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( Life )

「ただの貧血」が危ない、がんや心不全が見つかる血液検査のサイン

DEC. 27, 2025 08:00
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健康診断の結果を受けて、各項目に一喜一憂するだけに終わっていませんか? 本記事では、病気のリスクや見えない健康問題が分かるようになる健康診断の見方を、『総合診療医が徹底解読 健康診断でここまでわかる』(伊藤大介 著/文春新書 刊)から一部を抜粋・編集して紹介します。

「貧血」は消化器がんのサイン!

先日、私の医院を訪れた60代の女性Iさんが「めまいと動悸がする」と訴えてきました。診察すると、目の強膜(白目の部分)が青く、結膜も赤みが少ないなど、貧血の症状が見られました。血液検査をした結果、やはり貧血であることが分かり、さらに詳しく検査すると、「鉄欠乏性貧血」だったのです。食生活も偏っていたので、Iさんには鉄分を処方しました。

しかし、ここで話は終わりません。

1〜2カ月後に改めて検査をしてみると、あまり鉄欠乏が改善しなかったので、何か他の原因があると疑い、精密検査をしました。すると、大腸がんが見つかったのです。これには私も驚きました。

ただ不幸中の幸いで、その後、Iさんは手術でがんを完全に取り切ることができ、現在は再発予防のために抗がん剤治療を行なっています。

「単なる貧血だ」と軽く考えていても、実は背後には、胃がんや大腸がんなど深刻な病気が潜んでいることがあります。そのまま放置すると、最悪の場合は手遅れになることもあるのです。

軽度の貧血では、疲れやすさ、息切れ、動悸、めまいなどの症状が現れますが、貧血が進行すると、心臓に負担がかかり、心不全を引き起こすこともあります。また、妊婦さんの場合は、早産や低出生体重児のリスクも高くなります。決して放置してはいけません。

ただ、貧血と聞いて、多くの人が健康診断の項目で気にするのは「ヘモグロビン(Hb)」や「赤血球」の数値ではないでしょうか?

たしかに、それらも重要です。ヘモグロビンは、赤血球に含まれる赤色の色素タンパク質のことで、「鉄(ヘム)」と「タンパク質(グロビン)」が結びついたものです。血液中の酸素を運ぶ役割を担っています。血液の色が赤いのは、ヘムが赤色素を持っているからです。ヘモグロビンを見れば、酸素を運ぶタンパク質の量が直接分かるので、自分が貧血あるかどうかの明確な指標にはなります。

しかしヘモグロビンの「量」と同じくらい重要なのは「質」です。実はヘモグロビンの質を表す項目が健康診断の血液検査には隠されています。

それが以下3つです。

  • MCV
  • MCH
  • MCHC

何を意味する項目なのか、よく分からずに無視してしまう人も多いはずです。

「MCV」は、「赤血球の平均の容積」を表しています。MCVの数値が低ければ低いほど、赤血球が小さくなっていることを意味し、高ければ高いほど、大きくなっていることを意味します。健康な人は80〜100(fL)程度だとされています。

MCVが80を下回るほど小さくなっている場合は、十分な大きさのヘモグロビンを作れていない可能性があります。これは、鉄分不足が原因で起こる「鉄欠乏性貧血」のサインかもしれません。

逆に、MCVが100を超えるほど大きくなっている場合は、ビタミンB12や葉酸が不足していると考えられます。ビタミンB12や葉酸はDNAの合成に不可欠な栄養素であり、これらが不足すると「巨赤芽球性貧血」と呼ばれる状態になることがあります。

つまり、MCVが異常値を示している場合は、貧血の"予備軍"になっている可能性が高く、MCVの数値から、貧血の種類や原因まで推測することができるのです。

2つ目の「MCH」は、「赤血球1個あたりのヘモグロビンの量」を表します。簡単に言うと、赤血球の「重さ」のようなものです。

3つ目の「MCHC」は、「赤血球1個あたりの容積に対するヘモグロビンの量の比率」を表します。ごく簡略化して言えば、赤血球の「色の濃さ」と考えてもいいでしょう。

MCV、MCH、MCHCの3つの項目を組み合わせることで、様々なタイプの貧血を鑑別することができるのです。

このように一見、地味な検査項目もピラミッドの原則にならって、他の項目と組み合わせることで、自分の水分状態や栄養状態、さらには貧血のリスクも知ることができるのです。

MCV↓低値× MCH↓低値× MCHC↓低値= 鉄欠乏性貧血
MCV↑高値× MCH↑高値× MCHC○正常= 巨赤芽球性貧血
MCV正常○× MCH正常○× MCHC○正常= 再生不良性貧血
MCV正常○× MCH正常○× MCHC○正常= 溶血性貧血

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「健康診断こそ、がん、脳卒中、糖尿病、腎不全など深刻な病気の『芽』を摘むことができる唯一の方法だ! 」——著者の伊藤大介医師は年間3万人もの患者さんを診察する中で、そう確信した。伊藤医師は、かつて東大医学部で肝臓・胆嚢・脾臓の外科手術を専門にしていたが、その後、内科医に転身したという異色の経歴の持ち主。現在は深刻な病気から生活上の悩みにも対応する総合診療医として日々の診療にあたり、絶大な人気を誇っている。

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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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