オーディオハードウェア企業のSugr Technologyは12月9日、Makuakeの先行販売で1億2,000万円以上の応援購入を集めたAIボイスレコーダー「HiDock P1」および、「HiDock P1 mini」の日本市場向け説明会を開催しました。
説明会では同社CEOのSean Song氏やCMOのLinna Peng氏、日本市場担当のSteve Pan氏らが、製品の特徴や開発背景、日本市場への本格参入にあたっての狙い、サポート体制などを紹介しました。
Bluetoothイヤホンの通話を記録できるAIレコーダー
まずはHiDock P1(以下、P1)とHiDock P1 mini(以下、P1 mini)の概要を紹介しましょう。いずれも録音音声をPCやスマートフォン向けの専用アプリ「HiNotes」で文字起こし/要約表示できるAIレコーダーです。
最大の特徴は、独自のBlueCatch技術により、Bluetoothイヤホンで送受信した音声データを記録できること。この「通話モード」で使うときは、P1をUSB-CケーブルでPCなどへ有線接続し(P1 miniの場合はスマートフォンなどへ直接接続)、P1本体とユーザーが利用しているBluetoothイヤホンをペアリングすると、オンライン会議などで双方向の通話内容をワンタッチで録音できます。
なお、対面での音声を記録する「対面モード」と、小声で話した内容を記録する「呟きモード」ではPCなどとの接続は不要。レコーダー単体で動作します。文字起こし用にデータをデバイス転送するにはUSB接続が必要です。
HiDockでは、Bluetoothイヤホンに対応したAIボイスレコーダーは世界初とアピール。同社の据え置き型AIオーディオドック「HiDock H1」をリリースした際(日本では2024年2月にMakuakeで提供)、「自分のイヤホンでAI文字起こし機能を使いたい」という声が多くあがり、P1シリーズの開発につながりました。
BlueCatch技術はエンジニアが16回に及ぶ試作を経て確立させたといい、P1シリーズは有線接続したPCなどのデバイスと、Bluetooth接続したイヤホンの間で音声データを中継するように動きます。一般的なBluetoothイヤホンであれば制限なく接続可能とのこと。
このほか、無料版でも文字起こし・要約作成のデータ量に制限がない点や、幾何学模様を取り入れたデザイン性の高さも特徴に挙げられます。
HiDock P1の主な特徴
- Bluetoothイヤホン対応の小型AIボイスレコーダー
- スタジオ品質のデュアルECMマイク搭載
- 通話・対面・呟きの3モードに対応
- AIによる文字起こし&要約が無料
- タッチコントロールUSB-Cケーブル付属
- 高耐久なアルミニウムボディ
- 対応言語は75言語
HiDock P1 miniの主な特徴
- Bluetoothイヤホン対応AIボイスレコーダー
- スタジオ品質のECMマイク搭載
- 通話・対面の2モードに対応
- AIによる文字起こし&要約が無料
- 高耐久なアルミニウムボディ
- 専用アプリ「HiNotes」でかんたん操作
- スマホ・タブレット向けの設計でPCには非対応
- 対応言語は75言語
米国などでは既に展開済み。日本では2025年8月に実施したMakuakeの応援購入にて、P1とP1 miniを合わせて5,306人のサポーターから、総額1億2,134万6,380円を集めました。
11月6日から直販サイトなどで日本での一般発売を開始したことにともない、今回販売代理店「EZLIFE」を交え国内販売の体制を強化。量販店での取り扱いや法人営業などオフライン販売の拡充に加え、説明書や製品案内のローカライズ、FAQ・トラブルシューティングなどの対応、メーカーと連携した技術サポートなど、日本向けの丁寧なサポート体制を整えるとしています。
「効率と美しさを両立」P1シリーズの開発背景
香港に本社を構えるSugr TechnologyのCEO Sean Song氏は、コロナ禍にオンラインでのコミュニケーションが広がったものの、会議が長時間になったり、国境をまたいだ多言語会議では話を聞きながらメモを取るのが難しかったりしたという課題が、製品開発の裏側にあると紹介しました。
多くの会社がこれらの課題を解決すべくソリューションを提供しましたがその多くは企業向けで、個人にとっては使いにくく高額だったとSong氏。「我々は個人のためのブランドを作りたいと思ったわけです」と会社を設立した背景を話しました。
P1で記録した録音データのセキュリティにも言及。サービスはMicrosoft Azureのパブリッククラウドに実装しており、データには匿名化・ランダム化・チャンク処理を行い、AI学習には使用しない設計であると強調しました。
このほか、直線と円形を組み合わせた幾何学的な本体デザインもこだわったポイントの1つ。効率的でありながら美しい製品に仕上がったと自信をみせました。P1にはマグネットを内蔵し、PCの天板やホワイトボードなどに接着させて使用できます。
文書化文化の日本にこそ“自動文字起こし”が必要
「日本では文書化文化が根強く、会議メモや報告書作成の効率化に大きな可能性がある」――日本市場に注目してAIボイスレコーダーを投入した背景を、CMOのLinna Peng氏はこう説明しました。
日本市場における最初のプロダクト「HiDock H1」をMakuakeで投入した反響から、同社は日本ユーザーが負担軽減と業務効率化に役立つツールを求めていると認識。想定ユーザーのうち、まだ訴求しきれていない「学生」と「ビジネスパーソン」をターゲットとし、P1シリーズの特徴である低コストを“売り”に、高価なAIソリューションにハードルを感じる人へに届けたいとしています。
市場に出回るAIボイスレコーダーの多くは月額のサブスクリプション利用を前提としていますが、P1シリーズの購入者は録音からの文字起こし、AI要約といった基本機能を無料で使えます。発言者の識別や、豊富な要約テンプレート、リアルタイムで発言を翻訳する「ライブ翻訳」といった高度なワークフローを求めるユーザー向けには、有料オプション「Pro Membership」が、12.99ドル(1,200分の利用分)から用意されています。













