米Googleは3月14日(現地時間)、公式ブログで「The Assistant experience on mobile is upgrading to Gemini」を公開し、長年提供してきた「Googleアシスタント」を「Gemini」に置き換える計画を発表した。2025年にモバイル端末のGoogleアシスタントをGeminiに完全移行させ、その後、他のGoogleアシスタント対応デバイスにもAI技術を核とした新たな体験を拡大していく。
すでに多くのモバイル端末でGeminiは利用可能となっており、Googleによると数百万のユーザーがGoogleアシスタントから切り替えてGeminiを利用している。今後数カ月の間に、より多くのユーザーをGoogleアシスタントからGeminiにアップグレードさせる予定である。今年の後半には、 Geminiを実行するための最小システム要件を満たしていない場合を除き、ほとんどのスマートフォンで従来のGoogleアシスタントにアクセスできなくなる。また、アプリストアでのアプリ提供を終了させる。
加えて、タブレット、車載システム、そしてヘッドフォンやスマートウォッチなどスマートフォンと連携するデバイスも順次Geminiに移行させる。さらに、スピーカー、ディスプレイ、テレビなどのホームデバイスにもGeminiを導入し、より高度なAI体験を提供する計画だ。
Googleアシスタントは2016年に登場し、自然言語処理と音声認識技術を活用して、音声によるシンプルなユーザーインターフェースを実現した。AmazonのAlexaとともにスマートスピーカー市場の成長を牽引し、スマートフォンやタブレット、車載システム、ヘッドフォン、スマートウォッチ、スマートディスプレイ、テレビなど、幅広いデバイスに搭載されてきた。しかし、登場から約10年が経過し、生成AI技術の進化により、高度な推論能力や対話機能を備えたAIアシスタントの提供が可能となった。Googleはこの変化に対応し、GoogleアシスタントをGeminiに置き換えることで、よりパーソナルで高度なAIアシスタントの提供を目指す。
Geminiでは、マルチモーダル対応で自由な会話が可能な「Gemini Live」や、リサーチアシスタントとしてユーザーを支援する「Deep Research」など、より自然でユーザーのニーズに応えるアシスタントを提供できる。Googleは「これは始まりに過ぎない」と述べ、生成AI時代におけるユーザー支援のさらなる進化を示唆している。