NVIDIAは都内で国内メディア向けの説明会を開催し、CES 2026で発表された内容についてのキャッチアップを行いました。今年は消費者向けハードウェア新製品の投入こそありませんでしたが、RTX 40 / 50でより高速に利用できる高品質な超解像機能「NVIDIA DLSS 4.5」を発表。ローカルAIで用いられるライブラリの最適化にも努め、現地ではワークステーションPCが動画を生成する様子を実際に眺めることができました。
かんたんに内容についておさらいしておくと、NVIDIAはCES 2026において「NVIDIA DLSS 4.5」を発表しました。それまでの最新バージョンであるDLSS 4からは従来用いられてきたCNNモデルからTransformerモデルに刷新されていた点が最大の特徴で、DLSS 4.5ではこのモデルを第2世代Transformerモデルへと更新。約5倍の計算量を投入した新モデルはディテールの再現性を高め、動きのある画面でもゴーストの発生を抑制するほか、アンチエイリアスの品質も改善しました。
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第2世代Transformerモデルを導入。FP8精度の採用でRTX 40 / 50でベストな体験を実現します
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大きいゲーム画面の一部を切り取ってもアップスケーリングを感じさせない精細さに
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動くオブジェクトの後ろに出がちなゴーストも低減
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DLSS 4の頃からアンチエイリアスに問題があったようには感じませんでしたが、さらに品質を高めたとのこと
また、マルチフレーム生成機能は最大6倍(5つのフレームを差し込む)まで上限突破。フレーム生成の割合自体を自動で可変するダイナミックフレーム生成機能も選べるようになり、目標フレームレートを設定することで無駄なフレーム生成を抑止できます。モニターの性能を活かしつつ、GPUのパワーを使いすぎない実ゲームプレイのユースケースに沿った配慮がなされている点も見逃せません。
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導入が進んできた240Hzモニターで重量級ゲームを快適に楽しめるように。この機能を支えるフレームペーシングはRTX 50シリーズが統合する独自のハードウェアが実現するため、RTX 40以前をサポートしません
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ネイティブで40fpsくらいしか出ていなくても6倍まで引き上げればモニターのリフレッシュレートに届くとか。1% Low FPSが厳しい数値にならないか気になります
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忠実度を極限まで引き上げるパストレーシング設定でも実用的なゲーミングプレイが可能。多くの場合6倍もフレームを生成する必要はないようです
DLSS 4.5はゲーム開発者の導入を待つ必要がなく、NVIDIA Appから選択することですでに使えます。400以上のNVIDIA DLSS対応ゲームに適用して活用できるので、RTX 40以降を活用するユーザーはいつもプレイするゲームで描画品質の変化を凝視することが可能です。ちなみにRTX 30以前ではかなり計算負荷が大きくなるため、場合によってはPreset Kを使い続けてもよいでしょう(関連記事:「NVIDIA DLSS 4.5」はRTX 20 / 30にはちょっと荷が重い。“Preset”設定項目を確認しよう)。
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NVIDIA Appの導入もGeForce Experienceから遂げた長足の進歩。個人的にはオーバーレイの中にある設定項目もRadeon Software Adrenalinのように整理してNVIDIA App側に統合してほしいと思っています
急速に追いついてきたローカルAI。NVFP4/FP8への対応でモデルサイズを縮小
NVIDIA DLSS 4.5の発表も主要な内容でしたが、CES 2026ではllama.cpp、SLM向けのOllama、拡散モデル向けのComfyUIへの最適化も大きく取り沙汰されました。Blackwellシリーズがサポートする高速なNVFP4やNVFP8への対応を導入したことで、推論処理を大幅に高速化。87GBものVRAMが必要だったFLUX.2のようなモデルもNVFP4では26GBで済むようになり、データセンターのクラウド環境だけでなくGeForce RTX 5090のような消費者向け製品でも動くようになっています。
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ローカルAIはアーリーアダプターを超えて普及が広がっています。データセンター向けモデルとの性能差はベストケースでほぼ半年分くらいまで縮まりました
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VRAMからあふれてDRAMを占有すると極端に遅くなることがありますが、そのオフロード機能も改善したそう
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高解像度動画の生成5倍も高速化。Text to Videoもローカルで試せる現実的な処理速度に
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曖昧なテキストから動画を生成すると思ったものと違うものになりがちですが、画像を入力して作ればある程度コントロールできます。そのキーフレームもAIで生成しようというワークフロー
デモではNVIDIA RTX PRO 6000を搭載したワークステーションPCで動画生成の様子を実際に眺めることができました。テキストから3Dオブジェクトを生成し、Blenderに配置したレイアウトからキーフレームを生成。そのフレームから動画を生成し、これをアップスケールすることで高解像度動画を作り上げるというもの。レンダリングはプロセスのどこにも介在せず、GPUは推論処理へとその用途を移しているかのようです。
昨今では検索エンジンでもAIの回答をよく見るものですが、このAIによる検索機能をファイル検索に活用しようという「Nexa Hyperlink」が便利そう。自然言語で動画の内容を指定するとファイル名とタイムスタンプを教えてくれるというもので、人力で探すしんどい作業を大幅に効率化できます。もちろんローカルで動作するため、大きい動画ファイルをどこかにアップロードする必要もなく、内容を誰かに見られることもないためセキュアです。


