Enermaxのブースで目を引いたのは、2相液浸冷却システムを採用したワークステーション「Cirrus Mk1」。PCシステムを液体に浸けて冷やすのが液浸冷却だが、同社のシステムは、発熱部で冷媒が蒸発し、そのときの気化熱で温度を下げる2相式であることだ。3,300Wもの冷却性能があるほか、CO2排出量を約50%削減できるという。
動作デモを行っていたシステムはまだプロトタイプということだが、実際に製品として発売することを計画しており、年末に量産を開始できるようにしたいそうだ。現在の課題は高コストであることで、それを下げるべく改良を進める。
ケース内には、冷媒としてダイキン工業のフッ素系素材である「DAISAVE SS-49」を封入。これは49℃で沸騰するため、CPUやGPUの2相液浸冷却に適している。CPUやGPUといった発熱部で気化した蒸気は、上部にあるラジエータで冷やされて液化し、雨のようにポタポタ落ちて下に戻る。ラジエータは別途外部で冷却している。
<動画>動画で見ると、循環の様子が分かりやすい
デモ機のシステムは、CPUがRyzen Threadripper 7960Xで、GeForce RTX 5090のグラフィックスカードを4枚使用していた。液浸としてはコンパクトなシステムのため、オフィス、学校、個人などを販売のターゲットとしているそうだ。