米NVIDIAと米Intelは9月18日(現地時間)、データセンターおよびPC市場向けの半導体製品を共同で開発すると発表した。NVIDIAは、この協業の一環として、Intelの普通株式に50億ドル(約7,400億円:1ドル=148円換算)を投資する。この取り組みは、両社の技術を融合させて次世代のコンピューティング基盤を築くことを目的としており、発表後にIntel株が一時30%以上急騰するなど、市場にも大きな反響を呼んだ。

Intelは近年、先端プロセス技術の開発で後れを取り、AIデータセンター市場ではNVIDIAに大きく引き離されてきた。PC向けでも、デスクトップCPU分野においてAMDの攻勢を受け、市場シェアを脅かされている。こうした苦境を打開するため、Intelは支出抑制、製造計画の見直し、さらには数千人規模の人員削減など、抜本的な構造改革を進めてきた。

その一方で、米国政府は「米国ファースト」政策のもと、Intelを戦略的に支援しており、今年8月には約89億ドル(Intel株式の約10%相当)の出資を決定した。さらに、ソフトバンクも20億ドルを拠出している。こうした資本注入はIntelが米半導体産業の製造基盤を維持・強化するための後押しと位置づけられる。今回のNVIDIAによる出資は、それに続く重要な支援といえる。

今回の協業における大きな柱は以下の2点である。

  • データセンター向け製品:Intelは、NVIDIA向けにカスタマイズされたx86 CPUを開発し、NVIDIAがこれを自社のAIインフラストラクチャ・プラットフォームに統合して提供する。両社はアーキテクチャの連携にあたり、NVIDIAの高速インターコネクト技術「NVLink」を採用する予定である。NVLinkは、PCI Expressなど他の標準規格と比べてチップ間の転送速度が速く、大規模なGPU並列処理を要するAIアプリケーションにおいて重要な役割を果たす。

  • PC向け製品:Intelは、NVIDIAのRTX GPUチップレットを統合したx86システムオンチップ(SoC)を開発し、市場に投入する。両社はこれまでもゲーミングノートPCなどで協力しているが、今回のSoC統合はAI時代のPC市場に向けた新たな一手となる。

NVIDIAのCEOであるジェンスン・フアン氏は、「この歴史的な協業は、NVIDIAのAIとアクセラレーテッド・コンピューティングのスタックを、IntelのCPUと広大なx86エコシステムに緊密に結合させるものだ」と述べている。一方、IntelのCEOであるリップブー・タン氏は、Intelのデータセンターおよびクライアント・プラットフォームに加え、プロセス技術、製造力、パッケージング技術が、NVIDIAのAI分野におけるリーダーシップを補完し、業界に新たなブレークスルーをもたらすと語った。