立飛のeスポーツイベントの時期であるというポストや、今年はどんなことをやるのかというポストを見かけたりもします。こちらから発信しなくても開催されることが当たり前のように感じ、期待されている人がいることは、開催者として嬉しくなります。こういった波がさらに大きくなっていけばと思います。
――立川の街自体の反応はどうでしょうか。
後藤:今はかなり理解されていると思います。私は会社では人事をしているのですが、新卒採用の学生説明会で、この会社はeスポーツ大会もやっていますよねって話しかけられるようになりました。若者世代を中心に少しずつ認知が広がっていることが実感できています。
街としても協力してくれていて、ほかのイベントではチケットの半券を持っていくと料金が割り引かれたり、ドリンクがサービスされたりする企画を行うこともあります。今回の「立川立飛eスポーツフェス EXHIBITION MATCH 2025」ではそういった企画は実施していませんが、せっかく立川に来てくれた人たちをそのまま帰すのはもったいないですし、立川の街を楽しんでもらいたいとは思っています。もちろん、立川周辺の飲食店が賑わってくれるのも嬉しいです。我々も立川で事業をしていますし。
吉田:できればイベントの始まる前に駅前でランチを食べて、イベントを楽しんだあとにちょっとお洒落な店でディナーを食べていただくとか。そういう流れが出せると街も盛り上がるんじゃないかなと思っています。
――実際、来場した人たちの中には立川の街を楽しんだ人もいると思います。反応はいかがですか。
後藤:我々は不動産業もやっていて、立川ステージガーデンのあるグリーンスプリングスも弊社のグループで運営をしています。イベントのために初めて立川を訪れた人が、「けっこう夜景が綺麗」とか「お洒落で美味しい店がある」みたいなポストをしてくれています。イベントがなければ立川の魅力を知る機会もありませんでしたし、若い人たちが拡散してくれることで、新たな人が訪れる機会を作ってくれています。すべてが連鎖的に繋がっているんだ、認知度が上がっているんだということは実感しています。
――今回のイベントは、エキシビションマッチが2試合ということで、eスポーツイベントとしては短めのイベントでした。その分、先ほどおっしゃっていたように、イベントの前と後に立川で遊ぶ余裕も生まれてくるのではないかと思いました。
後藤:そのあたりはNTT東日本との話し合いで、立川で楽しめるようにと考えていました。開催時間についてはまったくその通りです。
吉田:最初はもっと終了時間が遅かったんですけど、それだとイベントが終わったらすぐに電車に乗らないと帰れなくなってしまうような感じになってしまうんですよね。そこは試行錯誤しながら考えました。
――来年に向けて、さらにまだ来場したことがない人たちに向けて、ひと言お願いします。
後藤:eスポーツイベントはたくさん行われるようになりましたが、それでもオフラインで開催するイベントはまだまだ少ないと感じています。実際にそういった声も聞かれます。動画配信で大会をやったり、雑談を配信したり、そういったことで相互でコミュニケーションを取れることは取れるのですが、やはりオフラインならではの良さがあると思っています。
立川立飛eスポーツフェスの場合だと、イベント終了後にファンミーティングを用意しているのがそれですね。リアルでしか味わえない良さがあるので、まだ来たことがない人は一度体験してもらいたいです。今回の来場者の7割は女性で、おそらく選手の顔を直接みたいという気持ちもあるんだと思います。間近で選手を観るというだけでも十分楽しめると思います。
吉田:今回は有料になったこともあり、来場者特典でアクリルスタンドをお配りしています。あと、試合の前に選手が観覧席にTシャツを投げ入れることもしており、来場したからこそ体験でき、入手できるものを用意することで、現地に来ていただいた方々により楽しんでいただけるような工夫をしました。来年はもっとパワーアップして、観に来て良かったなって思えるように頑張っていきます。
――最後に、なにか言い残したことがあれば。
後藤:そうですね、ステージでも「最後にひと言」って言われて選手が困っていましたね(笑)。逆にご来場いただいた立場からなにか感じることはありましたか。
――エキシビションマッチも面白かったですし、ファンミーティングも来場者は嬉しかったと思います。せっかくなのでもう少し立川色が出てもよかったですね。地元の物販コーナーとか。
後藤:なるほど。『VALORANT』のエキシビションマッチというだけなら他の場所でもできないことではないので、立川でやっている意味みたいなものは出していきたいですね。
吉田:NTT東日本の立場からは、eスポーツはデジタルスキルとすごく親和性が高いと感じています。デジタルに触れる入り口として、立川がある種の聖地として若い人が集まってくれれば良いなと思っています。立川はデジタルに強いよねということになれば、企業やそこに勤める人が集まってくると思いますし、文化としても成立していくと思っています。







