円安が怖い人ほど「為替ヘッジなし」を選ぼう
では、具体的にどの商品を選び、どう運用すべきか。
「現在、新NISAなどで購入できる全米株式の主要なファンドとしては、『SBI・V・全米株式』と『楽天・全米株式』の2つが挙げられます。中身はほぼ同じですが、個人的にはSBIの方がベターだと考えています。理由はシンプルで、信託報酬が安いからです。楽天が0.16%程度なのに対し、後発のSBIは0.0938%程度。わずかな差に見えるかもしれませんが、長期投資においてコストは1円でも安いほうが有利です」(窪田氏)
さらに、為替ヘッジの有無についても、窪田氏の見解は「なし」一択だ。かつては為替変動を嫌ってヘッジありを選ぶ層もいたが、長期的な資産防衛の観点からは推奨しないという。
「今後、1ドル100円を割るような円高が来る可能性はゼロではありません。ただ、10年、20年というスパンで見れば、円安方向に振れやすいと見る方が自然です。為替ヘッジなしを選んでおけば、円が弱くなった時に資産評価額が上がり、生活防衛になります。輸入品やガソリンが高くなっても、資産が増えているから相殺できる。人生のトータルバランスを考えれば、ヘッジなしの方が合理的です」(窪田氏)
成長投資枠で買うべきは“よく知る米国株”
つみたて投資枠で「全米株式」という盤石な土台を築いた後、次に悩むのが「成長投資枠をどう使うか」だ。ここで窪田氏は、安易な「日本株回帰」に釘を刺す。
私たちは日本円で給料を得て、将来の年金も日本株の運用環境に左右される。そこにNISAまで日本株で埋めてしまえば、資産の大半を「日本」という一つのカゴに乗せることになりかねない。
「成長投資枠では、自分が愛用しているサービスの米国株を買ってみるのがおすすめです。Amazonをよく使っているならアマゾン・ドットコム(AMZN)、iPhoneユーザーならアップル(AAPL)といった具合です。知っている企業の株を持てば、投資への興味が湧き、市場を見る目も養われます。また、守りを固める意味で、資産の一部に『金(ゴールド)』や、米ドルやユーロなどの通貨、または米国債などを組み入れるのも有効です。暴落時の強力なクッションになります」(窪田氏)
さらに窪田氏は、「今投資をやっていない人は速攻やったほうがよいです」とも強調する。円はゆるやかに、しかし確実に安くなっていく。そうである以上、先延ばしにするほど不利になりやすいからだ。
「個別株は難しく感じるかもしれません。そうであれば、まずはNISAで選べる低コストの商品からでも問題ありません。むしろ手数料の安い商品を淡々と積み上げていくほうが、長い目では効いてきます。投資で大切なのは、値上がり銘柄を当てることより、自分が“続けられる形”を作ることですからね」(窪田氏)
王道は王道として押さえつつ、成長投資枠で偏りを整え、守りのクッションも用意する。そうやって設計しておけば、相場がどんな局面になっても退場せずに済むはずだ。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買や投資を推奨するものではありません。

